2018年04月20日

誕生日に

 
このBlog『雲の上の書斎から』も本日より13年目に入ります。最初の投稿は、2006年の私の誕生日(4月20日)でした。その日の文章は、以下のように始まっています──。

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今日は私の“?回目”の誕生日。40を過ぎるともう誕生日なんて嬉しくないという人も多いけれど、なんのなんの、私はいくつになってもやっぱり誕生日は嬉しい。で、この日を記念して、遅ればせながら「Blog」を始めることにしました。題して──『雲の上の書斎から』。世界の空を旅しながら取材したエアラインのこと、出会った人々のこと、航空に関するあらゆることや、航空とはまったく関係ないことをいろいろ書きつづっていこうと思います。

その後、10年目くらいまでは「3日に一度の更新」を自分に課していましたが、ここ数年は忙事に追われてまったくペースが守れていません。2年前に丸10年を経過したのを機に卒業しようかとも考えましたが、読者のみなさんからの「週に一度でも月に一度でもいいから続けてほしい」「プライベートな文章を読むのが楽しみ」といった温かい言葉に背中を押され、現在に至っています。もちろん、今後もやめません。細々とでもずっとずっと継続していこうと決めました。

さて、直接のメールやLINE、Facebookの投稿・メッセンジャーなどを通じて未明よりたくさんのお祝いの言葉をいただいています。執筆と取材・打ち合わせの合間に、読ませていただきました。ありがとうございます。ちなみに掲載した画像は、BlogやFacebookのプロフィールに使っている元になった写真で、鹿児島から奄美大島へのフライトの搭乗時に撮影してもらいました。

S.Akimoto at 12:14|Permalinkclip!マイ・オピニオン 

2018年04月09日

フックターン

 
3月上旬に取材で行ったメルボルンの旅のエッセイを週末に書いていて、ふと思い出したことがあります。それは、市内中心部での車の運転のこと。オーストラリアは日本と同じ左側通行で、メルボルンのドライバーたちはおしなべて交通マナーもよく、決して走りにくい街ではありません。しかし一つだけ、慣れないと難しいルールがあります。

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大きな道路の交差点で、上のような標識が見える場所があります。これは「フックターン」の交差点といって、右折したい場合は右側のレーンで対向車が切れるのを待つのではなく、一番左のレーンで待機しないといけません。うっかり右車線にいると、気づいたときには左車線に移ることもできず、もちろん右折も不可なのでまっすぐ進むしかなくなるのです。

しかも、曲がるタイミングがまたやっかいです。進行方向の信号が青なら、交差点の左端に寄って、後続車が直進する邪魔をしないようにして信号が変わるのを待つ。そして赤になった瞬間、後続車がもういないことを確認してすばやくアクセルを踏んで右折! うわあ、こわいなあ。

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メルボルン中心部には公共のトラムが縦横無尽に走っています。各系統のレールをつなぎ合せると長さは世界一なのだとか。そのトラムの交通を車が邪魔しないよう、フックターンがルール化されたそうです。教えてくれたのは、今回の旅で現地をいろいろ案内してくれた、元キャセイパシフィック航空のCAでメルボルン在住の日本人Mさん。「車の運転は好きですが、このフックターンだけは何年経っても慣れません。もう、大キライ!」と言っていました。

S.Akimoto at 17:24|Permalinkclip!アジア・太平洋の旅 

2018年04月01日

ウソ八百

 
本日から新年度のスタートです。学生や社会人1年生が気持ちも新たに旅立とうとしているなか、一方ではおふざけ大会に熱中している人たちも。エイプリルフールだから、仕方ありません。これはこれで、せちがらい世の中に一滴の潤いを与えてくれるものでもありますから。

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そんななか、またまた登場しました。エアラインのウソ八百が。ジェットスタージャパンが届けてきたのは、世界初の「熱唱カラオケ便」を就航させるというニュースです。JOYSOUNDとのコラボ企画で、キャッチフレーズは「高度1万メートルの空飛ぶカラオケルーム」。しかも就航記念セール実施中は「4.1円(税込み)」という超格安の片道運賃で提供するとあります。

もちろんこれは、エイプリルフールのおふざけ企画で、実際にはこんなサービスはありません。ただ、つい信じてしまう人もいるのが怖い。過去にも「頭上の荷物棚でよければ寝そべりながら格安でフライトできます」(ウエストジェット航空)とか「床をスケルトン(ガラス張り)にしたスリル満点の飛行機を導入します」(ヴァージンアトランティック航空)というウソの発表を、本気でメディアに取り上げて解説までしていた記者もいました。

今回のジェットスタージャパンのおふざけ企画も、それはそれで面白いですが、このためにわざわざ写真まで用意して大変だなあとつい思ってしまいます。で、調べてみたら、この写真を撮影したのは私のよき取材パートナーである航空写真家のチャーリィ古庄氏でした。やれやれ(笑)。

S.Akimoto at 11:41|Permalinkclip!日本のエアライン 

2018年03月29日

就職ランキング

 
就職情報会社の調査・統計による恒例の「人気企業ランキング」の最新版(2019年3月卒業・修了予定の大学と大学院生を対象)が発表されました。文系・理系の別では文系の1位と2位を、ANAJALのエアライン2社が独占。3位にはオリエンタルランド、5位JTBグループ、6位近畿日本ツーリスト、7位エイチ・アイ・エス、8位JR東日本と、旅行・レジャー業界が今年も人気のようです。

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一方の理系では、1位が味の素、2位がカゴメ、3位明治グループ、4位キユーピー、5位森永乳業と食品メーカーがトップ5を占めています。私の時代とは、ずいぶん変わりました。私も理系の学生でしたが、当時の人気ランキングは電気メーカーが常に上位だったことを思い出します。日立製作所がたしか5年連続でランキング1位、NECや富士通、日本IBM、東芝などがそれに続いていました。

私の専攻は航空工学で、流体力学をベースにした飛行機の設計を学んでいましたが、当時もいまもボーイングやエアバスの日本人学生への求人はありません。専攻をそのまま生かしたい学生は旅客機のパーツ製造を受け持つ重工メーカーを目指すか、なかには学んだ分野の一つであるエアロダイナミクス(空気力学)を駆使した自動車の設計に進む人もいました。人気ランキングのベスト10にはトヨタと日産がいつも入っていたと記憶しています。

自動車の設計エンジニアになった友人や、家電メーカーに進んで研究開発職に就いた同級生たちは、いまも元気でやっているかなあ。反対に彼らも「秋本はどうしているだろうか」と思い出してくれているでしょうか? いや、それはないでしょう。私は早くから「物書き」を目指し、まともな就職活動などいっさいしなかった不良学生でしたので(笑)。

S.Akimoto at 06:59|Permalinkclip!日本のエアライン 

2018年03月26日

満開の桜の下

 
昨日の日曜日は天気もよく、絶好の花見日和。例年より10日も早く咲いた桜は満開を迎え、各地の名所はどこも賑わったようです。私も久しぶりに完全オフにして、湯島の『雲の上の書斎』から目と鼻の先にある上野公園へふらふら出かけてみました。

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予想以上の人出でした。立ち止まって写真を撮っている人も多く、うまく前に進めません。「シャッターをお願いしていいですか?」と、ときどき若いグループから声がかかります。ロープで仕切りされた道の両側の宴会スペースも寸分の隙間もなく埋まっています。花見宴会している集団のなかに、ずいぶんと外国人が増えたなあ。見ていてそう思いました。

