2009年10月11日

究極のエコフライト

 
関西国際空港に今日11日の夕方、JALグループの特別機がホノルルから到着します。何が特別なのかというと、この便には現時点で可能なあらゆる省エネ対策が施されていること。JALウェイズがホノルル/関西線で運航するボーイング747-400〔写真〕を使って計18項目にわたるテストを実施し、消費燃料をどこまで抑えられるかが検証されることになりました。


計画では、たとえば機内サービスで使うのガラス製のワイン容器をペットボトルに代えることで消費燃料を570リットル削減します。最も燃費効率のよい巡航高度を選ぶことでさらに490リットル。飛行ルートも、当日の気象を考慮しながら機長らが最適な経路を選択して455リットル。ほかに離着陸時も地上走行の距離が短いスポットを使用したり、機内誌のページ数を減らしたりといった工夫で、トータルでは従来の消費燃料の5%にあたる5,362リットルを削減できる──JALではそう試算しています。5,362リットルというと、ドラム缶で27本分! かなりのエコ対策になりますね。

ライバルのANAも10月を環境保全への取り組みの強化月間と位置づけ、現在「e-flight」と題したエコ対策を実施しています。これまで、たとえばパイロットの訓練を実際の飛行ではなくフライトシュミレータに切り替えることで29万キロリットルの燃料を削減しました。これは東京/大阪間を1万9,000回往復する燃料に相当します。大型機のタイヤ素材の見直しなども進め、約80キロの減量にも成功しました。

各社のこうした取り組みは、エアライン業界の未来を考える上でもとても重要でしょう。本日17時50分に関空に到着するJALウェイズ77便の実験が、実際にどれくらいの成果を生み出すのか? 報告を待ちたいと思います。

S.Akimoto at 01:27│日本のエアライン | 航空機
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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