2007年08月28日

JAL機内食と有田焼

 
地球温暖化の原因であるCO2(二酸化炭素)の排出をいかに少なくするかは、エアライン各社に共通するテーマです。CO2排出量は使用する燃料の消費量にほぼ比例するため、JALでも、ボーイング777クラスで1機500キロ程度のダイエットを目標に消費燃料の削減を進めてきました。


そのダイエットのターゲットは、機内食で使用する食器類にまで及んでいます。たとえばナイフとフォークには、従来のものに比べて厚さが0.2ミリ薄いものを導入。またファーストクラスやビジネスクラスの食事で使用している磁器も、3年前から新開発の「軽量磁器」に変えました〔写真/提供=JAL〕。

軽量磁器を開発したのは、日本の磁器発祥地である有田周辺の企業グループでした。磁器は薄くして軽量化すると、そのぶん割れやすくなります。それを補強するには通常、アルミ酸化物の結晶を加えますが、そうするとこんどは重量が増してしまう。そこで素地中のアルミの一部をリン酸アルミニウムに置き換えたことで、一般の磁器よりも3割ほど軽い軽量磁器が誕生しました。

単に食器を軽くすればいいという発想なら、わざわざ磁器を使用しなくても、プラスチック製の容器に代えればそれですむわけですね。しかしJALは、あくまで磁器にこだわった。そこには「食事のメニューだけでなく、器の質感も楽しんでほしい」というサービスマインドがあるように私は思います。上級クラスには、それに相応しいもてなしを──という姿勢は好感が持てますね。今年12月からは、いよいよ国内線にもファーストクラスのサービスを導入。はたしてどんなもてなしが用意されるのでしょうか。

その国内線ファーストクラスのサービス発表会が本日、東京・お台場で開催されるので、私もちょっと顔を出してこようと思っています。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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