しばらくキョロキョロ探しましたが、知りあいの顔は見当たりません。時代の流れを感じます。上野はほとんど地元で、私が20代から30代のころは満開の週末に公園の端から端まで歩くと、必ず3組くらいの顔見知りグループから声がかかりました。先輩たちから「おお、秋本。こっちに座っていっしょに飲め」などと。自前のビールジョッキを持って歩くのが恒例で、いくつかのグループをハシゴすればふるまい酒だけでけっこう酔えたものです(笑)。

そんな時代を思い出しながら、2時間ほど散策しました。不忍の池から花見会場、噴水広場を抜けて谷中方面へ。桜の見ごろはまだあと1週間くらいは続きそうです。散りはじめの桜吹雪を浴びながらの散策も、またいいかもしれません。

S.Akimoto at 10:30|Permalinkclip!オフタイム | 湯島だより

2018年03月16日

1万機目の737

 
旅客機で過去に最も多く売れた機種というと、エアバスではA320シリーズでボーイングでは737シリーズ。いずれもキャビンに通路が1本しかない「単通路型」の小型機です。「双通路型」の大型機が性能面で劣る、というわけではありません。小型機が売れる背景には、大型機での長距離移動に比べて、150〜200人を乗せて2〜4時間のフライトで移動する路線が世界には多いという路線需要があります。

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ボーイングは今週、通算1万機目となる737を米国シアトル郊外のレントン工場で公開しました。1万機目はLCCの元祖であるサウスウエスト航空へ納入されるもので、これにより737は「最も多く生産された民間ジェット旅客機」としてギネス世界記録にも認定。公開セレモニーには数千人の工場従業員が集まり、盛大に祝ったようです〔写真は同社のプレスリリースより〕。

旅客機には同じ機種の中で「基本型」といわれるモデルと、それをベースに後の新たな需要に対応するためボディのサイズ(長さ)を延長したり新型エンジンに替えて航続距離を延ばした「派生型」といわれるモデルがあります。737はこれまで派生型を最も多く生み出してきた機種で、1967年に生産を開始した-100/-200の第1世代、1984年から登場する-300/-400/-500の第2世代を経て90年代に相次いで完成した「NG(ネクストジェネレーション)型」と呼ばれる-600/-700/-800/−-900の第3世代へと進化しました。ボディの長さで比較すると、-100の29.65メートルから-900では42.1メートルへ、約1.5倍に拡大しています。

現在もその進化は止まらず、2017年には新型エンジンを搭載して環境性能を高めた新バージョンの737MAXが誕生。完成した1万機目もこの737MAXです。MAXの名称には「効率も信頼性も最大、乗客にとっての快適性も最高の旅客機に」というエンジニアたちの目標が込められました。

S.Akimoto at 00:12|Permalinkclip!航空機&メーカー 

2018年03月13日

異国の読者たち

 
私がこれまでに書いた「航空」や「空の旅」をテーマにした二十数冊の著書のうち、約半分が台湾や中国、韓国でも翻訳出版されてきました。それらの国の大型書店を訪ねると目立つ場所に平積みされている著作もあり、感激することも少なくありません。前にも言いましたが、自分の作品が海の向こうで異国の人たちに手に取ってもらえるのは、とても嬉しいことです。

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先週もSBクリエイティブの担当編集者が、刷り上がった『これだけは知りたい旅客機の疑問100』の台湾版を届けてくれました〔写真〕。これはサイエンスアイ新書シリーズとして日本では2015年夏に出版したものですが、編集者から添えられていたのは「日本の読者も待っていますのでシリーズの犲,琉貂瓩眇覆瓩泙靴腓Α廚箸いΩ斥奸次作はこれまでとはちょっと違ったテーマの本を企画していて、その編集者とは「秋ごろの刊行を目標に頑張ろう」と話し合いました。

そして昨日は、この2月に発売になったばかりの新著『飛行機の最新知識』(KAWADE夢文庫)の編集者からも「韓国と台湾の出版社から翻訳出版したいという申し出が届いています」と連絡をもらいました。翻訳出版のオファーは新刊を出してから半年か1年置いて来るのがふつうなので、あまりのスピードにちょっと戸惑っています。

でも、立ち止まって喜んでいる場合ではありません。書き手は、常に先を見据えて書き続けなければいけない。若いときの恩師(某有名週刊誌の編集長)にもそう言われてきました。さらに進化した次作に向けて、気合いを入れ直しています。

S.Akimoto at 09:59|Permalinkclip!空の旅の資料館 

2018年03月01日

JALメルボルン線

 
成田からオーストラリアのメルボルンに向かうJAL機内でいま、これを書いています。春の嵐のような暴風の影響を心配しましたが、定刻の午前11時より15分ほど遅れてスポットを離れました。メルボルンまでのフライトは10時間超。サマータイムを実施中の現地は日本とはプラス2時間の時差があるので、現地時間の23時過ぎにメルボルン空港に到着予定です。

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人口約450万人を擁するメルボルンは、オーストラリア第二の都市です。ビジネスと観光の需要バランスがうまくとれた路線で、機内はけっこう混んでいます。使用機材はボーイング787-8。半個室タイプのビジネスクラス(38席)のほか、先ほどブレエコ(35席)とエコノミー(88席)も覗いてみたら、どのキャビンもほぼ埋まっていました。

昨年9月にこのメルボルン線を開設したことにより、JALの日本から豪州へのルートはシドニー線と合わせて2本に伸びました。帰国便はメルボルンを深夜に発ちます。ワンワールド・アライアンスの盟友であるカンタス航空(成田夜発/メルボルン午前発)とは真逆のスケジュールですが、一方のシドニーへは往路は成田から夜間フライトで、復路は朝の時間帯にシドニーを発つダイヤが組まれています。

日本発着のチケットはシドニーとメルボルンの間は国際区間運賃に組み込んだ形で販売するので、国内線の運賃を別途支払う必要がありません。なので、一度の旅で二つの都市を周遊するプランも可能になります。たとえば忙しいビジネス客は、成田発の夜行便でシドニー入りし、メルボルン発の深夜便で帰国。私のように明るい時間帯のフライトをゆっくり楽しみたいタイプには、いま乗っている昼間の便でメルボルンへ向かい、復路はシドニーを朝発つ便で帰るというのが理想的かもしれません。

2018年02月26日

LCCの整備現場

 
日本にLCC(ローコストキャリア)が定着したおかげで、飛行機で国内外を旅行する人たちが大幅に増えました。安い時期であれば国内の各都市へは3,000〜4,000円台で、海外へも1万円を切る料金で飛べるようになり、だったら行ってみようかと考えるのは当然のことです。

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しかし一方で、LCCは「安かろう悪かろう」のイメージがぬぐい切れていないのも事実。利用する人たちが最も不安に思うのは、やはり「安全面」のようです。では、LCCでは航空機の整備をどう進めているのか? 先日私はジェットスター・ジャパンの整備現場を取材する機会を得ました。そのレポートが旅行・観光専門サイト『トラベルボイス』で公開になっています。

今回の取材はジェットスター・ジャパンからの依頼で実現したものです。最近は「記事風広告」というあいまいなジャンルが広がっていて、混乱する読者もいるかもしれないため、私のレポートにはきちんと「PR」と銘打ちました。けれども内容はすべて事実に基づくものです。成田の現場に半日密着して、整備士たちのさまざまな活動を見学。リーダーと呼ばれる人のインタビューでは「ああ、なるほど」と私自身も勉強になることの多い取材でした。

ジェットスター・ジャパンの整備本部で働くスタッフは現在、20代から60代までの計106名。若手はベテランの経験と技術を学びながら、安全運航の確保に汗を流しています。「夜間の点検を終えて朝の第1便を見送るとき、あるいは折り返し便を再び出発させるときが、この仕事の達成感や充実感を得られる瞬間ですね」と言ってタオルで汗をぬぐう入社2年目の整備士の表情が印象的でした。

≫≫≫「航空機の整備現場を密着取材、LCCジェットスター・ジャパンの『安全』と『安心』を確保する舞台裏とは?

