2007年09月23日

愛車、三菱パジェロ

 
あの年の冬。少し長い休みをとって海外を放浪していた私は、米国西海岸のサンフランシスコでクリスマスを過ごしながら考えていました。1週間後にくる新しい年を、どこで迎えようか──と。そこでふと思いついたのが、フランスのパリでした。世界一過酷なレースといわれる「パリ・ダカールラリー」のスタートが、大晦日の夜から元日朝にかけてパリ郊外のベルサイユで行われることを知ったからです。


三菱パジェロを駆って同レースへのチャレンジを続けるラリーレーサー、篠塚健次郎さんの応援に行こう! そう思い立った私は、暮れの押し詰まった12月29日の朝、サンフランシスコ国際空港からエールフランス航空で飛び立ちました。

自分もいつか、同じ三菱パジェロでオフロードを走ってみたい。そう思うようになったきっかけは、ベルサイユで篠塚さんに面会し、その数年後にはある雑誌の取材で直接インタビューする機会を持ったからです。そして、それまで乗っていたドイツ車から白いパジェロ〔写真〕に乗り換えたのが、いまから13年ほど前──。

以来、スキーに行くにも、キャンプでも、いつもいっしょでした。東北自動車道を青森まで駆けのぼり、そこから太平洋の海岸線をのんびり下りてきたドライブ旅行は楽しかった思い出の一つです。仕事で海外へ出るときもいっしょに成田まで連れていき、空港近くの民間駐車場に預けていくのが常でした。できれば一度、フェリーに乗せて北海道へ渡り、北の大地を伸び伸びと走らせてやりたかったのですが……。

愛車のメンテナンスでずっと面倒を見てもらってきた知り合いの整備士が先日、私に小さくうなずいて言いました──「そろそろもう、休ませてやらないと」。覚悟はしていたものの、私も「限界かな」と感じていました。別れるのは淋しいですが、今年いっぱいで役を解いてやろうと思っています。13年年間、私と家族の足として頑張ってくれたことに、感謝の言葉を添えて。

S.Akimoto at 22:11 │Comments(2)clip!出会った人々  | オフタイム

この記事へのコメント

1. Posted by そうりん    2007年09月25日 13:56
秋本様、こんにちは。
このパジェロのお話、素敵です。ほんとの家族というか、相棒のようですね。秋本さんの車に対する語り口も良いですね。私も今の車で3台目ですが、1台目の時から名前をつけています。紺色の軽自動車だったので「こんちゃん」です。以後、黒のシビックの時も今の赤のHR-Vもずっと「こんちゃん」です。3代目こんちゃんと呼んでいます。私は上手に乗って買い替えの時に下取りに出すというのが出来なくて、いつも車屋さんが限界ですよと言うまで乗っていました。だから、車と別れる時は本当に寂しかったです。人前で泣けない性分なので、泣く時はいつも運転する車の中でした。もう、車を相棒と思ってなきゃできません。
白のパジェロくんも秋本さんのような人がオーナーで良かったと思っているかもしれませんね。
2. Posted by S.A    2007年09月25日 17:06
そうりんさん、こんにちは。
別れるときの涙は人目を避けてクルマの中で──そんなそうりんさんこそ、本当に愛車を大切に思っているのですね。

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秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながらエアライン関係者1,000人以上にインタビューを続け、新聞・雑誌やWeb媒体にレポートやエッセイを発表。テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活動する。著書に『みんなが知りたい旅客機の疑問50』『もっと知りたい旅客機の疑問50』『エアバスA380まるごと解説』(以上ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)、『いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)など。DVD『コンコルド1976〜2003──超音速飛行の27年』(ナウオンメディア)や児童・学校向け図書『飛ぶしくみ大研究』(PHP研究所)を監修・解説。

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