2009年08月12日

24年目の夏

 
あの日、私はテレビ画面に流れるテロップを、食い入るように目で追っていました。知っている名前はないか? お世話になった人がそこに入っていないか? テロップで出された文字は、偶然その便に乗り合わせた乗客たちのリストです。その一つひとつを確認しながら、私は「500人」という数字ががどれだけ膨大なものかを実感していました。


520人もの命を一瞬にして奪った日航ジャンボ機の墜落事故から、今日で24年。NHKの午後のニュースが、墜落現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」の様子を報じていました。早朝は小雨がぱらついていたものの、その後は強い日差しが雲間から差すようになり、標高1,600メートルの「御巣鷹の尾根」には遺族が次々と慰霊登山に訪れます。24年が経過したいまも、家族を失った無念さと悲しみは決して癒されることはないのでしょう。尾根につながる登山道には高齢化が進む遺族に配慮して傾斜の急な部分に階段や手すりが取り付けられ、その手すりを頼りにして登っていく人々の姿を画面は映し出していました〔写真は合掌を形どった慰霊塔〕。

時刻はいま、午後6時30分を回りました。山のふもとにある「慰霊の園」ではもう間もなく──墜落時刻の18時56分にあわせて、追悼慰霊式に参列する遺族らによる黙とうがささげられます。

S.Akimoto at 18:36│航空機 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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