2018年02月19日

『飛行機の最新知識』

 
新刊『飛行機の最新知識』(KAWADE夢文庫)今週、発売になります。大型書店では先週末からもう並んでいるかもしれません。河出書房新社の同シリーズとしては、昨年7月に刊行した『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』につづく第2弾です。

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前作は「航空管制」をメインに書きましたが、新作では分野を大きく広げて、旅客機の機種やテクノロジー、運航に関わる人、航空会社まで幅広い項目を扱っています。旅客機を解説した類書はここ数年、ずいぶん増えました。私自身もこれまで複数の出版社から同様な書籍を出していますが、本書はいわばその集大成。単なる解説書ではなく可能な限り自分自身の体験をエッセイ風につづり、新ネタも随所に盛り込んでいます。

執筆の仕上げは、先月訪ねたチェコのプラハで進めました(2月1日のブログ参照)。本書の「まえがき」で私は「空の旅を重ねていると、旅客機のテクノロジーの変遷をリアルタイムで実感することができます」と書きましたが、航空に限らず「変化」を身体でとらえるには旅が欠かせません。「もうこれで書き切ったかな」と思っても、旅に出るとまた新しい発見が待っています。そういう意味でも、旅はずっとずっと続くのだろうなと思います。

初めて「空」に興味をもつ人のために、過去に書いたことも重要だと思う項目は改めて加筆して目次に含めています。その一方で、最近の体験から新たに書き加えた項目も少なくありません。本書を旅行や出張の際のフライトのお供にしていただけると、とても嬉しいです。

S.Akimoto at 00:02|Permalinkclip!空の旅の資料館 

2018年02月16日

北欧グッズが好き

 
おしゃれで機能的な北欧デザインが好きです。東京・湯島の『雲の上の書斎』も、北欧グッズがかなり増えました。応接スペースのサイドボードにはマリメッコのカップ類が並び、窓のカーテンも北欧製。訪ねてくれた人たちにはイッタラ製のグラスで飲み物などをもてなしています。

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取材でフィンランドのヘルシンキへ行くことが多く、時間があればよく港沿いの道を散策します。何のあてもなく歩いていると目に入るのが、しゃれた小さなグッズ店。シンプルで温かみのあるデザインで、使えば使うほど愛着が増す一品も少なくありません。「寒さの厳しい冬場は、北欧の人たちは家の中で過ごす時間が多くなります。だから毎日の生活で使う雑貨にも、自然と気持ちを込めるようになるんですよ」と店の人が話していました。

現在私が注目しているのが「PENTIK」というブランドです。もともとは1971年にPENTIK家という一つの家族が立ち上げた陶器などを扱う小さなショップでした。母親のアヌさんが自身でデザインし、愛らしく日常的に使いやすいアイテムが多くの人の心をとらえたそうです。看板商品は陶器類ですが、私はトナカイのグッズなどをいくつか手に入れました。

いま「欲しいなあ」と思っているのは、上に写真を掲載したマグカップ・フォルダです。コーヒーを注ぐと、切り込みのトナカイのデザインが浮かび上がります。前にヘルシンキ郊外のオフィシャルショップに行ったときは時間がなくて買えなかったので、次の機会にはぜひにと思っています。

2018年02月06日

羽田空港限定品

 
仕事で羽田空港に来ています。いまは午後の休憩タイム。あちこち動きまわってちょっと汗をかいたので、一杯だけビールを頼みました。第1ターミナルの展望デッキにある「SKY STATION」で、ご覧の羽田空港限定地ビール「HANEDA SKY ALE」が飲めます。

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羽田空港には、ほかにも「ここでしか買えない」という限定品がいろいろ。日本酒好きには、ずばり「羽田」の名がついた純米吟醸酒もあります。取り扱い店舗は、第1・第2ターミナル2階出発ロビーの「東京食賓館」など。緑色の透明なボトル(720ミリリットル)に入って、1本たしか2,000円ちょっとだったかな? けっこういけます。

先日、フジテレビの朝の情報番組にゲスト出演したときには、国際線ターミナルのうどん店・つるとんたんの限定メニュー「和風酸辣湯(サンラータン)うどん」や牛丼チェーン・吉野家の「牛重(ぎゅうじゅう)」などを紹介しました。いずれも羽田空港でしか食べられません。「牛重」はあの吉野家のメニューとは思えないほど高級感あふれる一品です。値段は1,240円とちょっと高いですが。

番組のなかで私は「いろんな国からさまざまな年齢層の人たちが訪れる国際空港は、アンテナショップを出すのに最適な場所です。ここで限定品を置き売れ筋とターゲット層を見極めた上で、他のショップでも新メニューとして展開するというケースも少なくありません」と解説しました。2020年の東京五輪イヤーに向け、どの店もこれからさらにいろいろな戦略を試してくるのではないか? そう考えると、羽田はもっともっと楽しいスポットになりそうです。

S.Akimoto at 17:40|Permalinkclip!世界のエアポート 

2018年02月01日

雪の季節の訪欧

 
報告が遅れましたが、2018年最初の海外渡航は年明け早々に東欧チェコのプラハを目指しました。現地は予想以上の寒さでしたが、しんしんと空気が澄みわたるなかで街を散策。宿泊した旧市街のホテルでは執筆もはかどり、今年もまずまず順調なスタートが切れたと思います。

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羽田から経由地のドイツ・フランクフルトまでは、最新のジャンボ機ボーイング747-8で飛びました。雪の多い日で、フランクフルト空港では乗り継ぎ便が飛ぶかどうか不安でしたが、真っ白に覆われた景色のなかでライトを照らしながら近づいてくる1台の車を見てほっとひと安心。現れたのは、冬場になるとたくましい活躍ぶりを見せてくれるあの特殊車両──「デ・アイシングカー」です。

旅客機の運航にとって雪はとてもやっかいなものです。とくに主翼に降り積もった雪や付着した氷が飛行におよぼす影響は小さくありません。そのまま放置すれば、旅客機の離陸性能は大きく低下します。アメリカのNASAが行った実験では「翼に0.8ミリの厚さの氷が付着すると、離陸時の揚力が8%失われる」というデータも報告されました。

デ・アイシングカーは、その名のとおり「デ・アイス(徐氷)」する──つまり凍りついた機体の表面に除氷液をかけて雪や氷を溶かすための作業車です。車両に積んだ約4,000リットルの除氷液で付着した雪や氷を吹き飛ばし、定刻から15分遅れただけでプラハへ出発させてくれました。プラハでは来月刊行予定の新著の執筆を進めましたが、同書にはそんな話も盛り込んでいます。新著に関しては、また近く報告します。

S.Akimoto at 00:15|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2018年01月26日

世界の政府専用機

 
日本の政府専用機として1992年から運用してきた2機のボーイング747-400が、今年でついに退役します。2019年からは新しい777-300ERの政府専用機がデビュー。その外装デザインも3年ほど前に発表されました〔写真〕。整備委託先も、従来のJALからANAに変更になります。

