2009年11月11日

ANAの“ひらめき”

 
ANAが2010年から欧米路線に導入する新しいプロダクト&サービスが昨日、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で発表されました。新ブランド名は「inspiration of Japan」──和訳すると「日本発のひらめき」。発表会見には、スカパー旅チャンネル『世界のエアラインガイド』でサブコメンテータを務める橋本絵里子さんをともなって私も出席してきましたが、これはすごい!


たとえばビジネスクラスでは、一人ひとりのスペースを従来の1.5倍に広げ、180度水平に倒れるフルフラットシートを互い違いの形でレイアウト。どの席からもダイレクトに通路に出られるようにしました〔写真〕。同シートは新しいボーイング777-300ERに導入されて2010年2月にニューヨーク線でデビューし、その後はフランクフルト線、ロンドン線へと拡大する予定です。

ハード面もさることながら、私が注目したのはソフト面です。各座席には新スタイルのエンターテインメントシステムを搭載。タッチパネル式パーソナルモニターで「食事」の画面を呼び出すと、料理家の栗原はるみさんや人気レストランが監修する30種類以上のメニューが写真入りで表示されました。ここで食べたいメニューを自由に組み合わせて選べるほか、2010年4月からは好きな時間に好きな食事を画面上で直接オーダーできるようになります。

まさに画期的といえるでしょう。これまでは、各社がどれだけメニューを豪華にしても、乗客にとっては「決まったやり方のサービスを待つだけ」という“受け身”の構図は変わりませんでした。それをANAは180度転換し、乗客一人ひとりの気分やコンディションに合わせた個別サービスに変えようとしているのです。

私が感心していたら、横で橋本さんが「本当に画期的ですね。従来の常識では考えられないサービスです。でもそのぶん、CAは大変だろうな」と呟きました。自身の客室乗務員時代の体験と照らし合わせての実感なのでしょう。その点について、私は会場にいたANAの現役客室乗務員に聞いてみました。

「新ブランドを展開するに際しての新しいサービス訓練も、これからスタートします」と彼女は言います。「パーソナルな対応というのは、たしかにものすごく労力もかかるでしょう。決して簡単ではないことは私たちも重々承知しています。でも、だからこそワクワクもしています。それをきっちりやりとげることで、他には負けない、誰にも真似できないANAの個性を世界に向けて発信できると思っていますから」

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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