2008年04月23日

首都オスロを再訪

 
成田からの往復のフライトを除くと、私には珍しく、今回のノルウェー取材はすべてバスとフェリーと鉄道を乗り継いでの旅です。その最終目的地である首都オスロには昨日、列車で到着しました。


オスロはほぼ10年ぶりの再訪です。まずはムンクの傑作『叫び』を観賞するため、国立美術館へ。私はこの作品を、間違えて解釈していました。頬に両手をあてて何かを叫んでいる人物を描いたものだとずっと思い込んでいたのです。しかし本当はそうではない。フィヨルドのほとりを歩いて夕方ふと空を見上げたとき、血に染まったような赤い雲にムンクは自然を貫く叫びを感じる──そのことを描いた作品なんですね。それを知ってから、もう一度オスロを訪ねて作品を見てみたいとずっと願ってきました。

普段は写真を撮るどころか、カメラの持ち込みも禁止ですが、今回は取材報道者として特別に撮影許可をもらいました〔写真〕。ほかに『マドンナ』や『春』などムンクの作品を中心に鑑賞し、その後は駆け足でオスロ市民の憩いの場であるフログネル公園へ。園内に並ぶ数々の彫刻の中で、例の「おこりんぼう」くんの像とも10年ぶりの再会です。

地団駄を踏んで身体いっぱいに怒りを表現しているこの作品は、相変わらずユニークですね。前回見たときよりも、怒っている顔が険しくなっているように感じるのは、私の気のせい? あるいは北欧の静かな街オスロにも以前に比べて車の数も増え、空気が悪くなっていることに怒っているのか? はたまた最近は街なかでのスリやひったくり事件が多く、治安の悪化を嘆いているのか? そういえば当の「おこりんぼう」くん自身も、これまで何度か誘拐事件に巻き込まれましたね。そのつど懸賞金をつけて、無事に発見されているようですが。

正味1週間の今回の旅も、今日が最終日。オスロ空港からコペンハーゲンを経由して、24日に帰国します。

S.Akimoto at 18:44│ヨーロッパの旅 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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