2008年11月21日

紅葉前線南下中

 
山がまた賑やかになるなあ──九州・宮崎に住む知人と電話で話したら、彼はそう言っていました。少し前から、ようやくもみじが色づき始めたそうです。


北海道や東北の北部では、毎年10月も半ばを過ぎて最低気温が10度を切るころになると、葉の中につくられた糖分の動きが夜間の寒さで鈍り始めます。糖分はやがて茎まで移動できなくなり、葉にたまって赤い色素に変化する──というのが紅葉の原理。葉がきれいに染まるときの最低気温はだいたい5度程度で、桜前線が徐々に北上していくのに対し、最低気温ぶ左右される紅葉前線は北で始まって南下します。九州や四国南部に行き着くのは例年だと11月中旬くらいですが、今年は途中で温かい日が続き、少し足ぶみをしたのかも知れません。

紅葉といっても、年によってずいぶん違いますね。もみじの色の当たり外れは、春の花より激しいように思います。花に遅い早いはあっても、咲かない春はありません。けれどもみじは、同じ地方で見るものでも、照り輝くばかりに美しい年と眠いパステル画を見るような年とがあり、ときには色づくよりも早く枯れてしまう年もあります。

濃淡や鮮度をきめる条件が、もみじは花々に比べてそれだけ複雑なのでしょうね。秋に日照りが多く、夜の冷え込みが強い年ほど、もみじは美しい。もっとも、日照りや冷え込みの時期の大切さは木の種類によって違い、また尾根のもみじと谷のもみじでもまた違います。散る前の1日か2日がとくに色の深いもみじがあり、かなりの日数をこらえて一気に散り果てるもみじもあります。ほかにも、色づきながら散り急ぐもみじ、白い葉裏をみせてクルクル回転しながら散るもみじ──もみじもいろいろですね。

さて、明日からは3連休。みなさんはどこかへお出かけですか。私は先日のロンドン取材で撮ってきた上の写真をPCのデスクトップに貼り付けて眺めながら、来月刊行になる新著の校正ゲラと3日間格闘です。

S.Akimoto at 18:00│オフタイム 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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