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さて、海外で政府専用機といえばアメリカの「エアフォースワン」が有名で、ハリウッド映画などにも活躍シーンがよく登場します。しかし、政府専用機を保有するのは日本やアメリカだけではもちろんありません。オイルマネーでうるおった潤沢な資金で次から次へと新しい専用機を導入するアラブの国々や、国民が貧困で苦しんでいるのに見栄をはって政府専用機を仕立てて飛んでくる開発途上国など、調べてみるとそれぞれにその国のお家事情なども反映されていて、面白い。

各国は、どんな機種を政府専用機として使用しているのか? それを一冊にまとめた本が刊行になりました。航空写真家のチャーリィ古庄氏が著した『ビジュアル版・世界の政府専用機』(秀話システム)です。同書は、私と古庄氏が共著として出した『ツウになる! シリーズ』の第二弾。今回は写真も文章も古庄氏が一人で担当しています。

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大型機から小型機まで複数の政府専用機を持っているアラブの国々や、実際に飛ばす機会のほとんどない北朝鮮の話など、内容は盛りだくさん。世界の航空機を精力的に撮り続けてきた彼だから形にできた一冊だと思います。書店でぜひ手に取って、ご覧になってみてください。

S.Akimoto at 07:42|Permalinkclip!航空機&メーカー 

2018年01月22日

雪の日に

 
いつもどおり早朝4時30分に起床し、コーヒーを淹れて暗いうちから執筆作業を開始。今朝は北欧ラップランド地方に関するエッセイを書いていました。一番最近で私が同地方を訪ねたのは昨年9月初旬で、原稿では「周辺の森は早くも紅葉が進んでいる。このエリアの紅葉の時期は1、2週間しかない。11月の半ばからは一面が雪で覆われはじめる。そんな冬のラップランド地方もまた格別の味わいがある」と、秋から冬への移ろいについても触れて。

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北極圏に近いラップランド地方の気候に比べると、日本の冬はなんと穏やかなことか。昨日の日曜日は寒さもかなり和らいで。そんなことを思いながら執筆を終え、窓のカーテンを開けると、お天気キャスターが伝えていたとおりパラパラと雪が落ちています。そして午後には本降りになり、東京の湯島界隈も真っ白に化粧しはじめました。

今日の午後と夕方に予定していた2件の打ち合わせは、急きょ中止に。先方からそれぞれ「午後は早めに仕事を仕舞って帰宅するよう通達が出ました」と連絡がありまして。交通機関もマヒしそうなので、そのほうがいいですね。

打ち合わせは両方とも明日に延期にしたので、現在は2月に刊行する新著のゲラ校正を進めています〔写真〕。静かな中で作業に集中できるのも、雪のおかげかもしれません。

S.Akimoto at 15:31|Permalinkclip!湯島だより 

2018年01月01日

謹賀新年 '18

 
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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2018年元旦 秋本俊二

S.Akimoto at 23:30|Permalinkclip!

2017年12月18日

花ことば

 
2週間ぶりにブログを更新します。最近、時間がとれません。今後もしばらくはこんなペースになると思いますが、おつきあいください。さて、今日は飛行機の話でも旅の話でもなく、花の話。2年前の夏に東京・湯島に拠点を移す前まで、私は書斎のデスクに小さな花を置くのを習慣にしていました。きっかけは、東欧を旅したときに出会ったスロバキア人の知人から同国製のガラスの一輪挿しを贈られたことです。

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その花瓶に、週ごとに違う花を飾っていました。月曜日になると、マンションの目の前にあった花屋へ行き、顔見知りの店員さんにその週の花を選んでもらって。私はそれほど詳しくはなかったのですが、店員さんから花の名前だけ聞いて帰り、書斎で「花ことば」を調べていろいろ研究するようになったのです。

5年ほど続けたものの、あるとき花瓶を破損してしまい、湯島に移ってからも花を置く生活から遠ざかっていました。花のないデスクを殺風景に感じながら。この週末にふと思い立って、また花を飾ろうと決め、ずっと前に入手したフランス製のアンティークな一輪挿しを書庫の奥から引っ張りだしました。先ほど、よく通りかかる近所の花屋に寄って買ってきたのがご覧の青い薔薇です。水を替えると1週間くらい持つので、飾る種類を週ごとに変えていこうと思っています。仕事の打ち合わせその他で湯島の『雲の上の書斎』を訪ねてくれる方は、手土産などはいっさい不要なので、思い出したときにでも花を一輪持ってきてもらえると嬉しいなと思います。

さて、薔薇にもいろんな種類と色があり、一般には「愛と美」という花ことばが知られています。ところが薔薇は青の色素を持たないため、青い品種を生み出すことが古くからの愛好家の夢で、そんなことから青に薔薇には「不可能」という花ことばがありました。その後、サントリーが2004年に世界で初めて青い品種の開発に成功し、誕生したブルーローズにつけられた花ことばが「夢かなう」。図鑑で調べたら、ほかに「神の祝福」というのもあるそうです。私も目標に到達できるよう、この1週間もまた全力で取り組みます。青い薔薇を前に、神の祝福を受けながら。

S.Akimoto at 16:10|Permalinkclip!湯島だより 

2017年12月05日

ラップランドの旅

 
ビジネスマンの読者が多いメディア『PRESIDENT Online』で私の「飛行機と旅」をテーマにした不定期での寄稿が始まりました。せっかく仕事で海外に行くなら、もっと旅も楽しんできてはどうか。そんなことを、私自身の実体験をもとに提案していくエッセイ&レポートです。

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本日から公開になった記事は「オーロラ観賞と本場のサウナを楽しむ」というのがテーマ。オーロラハンティングというと、多くの人から「北欧は遠そうだ」「寒いのは苦手で」という感想が返ってきます。そんな誤解を解くため、防寒対策の重装備が必要な真冬のシーズンを避け、秋に2泊4日の手軽な旅行を実施しました。写真はキッティラ空港からクルマで1時間、オーロラ観賞のメッカであるトラシエッピ湖の周辺です。地元の人にガイドをお願いし、緑深い森の奥へファットバイクで入っていきました。

成田から利用したフィンエアーの最新機材、エアバスA350でのフライトについても報告しています。ヘルシンキ行きは今年6月から夏スケジュールのあいだだけ増便され、その増便分の機材としてA350が成田線に就航。10月末の冬スケジュールからはまた1日1便体制に戻りましたが、成田−ヘルシンキ線は引き続きA350で運航され、ヨーロッパへの旅がますます快適さを増しました。

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これから来年にかけてもさまざまな旅の取材を計画しています。まずは今週末から年内最後の海外へ。どういう形での連載になるかはまだ固まっていませんが、驚きと楽しさがあふれる報告を書いていくつもりですので、ご期待ください。

≫≫≫「休日はあえて遠くへ 〜非日常体験で疲れを癒す旅

S.Akimoto at 11:57|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2017年11月15日

マリメッコの浴衣姿

 
今年の4月、フィンランドの首都ヘルシンキ郊外にあるマリメッコ工場を訪ねました。フィンエアーの機内食で出されるマリメッコの食器類が両社のコラボでデザインされているのを知り、とても興味を持ったからです。工場はヘルシンキ中心部からクルマで20分ほどのところにあり、隠れた観光名所にもなっています。

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私を出迎えてくれたのは、デザイナーのサミ・ルオッツァライネンさん〔写真右〕。実際にフライトで使用しているいくつかのサンプルを手に、制作過程などについて詳しく説明してくれました。色づかいなどに独自の工夫を取り入れている、と彼は話します。「フィンランドは“森と湖の国”といわれていますが、食器類にも森の緑と湖の青、さらに雪の白と雲のライトグレーをデザインにあしらいました。この4色は食器以外にもブランケットやアメニティに使っているんですよ」と。

