2009年03月05日

渋滞する日本の空

 
日本の空が大渋滞しています。その混雑ぶりは、例えていうなら朝夕の首都高速道路のラッシュアワー並み。いまから30年ほど前には1,600万人程度だった国内便の年間利用者数が、今日では約1億人にまで膨れ上がりました。国内便の玄関口である羽田空港からは毎日、1時間に約40便が発着しています〔写真は羽田の管制塔〕。


羽田空港は国内の空港では最多の3本の滑走路を有していますが、現在はさらにB滑走路に並行する4本目の滑走路の建設が進み、それが完成すると年間の発着枠が従来の約27万回から約40万回へと拡大します。増える発着枠の一部は国際線用に割り当てられる予定で、すでに各国との航空交渉もスタートしました。日本の空の渋滞は今後、より激しさを増すことは間違いありません。

そこで気になるのが、前回のBlogでも触れた航空管制の問題です。前回は「管制英語のあいまいさ」について書きましたが、今日は管制官の「数」の問題について──。

「航空管制官は国家資格をもつ公務員です。昨今は行政改革の流れのなかで公務員の数を抑制しようという動きがあり、管制官も例外ではありません」と、ある関係者は話していました。「旅客便の需要が年々増える一方で、管制官の数は横ばいか、やや減りつつあるというのが現状です」

航空管制官の総数は2000年以降、4,600人前後で推移してきました。最新のデータを国土交通省に問い合わせてみると、2007年は4,509人にまで減少。2008年は4,500人を割り込むだろうといいます。昨日の朝日新聞では、私の知人である航空運輸担当の編集委員、三嶋伸一さんが社会面で「管制官をめざす学生がピーク時の6割弱まで急減している」という記事を書いていました。

管制官の人数だけ増やせば、それで空の渋滞が解消できるというわけではもちろんありません。技術面でのバックアップや、管制システムそのものの見直しも「空の安全」を確保・維持していくためには不可欠でしょう。が、やはり需要の伸びに見合ったある程度の増員は必要で、早急の対策が待たれますね。

S.Akimoto at 17:22│航空機 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

Logo_MakotoStyle_Tittle.jpg
 
Contact

仕事依頼や相談・問い合わせは以下よりお気軽にどうぞ。のちほど連絡させていただきます。     ◇  ◇  ◇

名前
メール
本文
Books