2010年01月15日

再生への道

 
このところ、メディア各社から取材を受けたり見解を求められたりといったことが続いています。テーマはご想像のとおり、JALの今後について。一般の読者の方々からも「JALはどうなってしまうんですか?」といった心配の声が絶えません。


会社更生法の適用申請──つまりナショナルフラッグキャリアを事実上倒産させるということで、世間は大騒ぎしていますが、じつは海外では多くのエアラインが同じ経験をしています。JALへの“救済話”を持ちかけているアメリカのデルタ航空も、2001年の同時多発テロ以降、旅客重要が低迷して経営が行き詰まり、2005年9月にアメリカの会社更生法にあたる「チャプター11(連邦破産法第11条)」の適用を受けました。その状況下でコスト削減を中心とする大胆な改革を進め、1年半後には再生を果たして株式も再上場しています。

デルタ航空はその後、ノースウエスト航空と合併し、世界最大のエアラインになりました。その合併相手であるノースウエスト航空や、同じくアメリカ大手のユナイテッド航空もやはり同時期にチャプター11の適用を申請して再建への道を踏み出しています。

要はJALも、できるだけ早く具体的な再建プランのもとで動き始めるべきでしょう。そうして積み重ねてきた債務を整理し、黒字化に向けた新しいビジネスモデルをつくっていってほしい。もちろん社員のリストラや不採算路線からの撤退を進めても、利用者がJALを信頼してためてきたマイレージはしっかりと保護し、サービス面ではむしろ強化していかなければなりません。「やっぱりJALに乗りたい」──そう思うファンを増やすことが、結局は再生への道に直結するのですから。

S.Akimoto at 17:00│日本のエアライン 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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