2009年06月28日

787初飛行が延期

 
右欄の「Information」コーナーでもお知らせしたとおり、私が出演したラジオ文化放送『大村正樹のサイエンスキッズ』の第2回目のオンエアが昨日ありました。旅客機について自由にトークを進める中で、大村さんから出た質問の一つが「旅客機の窓はどうしてあんなに小さいのか?」ということ。私はその理由についてお話ししたあと、現在ボーイングが開発中の次世代中型機787はアルミ合金の代わりに強度が鉄の約8倍という炭素繊維複合材を使うことで、窓の大きさを従来の旅客機の1.6倍にできることを紹介しました。


その画期的な旅客機の記念すべき1号機が来年2月か3月にはANAに納入され、日本の空を飛び始めるという私の言葉に、ラジオを聴いていた多くの子供たちが夢を膨らませたことでしょう。世界が注目する中で、今月中には初のテスト飛行も実施される予定でした。ところが──。

昨日のオンエア分の収録が終わったあとで、ボーイング社から「予定していた787初飛行の延期」が伝えられたのです。この発表は先週火曜日(23日)に私のもとにも送られてきました。「787の機体側部(主翼と胴体の結合部分)の補強の必要があり、初フライトを先延ばしせざるをえない」という内容です。

787はこれまで3回も納入が延期され、当初の予定からすでに2年近い遅れが出ています。新しい航空機の開発史上、これほどの遅延はたぶん初めて。計865機を発注済みのエアライン各社の間でもさすがに不信感が渦巻きはじめました。納入時期など今後のスケジュールについては、ボーイング側は「決定まで数週間かかる」と明らかにしていません。私が今年3月にアメリカ・ワシントン州シアトルのエバレット工場〔写真〕に飛び、幹部らと面会したときは「今年6月までに初飛行、来年早々に納入というスケジュールで、こんどこそ間違いない」とみんな自信を見せていたのですが……。彼らの落胆の顔が目に浮かぶようです。

さて、昨日のオンエア終了後、多くの方々から「聴いたよ」「楽しかった」といった報告が届きました。「古いCDラジカセを処分しちゃったあとだったので、新しいポータブルラジオを買いました」と知らせくれたのはM.Yさん。またK.Hさんのメールには「自宅のコンポではAM放送がうまく入らないため、非常用ラジオを引っぱり出して、レバーをぐるぐる回して発電させながら聴いた」とありました。土曜日の貴重な時間をさいていただいたみなさんに、感謝です。

S.Akimoto at 10:06│航空機 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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