2010年11月04日

A380に重大トラブル

 
赤と白の模様が入ったエンジン部品の一部が地面に散らばっています。画面に映し出されている場所は、インドネシアの西部に位置するバタム島。地元の人は「大きな爆発音がして、上空を飛ぶ旅客機のエンジン部分から煙が出ていた」と証言しました。


今日の午後、成田空港である取材をしていた最中に、その第一報が私の耳に届きました。エアバスのオール2階建て巨人機A380に、就航後初めてともいえる重大トラブルが発生したらしい──と。その後わかったところでは、カンタス航空が運航するA380がシンガポール・チャンギ空港をシドニーに向けて飛び立った直後に、4基あるエンジンのうちの1基が停止。同機は午後1時ごろにチャンギ空港に緊急着陸したというのです。

テレビニュースの映像で見ると、左翼の第2エンジンが破損し、エンジンカバーが外れてしまっています〔写真〕。乗客乗員466人にけがはなかったものの、カンタス航空のジョイスCEOは「安全性が確認されるまで保有するA380すべての運航を停止する」と発表。2007年10月に世界で最初にA380をデビューさせ、現在成田線など複数の路線で導入しているシンガポール航空も、点検のため運航を一時見合わせることを決めました。

一度はA380で旅してみたい。そう話していた人が、私の周りに少なくありません。今年に入ってルフトハンザが東京/フランクフルト線で、エールフランス航空が東京/パリ線でA380の運航を開始しました。近々A380での旅を計画していた人は、きっと気が気ではないでしょう。A380については私も本を1冊書き上げるなど、開発当初からずっと注目してきた機種だけに、ショックです。エアバスは同型機にエンジンを供給するロールスロイス社とともに原因究明に全力をあげると言っていますので、とりあえずはその進捗状況を見守りたいと思います。

S.Akimoto at 20:28│航空機 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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