2010年08月06日

電子書籍考

 
私たち物を書く立場の人間にとって、いま避けて通れなくなりつつあるのが「電子書籍」というテーマです。この出版の新しい形態とどう向き合うか。先日も私の著書に対して「アップル社のiPad向けコンテンツとして販売したい」というオファーがあり、いろいろ考えた結果、最新作『ボーイング777機長まるごと体験』について承諾しました。


もちろん、いくつか問題点もあります。著作権がきちんと保護される仕組みはできあがっているのか? 電子出版により、本の売れ行きが落ちないか? 担当編集者は、本の読者と電子書籍のコンテンツ購入者はまだ層が分かれているので、むしろ電子出版により販路が拡大できるだろうと予想します。これについては、まずは実際にトライしてみることで、じっくり検証していこうと思っています。

ところで、エアラインの世界でも電子出版の動きが出てきました。紙に印刷された機内誌を廃止し、その内容を各シートに設置されたパーソナルモニターで読めるようにしようというもので、始めたのはシンガポール航空です。

同社はまず、機内誌「シルバークリス」や機内販売カタログ「クリスショップ」を電子化し、それをボーイング777-300ERやエアバスA380に搭載している機内エンターテインメントシステム「クリスワールド」で閲覧できるようにします〔写真はシンガポール航空の最新エコノミークラスに設置されたパーソナルモニター〕。機体を軽量化してCO2排出量を減らすため、機内誌の紙質見直しやページ数削減に取り組むエアラインはありましたが、機内誌そのものを電子書籍化するというのは世界でも初めての試み。今後は機内食メニューのカードや、現在機内で提供している国内外の100種類以上の雑誌、新聞などについても電子化していきたいと関係者は話していました。

時代はいま、確実に変わりつつあるのかも知れません。

S.Akimoto at 11:06│国内トピックス 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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