マリメッコは世界40カ国に約150の店舗を展開し、重要市場のひとつである日本にも約30の店舗があリます。私も昔からフィンランドデザインが好きで、東京・湯島の拠点『雲の上の書斎』で使っている食器はいつの間にかすべてマリメッコに、グラス類はすべてイッタラになりました。

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さて、成田空港に本日、ヘルシンキからフィンエアーのA350マリメッコ塗装機(AY073便)が初めて到着したようです。私は執筆の仕事が山積みで残念ながら行けませんでしたが、先ほどその様子が広報から送られてきました。機体だけでなく、客室乗務員たちも特別仕立てのマリメッコ柄の浴衣姿でタラップを降りてくる写真にはびっくり! この浴衣、私も欲しいです。

2017年11月04日

Japanology Plus

 
海外向けに制作・放送するNHKワールドTV(NHK国際放送)の番組の一部には、日本国内でも放送しているものがあります。そのひとつが、ラジオDJや音楽評論家として日本でもおなじみの英国人キャスター、ピーター・バラカンさんがMCを務める『Japanology Plus(ジャパノロジー・プラス)』。富士山から新幹線、神社、祭り、ラーメンなど、日本の魅力を多彩なテーマで諸外国に紹介している番組です。

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この『Japanology Plus』で今回、日本の航空サービスがテーマとしてとりあげられ、私もメインゲストとして番組に参加してきました。JALANAにも番組制作に協力してもらっています。

羽田や成田、福岡などの空港では2分に一度の割合で離着陸が繰り返されています。そうした過密ダイヤのなかで、JALは世界トップクラスの高い「定時運航率」をどう実現しているのか? 2020年の東京オリンピックイヤーに海外から訪れる多くの人たちを最高のサービスで迎えるため、ANAは現在どんなチャレンジを進めているのか? JALの羽田整備ハンガーで、ANA便が集まる羽田第2ターミナルで、ピーターのさまざまな質問に答えました。

番組は海外ではすでにオンエアされましたが、日本で観られるのはもう間もなく。11月7日(火)の午前3時30分からNHK BS1での放送です。真夜中の時間帯で、かつ英語での番組ですが、興味のある方はぜひ録画してご覧ください。詳しくはこちらの番組ページでどうぞ。

S.Akimoto at 05:45|Permalinkclip!日本のエアライン 

2017年10月30日

大田区と羽田空港

 
大田区と江東区がもめているそうです。2020年の東京オリンピックでボートやカヌーの競技場となる東京湾埋め立て地の帰属をめぐって。今朝の朝日新聞にも出ていました。言い分は両区とも「新しい埋め立て地は100パーセントうちのものだ」ということらしい。大田区も江東区もそこそこ広いのだから、そんなに欲張らなくてもいいのにと思います。

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東京23区の面積ランキングでは、大田区が第1位で60.42平方キロメートル。江東区は39.99平方キロメートルで第6位ですが、それでも私の住んでいる文京区の3.5倍以上広い。都は「86.2パーセントを江東区に」という調停案を示しましたが、それじゃあ不足というのでしょうか。一方の大田区は大田区で、区民のなかには「大田区が東京23区で一番広いんだぞ」と自慢する人もいるくらいだから、もう十分でしょうとも思います。

ところで、大田区には東京ドーム33個分(15.52平方キロメートル)の敷地をもつ羽田空港があります〔写真〕。広さ自慢をする大田区在住の友人に、以前私は「羽田空港が開港し、その後の拡張工事がなかったら、大田区の面積は23区のうち何番目だったか知ってる?」と言ってやりました。ちなみに面積ランキングの2位以下は、世田谷(58.08平方キロメートル)、足立(53.20平方キロメートル)、江戸川(49.86平方キロメートル)、練馬(48.16平方キロメートル)と続きます。つまり、大田区に羽田空港ができなければ、23区の中で第5位に甘んじていたところでした。

そこで、私は思うのです。「広さ自慢が好きな大田区民は、決して羽田空港に足を向けて寝てはいけません」と。まあ、どーでもいい話ですが。

S.Akimoto at 11:58|Permalinkclip!世界のエアポート 

2017年10月16日

柿田川湧水

 
澄んだ川の底から、新しい水が次々に湧き出てきます。まるで呼吸をしているかのように。静岡県の三島に近い、柿田川公園に来ました。環境庁の「名水百選」にも認定されている湧水群のダイナミックな活動を目の当たりにし、地球の息遣いに触れた気分です。

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冷たい雨が降りつづくなか、週末をともにした雑誌編集長と女流写真家に「せっかくだから足を伸ばしてみましょう」と誘われ、国道1号線沿いにある同公園へ。交通量の多い通りに面しているとは思えないほど、公園内はさわやかな自然に覆われています。木々の葉が傘代わりになって、雨も気になりません。緑のトンネルを抜けた先に展望台があり、そこから水の湧き出る様子をぼんやり見下ろしていたら、頭の中は知らぬ間に26年前にタイムスリップしていました。

富士山に降った雨や雪は時間をかけてゆっくりと地中に浸み込み、伏流水となって水を通さない粘土や溶岩層のあいだを少しずつ流れ落ちていきます。それが目の前の川に湧き水となった現れるまでに要する年月は、国土交通省がトリチウム濃度から分析した結果によると、なんと26〜28年。何層もの天然のフィルターをくぐり抜けてたどり着いた水は、とにかく澄み切っていて、新鮮でした。

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1日に湧き出す水は100万トンともいわれ、その規模は東洋一。何度も手ですくって飲んだのはもちろん、公園内の茶店でも湧水を使用して淹れたコーヒーをいただき、パワーチャージができました。そのパワーをもとに、今週もまた精力的に仕事に取り組みます。

S.Akimoto at 12:17|Permalinkclip!オフタイム 

2017年10月11日

沖永良部島から

 
2週間ほどご無沙汰してしまいました。今日は南の島より、10月最初のBlogを更新しています。鹿児島から約550キロ南の海に浮かぶ隆起サンゴ礁の島、沖永良部島まで飛んできました。気温は30度を超え、真夏のような天気です。

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鹿児島から利用したのは、JAC(日本エアコミューター)のフライトです。今年4月から48人乗りの新しいターボプロップ機、ATR42での運航をスタートしました。その乗り心地を体験する──というのが、今回の取材の大きなテーマ。日本でATR42を導入するのはJACが2社目で、その1年前からすでに天草エアラインが飛ばしはじめています。天草エアラインのATR42にももちろん乗りましたが、航空会社や路線が変わると、また違った味わいがあります。

垂直尾翼の“鶴丸マーク”のほか、南国の就航地をイメージした赤いハイビスカスがボディにペイントされています。後部ドアから乗り降りするというのも、ATRならではです。乗員は機長と副操縦士のほか、キャビンアテンダントは1名のみ。アナウンスからセーフティ・デモンストレーション、ドリンクのサービスまでをてきぱきとこなしていました。

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エンジン音が静かなのもATR42の特徴です。主翼がボディの上部に設置されている高翼機なので、どの席も窓からの眺望が遮られません。ジェット機が約1万メートルの高度を飛行するのに対して、プロペラ機であるATRが飛ぶのは最高でも6000メートル程度。冒頭に書いたように、今日は真夏のような晴天で、青い海と南国の島々の景色を存分に楽しむことができました。

