2011年01月28日

退職機長らの受け皿

 
2兆3,000億円余りの負債を抱えてJALが経営破綻してから、ちょうど1年。更正計画の柱は、グループ全体の3分の1に相当する1万6,000人の人員削減でした。希望退職か、整理解雇か。大量のリストラが進行するなか、苦悩の選択を迫られた人も少なくありません。パイロットも同じです。JALを辞めざるを得なかった機長や副操縦士らは、次なる一歩をどう踏み出そうとしているのか──。


昨日夜のテレビ朝日『報道ステーション』で、JALの元機長らの“その後”にスポットを当てた特集が放送されました。JALを退職した機長が即戦力として海外のエアラインに再就職するケースなども少しずつ出てきているようです。同特集の中で、彼らの“受け皿”の一例として紹介されたのがトルコ航空でした。

トルコ航空は、去年1年間の旅客数が前年比の16%増と、国際線を中心に急拡大を続けています。新しい機材の積極的な導入を進める一方で、パイロットが不足し、最近は女性の活躍も目立ち始めました。写真は、誠Styleの連載でのレポート「トルコ航空で“空のシルクロード”を行く」で取り上げた新しいボーイング777-300ERのコクピットです。そのシアトルからイスタンブールへのフェリーフライトで副操縦士の席についていたのも女性でした。

しかしトルコ人のパイロットだけでは、急拡大する需要に追いつけません。そこで始めたのが、海外の機長経験者の採用です。昨夜の特集で紹介された八木橋正行さん(60)も、日本から8,700キロ離れたトルコに新天地を求めた一人。JALで777機長として空を飛びつづけてきた彼は、カメラに向かって言いました。「JALの一員としての自分は終わってしまいましたが、パイロットとしての自分をまだまだ終わらせるわけにはいきませよ」。八木橋さんの新しい挑戦を、心から応援したいと思います。

S.Akimoto at 18:09│世界のエアライン 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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