2006年08月09日

機内でマッサージはいかが?

 
朝早く自宅を出て、ヨーロッパからの知人を出迎えるために成田空港へ。途中で渋滞につかまり、少し遅れて第1ターミナル北ウィングに入ると、到着ロビーにはすでに知人の姿がありました。思いのほか疲れている様子です。


夜行便はやっぱり身体がしんどいのかな? 同じ時間帯に到着した便がいくつかあるので、ロビーをぐるっと見わたしてみると、たしかにぐったりした顔が多い。ところが1組だけ、スーツ姿の3人連れが妙にさっぱりした顔でスーツケースをころがし、私たちの前を颯爽と横切っていったのです。

その3人がロビーを出ていったあと、私は到着ロビーの案内ボードを見上げ、無意識にこう呟いたらしい。「あの3人組、きっとロンドンからの帰りだな」

なぜそう思うのか? いぶかる知人に、私は笑いながら案内ボードの表示を指差し、推理の根拠を話しました。私が指し示したのは「ヴァージンアトランティック航空」の文字で、やはり同じ時間帯にロンドンからの便が降り立っていたのです。

英国ヴァージンアトランティック航空の独創的なサービスは、業界でも定評があります。その一つが、アッパークラス・スイート(ビジネスクラス)で提供しているマッサージ・サービス〔写真〕。マッサージ機能を備えたビジネスシートを導入するエアラインは昨今では珍しくありませんが、ヴァージンアトランティック航空のそれは“機械”ではなく“人”による本格的なもので、英国の一流サロンで経験を積んだプロの「ビューティセラピスト」がアロマセラピーオイルを使って疲れた身体を入念に解きほぐしてくれます。

聞くところによると、イギリス人というのは世界でも1、2を争う“旅行好き”らしい。パスポートの所有率はじつに成人の約95%に達するとか。エアラインのサービスにも“熟練”を感じるのは、そんな国民性が影響しているのかも知れません。そういえば、世界で初めて機内にフルフラットシートを導入したのも、英国のBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)でした。

「だからって、さっきの3人組がロンドンからの帰りだと言ったのは、半分冗談だけどね」と私が笑うと、知人は案内ボードの表示を見上げたまま言いました。「へえ、乗ってみたいな。フライト中に専門家のマッサージを受けられるなんて、ウソみたい。エアラインのサービスも、ずいぶん変わったね」

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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