2017年09月28日

日本の二胡奏者

 
今夜は、湯島の「雲の上の書斎」から歩いて10分ほどの東京・本郷三丁目にある名曲喫茶「カデンツァ」へ。友人である二胡奏者、野沢香苗さんのライブが目的です。月末で原稿や取材・打ち合せが詰まっていたのですが、なんとか早めに切り上げて会場に駆けつけました。

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野沢さんが二胡と出会ったのは1998年です。女優として出演した舞台で演奏したのをきっかけに「この楽器に魅せられた」と話す彼女の、転機の年でした。その後、少しずつ演奏活動を始め、2003年からは本格的なプロ奏者に。ライブ活動やオリジナルアルバムの制作を通じて、いまでは幅広い層のファンを獲得しています。

親しい雑誌編集長を介して私が野沢さんと知り合ったのは、昨年のちょうどいまごろでした。これまで2度のライブにおじゃまし、生演奏を聴くのは今日が3回目です。ギターの渡辺具義さんとピアノの古垣未来さんとのトリオ演奏も、いつもながら息がぴったりで、アンコールを含めて計17曲。二胡の音色はもちろん、歌声もごく自然に心地よく身体に染み入り、森や風、空、宇宙といった日常とは違う世界に誘(いざな)ってくれます。今年6月にリリースされた6番目のアルバム『BRAVE era of the planet』〔写真下〕は執筆中のBGMとして私の書斎に欠かせないものになりました。

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彼女とは先々週、編集長と3人で銀座で久々に飲みました。いろいろ話しながら気づいたのは「しゃべる内容も口調もトーンも、まるで音楽といっしょだな」ということ。そんな癒しの“野沢香苗ワールド”に、これからもときどき触れていきたいと思います。

S.Akimoto at 23:10|Permalinkclip!オフタイム 

2017年09月20日

青春のバイブル

 
あ〜あ、本当に終わっちゃうんだ! 私が高校生のときに出会って以来、ずっとずっと愛読してきた『ビッグコミックオリジナル』連載の「浮浪(はぐれ)雲」。幕末の東海道・品川宿を舞台にジョージ秋山氏が描く主人公の遊び人「雲」のなんとも優雅な生き方は、私たちの憧れでした。毎回、最新号が発売されると、仲のよかった友人たちと回し読みして「こんなふうに生きられたら最高だよな」などと語り合ったことをいまも思い出します。

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この作品は過去に2度、渡哲也さんとビートたけしさんの主演でテレビドラマ化もされました。ですが、私はドラマは観ていません。1980年代の終わりに姉妹紙である『ビッグコミックスピリッツ』の編集長だった白井勝也さんにお会いしたとき、私は「人気マンガのテレビドラマ化ってどうなのですかね?」と聞いたことがあります。白井さんは笑みを浮かべて言いました。「秋本さんみたいに頭の中で主人公の生の声を聞いてしまっている人には、どんなに優れた配役にしても受け入れられないでしょうね」と。

1973年12月の連載開始から約44年。単行本もすでに100巻を超えています。私も途中までは全巻揃えていたのですが、学生時代の親友が東京・本郷(東大赤門の向かい)に中華料理店をオープンした際に寄贈してしまいました。「学生のお客さんが多いので、店内に書棚を設置してマンガを並べたい」と聞いたからです。何年かのちに「“浮浪雲”はボロボロになるまで東大の学生たちに読み継がれた」と報告を受け、とても嬉しくなりました。

写真は、最終話が掲載されている『ビッグコミックオリジナル』の本日(9月20日)発売号です。朝一番で買いましたが、この時間になってもまだ読んでいません。これでお別れだと思うと、しばらくはページを開けないまま時間が経過していく気がしています。

S.Akimoto at 18:36|Permalinkclip!オフタイム 

2017年09月11日

北極圏での一夜

 
この1週間、私は海外取材のため不在でしたが、先週の水曜日から木曜日にかけて大規模な「太陽フレア」が起きたことを日本でも新聞やテレビで報じていたと聞きました。太陽フレアとは太陽の表面で発生する大規模な爆発現象で、小規模なものは毎日のように生じますが、今回の太陽フレアは通常の約1000倍。エネルギーとともに表面のガスが宇宙空間に放出され、オーロラなどの現象につながると言われています。

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この太陽フレアが起きたとき、私は北欧フィンランドの北極圏に位置するラップランド地方で取材を続けていました。もちろんオーロラ観測も取材の大きなテーマです。大規模な太陽フレアが起きたことは、現地でも話題になっていました。

ご覧の写真は、地元の人たちや欧州各国から来ていた写真家たちとのワンショットです。気温が刻々と摂氏0度に近づいていく極寒のなか、カメラ機材をセットし、キャンプファイヤーで暖を取りながらオーロラを待ちました。その前日もクルマで30分ほど行った高台にある暗い湖のほとりで午前2時まで粘ったのですが、残念ながら撮影は不発に! その翌朝に「大規模な太陽フレアが発生」というニュースが流れ、この日の夜は私も含めて誰もが大きな期待を胸に抱いていたようです。

さて、オーロラは観測されたのか? それについては、近くいくつかのメディアで発表しますので、楽しみにお待ちください。──というと、もうおわかりですよね。はい、感動的なシーンに遭遇しました。この場で写真をお見せできないのが、本当に残念です。

S.Akimoto at 15:31|Permalinkclip!

2017年09月05日

ヘルシンキへ

 
いま、ヘルシンキへ向かう機内です。フライトはフィンエアーのAY072便。定刻の9時50分に成田を出発しました。フィンエアーは2017年6月5日より、この路線にエアバスの最新鋭機A350XWBを導入。従来のA330によるデイリー運航に加えて、夏期スケジュールが終わる10月末までの週4便の増便分がA350での運航になり、ヨーロッパへのフライトがまた一段と快適さを増しています。

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フィンエアーのA350のシート配置は、ビジネス46席、エコノミーコンフォート43席、エコノミー208席の計298席。ビジネスクラスシートは前方キャビンに“1-2-1”でレイアウトしました。A330のスタッガード配列とは異なる、新開発のゾディアック社製シートも、なかなか快適です〔写真上〕。

エコノミークラスは“3-3-3”の配列ですが、両端席のひじ掛けからひじ掛けまでの幅はこのクラス最大。「XWB(エキストラ・ワイド・ボディ)」の機種名にあるゆったりした空間サイズがA350の特徴で、頭上の手荷物棚なども大型化しています。キャスター付きのキャリーバッグが窓側の棚には5つ、中央の棚でも3つと中型バッグ2つを縦に収納できるようになり、全クラスの乗客が大きめの手荷物を持ち込んでも自席に近くに置けるようになりました。

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食前酒を飲みながら、シートに備えつけのパーソナルモニターに、いつものように飛行ルートマップを表示させます。東北の上空を真っすぐに北上し、そろそろ左旋回して西側(新潟方面)に針路を切り替えるのかなと思って見ていましたが、そうではありません。AY072便はその後も北上を続け、青森県の津軽上空を飛行し北海道に入りました。珍しいルートです。なぜ今日に限ってこんな北寄りのルートを? そのことについては、改めて雑誌の連載コラムで書きたいと思います。

2017年08月30日

韓国語版の新著

 
届いたメールのタイトルに「出版おめでとう!」とあり、開いてみると、韓国KBSテレビのプロデューサーからでした。おお、と私は呟きます。ソウルなどの書店にも並びはじめたんだな、と。2015年7月に出した『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)が韓国語に翻訳され、同国内で発売になったのです。

