2009年07月01日

レトロなハイテク機

 
下の写真は、コンチネンタル航空が1940年代に使用していた機体デザインです。2009年7月15日に創立75周年を迎える同社の社員たちが、記念式典のために過去の機体デザインの中から選び、最新のボーイング737-900に復元しました。


当時は「The Blue Skyway」の名で人気を集めたというこのデザイン──どこか懐かしいレトロな雰囲気があって、いいですね。同機は6月25日にコンチネンタル航空に納入され、米国内の3カ所のハブ空港(ヒューストン、ニューヨーク、クリーブランド)を舞台に記念フライトが行われたそうです。

コンチネンタル航空は1934年、郵便輸送を主事業として創業しました。旅客輸送の収益が郵便事業収益を初めて上回ったのが1944年。その後はアメリカ航空史の発展とともに順調な歩みを進めますが、70年代末に航空規制緩和法が導入されてから90年代初頭までは赤字経営が続き、同社にとってはまさに“どん底”の時代を経験します。そんな状況を、“ワーキング・トゥゲザー”を合言葉に全社員が一丸となって戦っていける会社に立て直したのが、94年にCEOに就任したゴードン・ベスーン氏でした。2004年のベスーン氏退任後もその企業カルチャーは受け継がれ、現在はラリー・ケルナー会長兼CEOのもと、ビジネス誌『フォーチュン』が選出する「世界で最も賞賛されるグローバル航空会社」に6年連続で選ばれるなど数々の勲章を手にするまでに成長を遂げています。

さて、この737-900という機材は、コンチネンタル航空がこれからの主力小型機と位置づけるハイテク機です。ハブ空港の一つであるニューアーク・リバティー空港では2009年後半に次世代の衛星着陸システムが設置される予定で、同機にはそれに対応する「GPSシステム」も搭載されました。コンチネンタル航空は、地球環境保護に向けた燃料効率のいい最新鋭機の導入や、今年1月のBlog「クリーンな未来へ」でも報告したようにバイオ燃料を使った商業飛行実用化への取り組みなどにも積極的です。

レトロな衣装を身にまとったこのハイテク機には、過去の歴史とそこで活躍してきた社員たちの意思を大切に守りながら、次の時代に向かって革新的な取り組みを続けていくという現在のコンチネンタル航空の決意が凝縮されているのかも知れません。

S.Akimoto at 22:05│世界のエアライン | 航空機
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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