2009年07月19日

オバマ大統領の演説

 
ブロードウェイから5番街のあたりを夕方ぶらぶら歩いていたら、どの通りにも機動隊車両やパトカーなどが横づけされ、多くの警察官が配置されていました。彼らは何かの指示を待っている様子で、歩道では野次馬が群れをなしています。


行き交う人たちは一様に「何か事件でも起こったのかな?」と周囲をキョロキョロ。道路の封鎖が始まっていたので、これから誰か有名人が来て、そのための大がかりな警備態勢をつくっているのだろうと私は思いました。

その“有名人”がバラク・オバマ大統領だったことを知ったのは、夜ホテルに戻ってからです。黒人の権利擁護団体である全米黒人地位向上協会(NAACP)の創立100周年式典がニューヨーク市内で開かれ、その式典でオバマ大統領が演説。「差別の痛みはまだ米国に厳然として残っている。先人たちの犠牲の上に(米国初の黒人大統領として)私の当選が実現した。人々の間に残る偏見や差別を根絶しなければならない」と大統領は聴衆に呼びかけ、熱狂的な拍手がわき起こったとCNNが伝えていました。

翌日の昼間、もう一度そのあたりに出かけてみました。ニューヨークの中心である細長いマンハッタン島の、そのまた中心に位置するタイムズスクエアの一角〔写真〕。私はそこで、しばらく目を閉じてみます。雑踏から聞こえてくるのは、どんな言葉かな──と。いまのはスペイン語で、こっちは中国語? これはドイツ語で、あれはイタリア語か。もちろんそこに英語が混ざり、ときとして日本語も仲間入りします。

ニューヨークでは、じつに30種類近い言語で新聞が発行されているという話を前に聞きました。アジア人の旅行者が歩いていても人にじろじろ見られるようなことは、ここではありません。他人が自分と違うことがごく当たり前で、さして興味をそそることではないようです。

そんなニューヨークだから、大統領の演説にもより多くの支持が集まるのでしょう。私もこの街はもう何度となく訪れていますが、ここに戻ってくるたびに、いつも何かホッとした気持ちになります。

S.Akimoto at 21:30│アメリカの旅 | オフタイム
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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