2011年03月15日

支援の輪

 
旅行関連雑誌などの取材を受けると、よく記者の方から「どこのエアラインがいいですか?」といった質問を受けます。いいエアライン──これは一概に答えるのがむずかしい。「いい」「悪い」の判断は、何に基準を置くかで答えが違ってきますから。ですが、いまなら一つの基準として、こんなことが言えます。「社会的な使命をしっかり認識し、迅速に行動できるエアラインだ」と。


3月11日に発生した東日本大震災の対応として、ANAJALはいくつかの支援策を決めました。その一つが、救援物資の輸送協力。3月14日から4月15日までの期間、それぞれのグループが運航する国内線と国際線の全路線を対象に、無償で救援物資の輸送に当たります。両社はまた、マイレージ会員にマイル寄贈を呼びかける「義援マイル」の実施も発表しました。

テレビでも繰り返し報じられているように、海岸沿いに建設された仙台空港が、大津波に完全に飲み込まれてしまいました。しかし高台にある福島空港はダメージが小さく、すでに機能が回復しています。そこでソウル(仁川)と福島を定期便で結ぶ韓国のアシアナ航空〔写真〕は、昨日14日のOZ156便で毛布1,500枚、カップめんとペットボトルの飲料水それぞれ1,000個などを輸送しました。同社は「日本地域本部や被災地域の支店を経由して、復興に必要な支援をこれからも続ける」とコメントしています。

自国の救援隊を送り届けるための臨時便を飛ばすことなども、エアラインの重要な役割でしょう。各社の支援活動に関する情報は、私のもとにはまだ一部しか届いていません。自分たちに何ができるのか、何をするのがベストなのか──多くの会社で現在、日本の関係者と密に連絡をとりながら、検討を進めているのだと思います。被災地の一人でも多くの人たちに、支援の手を差しのべるために。私自身ももちろん、まずは自分のできることから始めます。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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