2007年08月25日

そんなことが起こるの?

 
ちょっと意外でしたが、そうですか──外れたボルトが原因でしたか。しかし国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の報告を聞いて、そんなことが現実に起こるのか、というのが正直な感想です。


燃料漏れを引き起こした金属製ボルトは、「ワッシャー」と呼ばれる留め具などが外れていたために脱落し燃料タンクに突き刺さっていたといいます。テレビのコメンテーターが「燃料タンクはそんなに簡単に穴が開いてしまうものなのか?」と言っていましたが、ボルトはアルミ製の燃料タンクより硬い鉄でできているので、スラット収納時にそれが強い力で押し込まれれば、簡単に破れてしまうでしょうね。ちなみにスラットは「高揚力装置」と呼ばれ、通常は主翼の前縁に収まっていますが、離着陸時に主翼で得る揚力を高めるためにアームで前側に押し出されます〔写真〕。そのスラットが格納される際に、外れたボルトがいっしょに押し込まれて燃料タンクの壁を破ってしまったようです。

問題は、なぜボルトが外れたかということですね。整備士に聞いても、こ部分のボルトは通常の点検整備ではもちろん、何年かに1度の大規模な整備でも外したり着けたりすることがない部品。しかし今回の国交省の調査によると、ワッシャーが外れたボルトは穴に差し込んであっただけで、固定されていなかったことになります。機体整備時に金具をつけ忘れるミスがあり、そのまま運航を続けて徐々に抜けていったということなのでしょうか。いずれにしても、徹底した原因究明が必要ですね。

さて、先日のBlogで予告したように、今回のチャイナエアラインの炎上事故にからめた記事を、All About『世界のエアライン』に昨日アップしました。こちらは一般的な旅客機の仕組みや保安に関するルールについて解説したものなので、気軽な気持ちで読んでみてください。

≫≫≫「中華航空機炎上でわかった旅客機のヒミツ

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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