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台湾や中国で刊行されている中国語版と同様、私の著書はこれまで数冊、韓国語にも翻訳されてきました。『旅客機の疑問100』の翻訳契約を締結したのは1年前。今年に入って「翻訳の内容をチェックしてほしい」と連絡がきたものの、私はハングル文字が読めないのでチェックしようなく、お任せすると返事をしました。送られてきた完成見本を見ても、著者名すらハングル表示だし判型(本のサイズ)もずいぶん違うので、自分の著書という実感がありません。もちろん中身は、目次の順番も使われている写真もすべてオリジナルのままなので、間違いなく私の本なのですが。

連絡をくれたKBSのプロデューサーは私の友人で、彼とは4年前に南アフリカ共和国の少数民族を訪ね歩いたときに現地で会いました。世界のさまざまな文化や人々の生活を伝える「The World at your Door」という番組の制作班として、カメラマンと女性キャスターをともなって現地に来ていたのです〔写真下〕。女性キャスターからは私もインタビューを受け、韓国で3回に分けてオンエアされた番組に出演しました。

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彼は書店で私の本を見つけ、手に取ってくれたのでしょう。「ソウルの知り合いやマスコミ関係者にも広めておくよ」と言ってくれました。自分の書いた本が、海を越えて多くの人たちの手に届けられる──著者としてこれほど嬉しいことはありません。

2017年08月26日

戦場カメラマン

 
私が出演するNHK国際放送(NHK World)の番組打ち合わせが今週、日本橋であり、担当ディレクターと内容などについて詰めてきました。今年10月から11月にかけて海外で放映される英語の番組ですが、日本国内でも1週間遅れでBSでオンエア予定。収録もこれからなので、詳細が決まったら改めてお知らせします。

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その打ち合せのあと、時間があったので、日本橋高島屋に寄ってきました。ベトナム戦争の最前線で命がけの撮影取材をつづけた写真家、故・沢田教一氏の功績をたどる写真展『沢田教一展──その視線の先に』が8階催事場で開催されていたからです。

ベトナム戦争は当時、世界が注目し、その“真の姿”を伝えようと日本からも多くの報道カメラマンやジャーナリストが現地をめざしました。必死の形相で川をわたる家族を捉えた沢田氏渾身の作品「安全への逃避」(1965年撮影、写真左上)はあまりに有名です。同作品で彼はピュリツァー賞と世界報道写真大賞を受賞しました。

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上の写真は、かつて南ベトナムと北ベトナムの軍事境界線が置かれた非武装地帯──いわゆる「17度線」です。「戦争終結40年」の節目となった2015年春に訪ねました。ベンハイ川に架かるヒエンルオン橋を旧北側から南側に歩いてわたりながら、私は頭に沢田氏が残した数々の写真を思い浮かべていたことがよみがえります。写真展は来週、28日まで。

2017年08月21日

赤ちゃんパンダ

 
東京・上野の界隈はこの夏、赤ちゃんパンダの誕生で盛り上がっています。台東区の本庁舎正面には「おめでとう!」の垂れ幕がかかげられ、街なかの商店街でも「パンダ誕生特別セール」を開催。買い物をしに寄った店でも「どんな名前に決まるんだろうねえ?」と人々の会話が弾んでいました。

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赤ちゃんパンダの名前は一般から公募し、先週までに過去最多の約32万3000件が寄せられてたそうです。初代のパンダが日本にやってきた1972年以降、公募で名前がつけられたのは「トントン(童童、1986年)」と「ユウユウ(悠悠、1988年)」の2頭。応募のルールは「カタカナ表記」以外に制限はなく、必ずしも同じ音を重ねる名前である必要もありません。過去には「サクラ」「ゲンキ」といった名前も寄せられました。2017年生まれの赤ちゃんパンダがどんな名前に決まるのか、本当に楽しみです。

今朝、湯島の「雲の上の書斎」からJR上野駅に向かう途中、公園を歩いていて、ポストに投函しないといけない郵便物がバッグに入っているのを思い出しました。改札がもう見えていて駅にもポストはあるのですが、電車の時間までまだ余裕があったので、引き返して動物園の表門近くにあるポストへ〔写真〕。

これは2011年8月に「リーリー」と「シンシン」の来日を記念して設置された、通称「パンダポスト」の名前で親しまれているポストです。ここで投函された手紙にはパンダの消印が押されるため、わざわざ地方から郵便物持参で訪れる人も少なくありません。私が投函したのは仕事関係の封書なので、受け取った相手はおそらく消印などにまったく気づかないと思いますが。

S.Akimoto at 11:58|Permalinkclip!湯島だより 

2017年08月18日

バルセロナでテロ

 
クルマを暴走させて歩行者を狙う凶悪なテロが、また起きてしまいました。今回の場所は、世界中からの観光客で賑わうスペインのバルセロナ。市の中心にあるカタルーニャ広場から並木道がつづくランブラス通りで、1台のバンが歩道を行く人たちを次々とはね、カタルーニャ州政府によると110人以上の死傷者が出たそうです。

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上の写真は、アントニオ・ガウディの傑作建築の一つ、カサ・ミラです。バルセロナを前回訪ねたときに撮影しました。昨日の事件現場とも、さほど離れていません。ランブラス通りからつづくグラシア通りに建ちます。クルマを凶器に使った同様なテロは、最近もフランスのニースや英国ロンドンでありました。もうテロは避けようがないのでしょうか。あちこち旅をしている身としては、考えると本当にゾッとします。

夏休みの欧州旅行から戻った友人が「どこの空港でも入国や出国は4時間待ち。テロへの警戒で厳しくなった出入国審査に大行列ができて、混乱している」と話していました。マドリードやリスボン、パリ、ミラノ、ブリュッセルなどがとくにひどいようです。先日の朝日新聞は「(欧州の)複数の空港で出発便の遅延が昨年の3倍に膨らんだ。予約便に乗れず、航空券をふいにする乗客も出ている」と報じています。

テロへの警戒を強めながらも、どの空港もすぐに職員の数を増やすことができません。混乱は今後も間違いなくつづくのでしょう。私も9月以降、欧州などいくつかの海外取材を控えているため、心配になります。旅とは、世界の「平和」の上に成り立つものだと、改めて思います。

2017年08月09日

映画『アフターマス』

 
ドイツ南部ユーバーリンゲン付近の上空で2002年7月、ロシアのバシキール航空の2937便と国際貨物航空DHLの611便が空中衝突し、両機の乗客乗員合71名が死亡する事故が起きました。「ユーバーリンゲン空中衝突事故」として伝えられる悲劇です。

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飛行機のコクピットには「TCAS(ティーキャス)」という機器が装備されています。半径28キロ、高度差約2700メートルの範囲を飛ぶ飛行機の存在を知らせてくれる、いわば空中衝突防止装置。2機が近づいて危険だと判断すると「トラフィック、トラフィック」と危険信号を出し、一方の飛行機には「クライム(上昇せよ)」と音声で知らせ、もう一方には「ディセンド(降下せよ)」と指示を出します。これについては近著『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(河出書房新社・KAWADE夢文庫)でも書きました。

さて、ユーバーリンゲンの事故でも、衝突の数十秒前に2937便と611便の双方のTCASがそれぞれの機影をとらえていました。611便のTCASは乗員に降下を、2937便では上昇を指示します。ところが、両機が同高度で接近していることに気づいた管制官は、2937便に降下を指示。2937便のパイロットは管制官に従っての降下を開始してしまうのです。警報が鳴り止まない611便は「TCASの指示どおり緊急降下中」と管制に通報しようとするも、うまく伝わりません。本来は2名体制で行うはずの地上の管制業務が、1名が休憩で離席していて対応がおろそかになったというのが事故要因のひとつだったようです。

