2010年08月18日

旅客機に立ち乗り?

 
LCC(格安航空会社)が機内に「立ち乗り席」導入の検討を始めているというので、利用者の間でも波紋が広がっています。プランを公表したのはアイルランドのライアンエアーで、その立ち乗り席とはこんな感じ〔下の写真=画像に出典はよくわかりませんが、もともとライアンエアーが発表したもの?〕。まるで遊園地で見る立ち乗り型のジェットコースターです。


旅客機の立ち乗り席など、本当に実現可能なのでしょうか。ライアンエアーの構想では、飛行時間が1時間程度の近距離便で、レバー型ベルトで肩と腰を固定するタイプの立ち乗りシートをキャビン後方の一部に設置。このシートなら一人7〜14ドル(約600〜1,200円)の格安料金で提供できるといいます。今年7月に茨城空港に就航した中国のLCC春秋航空も同様な立ち乗り席導入プランを打ち出していますが、問題は、やはり安全基準をクリアできるかどうかでしょう。

たとえば日本では、旅客機が非常事態で着陸した場合、乗客が「着座した姿勢」をとれるような座席でなければならないという安全上の決まりがあります。つまり、腰掛けられるシートでなければ安全基準は満たされません。立ち乗りスタイルでは、当局の認可は得られないのです。

とはいえ、立ち乗りタイプの旅客機については、航空機メーカーのエアバス社でも一時期真剣に研究を進めていました。その話を私が最初に聞いたのは、もう4年ほど前だったと思います。プランに上がっていたのは、背もたれに寄りかかりながら自分の足で立つ「簡易型腰かけ」のようなタイプのシート。これでシートピッチを一般のエコノミークラスの約75センチから62.5センチに短縮し、輸送力アップと運賃低減を同時に実現できると言っていました。

研究はいまも続いているのでしょうか? 次にエアバス社の工場を取材するときか、開発担当者が来日する機会があれば、詳しく聞いてみようかな。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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