昨日の夕刻、今年9月16日より日本でも公開になる映画『アフターマス』の試写会に行ってきました〔上の写真〕。上記の「ユーバーリンゲン空中衝突事故」をモデルにした映画で、内容は事故で妻子を失ったアーノルド・シュワルツネッガー演じる男が、ミスを詫びようとしない管制官を追いつめていく復讐劇。賛否はあると思いますが、いろいろ考えさせられる作品でした。

2017年07月28日

『航空旅行』最新号

 
イカロス出版から出ている『季刊・航空旅行』の最新号(Vol.22)が発売になりました。私も毎回エッセイを寄稿しています。連載タイトルは「雲の上の書斎から〜ANNEX」。ANNEXとは「別館」の意味で、空の旅で遭遇する出来事や想いをブログのように自由に書いてほしいとの編集部の依頼でスタートしました。連載回数は今回で14回を数えます。

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さて、ご覧の写真は、今年4月末に北欧アイスランドを訪ねたときのもの。北部最大の都市アークレイリを起点に、この地だけに残されている“むき出しの自然”に触れる旅をしました。「クヴェリル」と呼ばれる地熱エリアでは、ブクブクと気泡が立つ泥の池や白煙をあげる岩場が点在しています。

今日発売の『季刊・航空旅行』の第1特集は「一生に一度は行きたい憧れの旅」で、私も連載エッセイに加えて久しぶりに紀行文を寄せました。日本からのアクセスで利用したフィンエアーのフライトレポートとともに、フルカラーで計12ページ。同行した写真家の倉谷清文氏の迫力ある画像とともに、ぜひアイスランドの旅をお楽しみください。

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もうひとつ、この雑誌では毎回書き手を変えて発表する「魅惑の浪漫空間を訪ね歩く/世界のエアポート」という連載もあり、ここでも今年5月にグランドオープンしたジャカルタ、スカルノ・ハッタ国際空港の「ターミナル3」について取材・報告しています。出張や旅行でジャカルタへ飛ぶ人たちへのお役立ち情報も盛り込んでいますので、こちらもぜひ!

2017年07月25日

赤い2階建てバス

 
私の「雲の上の書斎」では、玄関を入ってすぐの壁に貼ったご覧の大判ポスターが訪れる人たちを出迎えています。英国ロンドンの名物である、赤い2階建てのバス。ビッグベンのモノクロ画像を背景にバスだけをカラーで配置したこのポスターは、引っ越しのときに友人がプレゼントしてくれました。

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今月初めにイタリアのローマに滞在したとき、私は1日だけロンドンにも足を伸ばしました。ハイドパークの前の通りで元気に走る赤い2階建てバスを見かけ、思わずカメラを取り出してパチリ! ああ、ロンドンに来たんだなあと感じる瞬間です〔下の写真〕。ところで、この2階建てバスについて先週、朝日新聞に気になる記事が載っていました。「(ロンドンの2階建てバスが)過去2年間で25人の死者と約1万2000人のけが人を出す事故を起こしていたことがロンドン議会の報告書で明らかになった」という内容です。

ロンドンの2階建てバスは「運転が荒い」とよく言われます。報告書によると、けが人の大部分は急ブレーキで転ぶなどした乗客なのだとか。その背景には、運転手が定刻を守ろうとして急ぎすぎる事情があるようです。バス事業者はロンドン交通局と運行契約を結んでいて、定時運行を守る事業者ほど収入が多くなる仕組みあると聞いて私も驚きました。

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赤い2階建てバスが街なかをかっ飛ばす──そんな光景はロンドンの街には似合いません。ゆっくり、のんびり、優雅に走ってほしいものです。

S.Akimoto at 17:07|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2017年07月20日

ヒコーキ型の博物館

 
東京・湯島の「雲の上の書斎」から坂を下ると、通りの向こうに不忍池(しのばずのいけ)が見えてきます。池の中島にある弁天堂を経由して、その先の石段をのぼり、さまざまな文化・芸術関連の施設がひしめく上野公園の中でも私の大好きなエリアへ。執筆作業の合間にちょこっと出かけ、公園内のあちこちをふらふら散策するのが、最近の日課になりました。

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上野公園には、幼少時からの思い出もいっぱい詰まっています。学校行事の一環として東京文化会館でクラシックコンサートを聴いたり、国立西洋美術館や上野の森美術館で絵画鑑賞をしたり。小学校低学年のときは上野動物園が遠足の場所でしたし、中学校の美術の授業では噴水広場での写生会もありました。

そんな当時のことを思い出しながら、今日も木陰の道を1時間ほどのんびり歩いてきました。上の写真は、ヒコーキ好きにもよく知られる国立科学博物館です。現在開催されているのは「深海2017 〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜」という特別展で、航空とはとくに関係ありません。国立科学博物館が「ヒコーキ好きにもよく知られる」と書いたのは、別に理由があります。

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国立科学博物館を上空から見ると、建物全体がヒコーキの形をしています。博物館が開設された当時、航空機は科学技術の「最先端」で、建物もそれをイメージして設計されたのでしょう。一般の人が鳥の目線で見るのはむずかしいですが、最近は地図アプリなどでそのユニークな形を確認できるようになりました〔写真〕。

S.Akimoto at 15:59|Permalinkclip!湯島だより 

2017年07月15日

中国の春

 
この文章を書きながら、2013年秋にニューヨークのマンハッタンで見かけた一人の女性の姿を思い出しています。その女性とは、中国の民主化運動をリードしてきた​王炳章氏の娘、王天安さん(当時24歳)。タイムズスクエアの一角で牢獄を形どった檻に閉じこもり、中国で10年以上も投獄されたままの父親の釈放を訴えて抗議をつづけていました〔写真〕。

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王炳章氏は雑誌『中国の春』の創刊者で、2002年に中国南部で拘束され暗黒裁判において終身刑の判決を受けました。その王氏が始めた「中国の春」運動に参加したのが、投獄された状態でノーベル平和賞を受賞した人権活動家の劉暁波(リウシアオポー)氏です。7月13日の夕方、日本でも「劉暁波氏が死去」のニュースが速報で流れました。

劉氏は今年6月に末期の肝臓がんと判明し、刑務所外の同市の病院で治療を受けていたそうです。本人は国外での治療を受けることを求め、ドイツと米国が応じる姿勢を示していたのに、中国政府は最後まで出国を認めませんでした。刑務所外の病院とはいえ、事実上の獄死と言えるでしょう。

劉氏は北京師範大講師だった1989年、北京で学生らが民主化を求めた「天安門事件」でデモに加わり、反革命罪で投獄されました。日本では天安門事件があったことすら知らない世代が増えつつあるなか、劉氏の死去のニュースは、遠く離れた地でいまも父親の釈放と中国の民主化を訴えつづける王天安さんの耳にどう届いたでしょうか。

S.Akimoto at 13:23|Permalinkclip!マイ・オピニオン 

2017年07月10日

アイスランドの童話作家

 
週末の都心は30度を超える暑さで、外に出るともう全身汗だくです。オフィスに戻るたびに、シャワーを浴びずにはいられません。そんななか、書斎では4月に訪ねたアイスランドの記事を書いたりゲラ校正したりという時間がつづいていました。摂氏10度以下で過ごした旅の話は、7月末に発売の季刊『航空旅行』(Vol.22)でお楽しみください。

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アイスランドでは、北部最大の都市アークレイリを拠点に「手つかずの大自然」を取材・撮影しました。そのアークレイリの空港近くに世界的な童話作家、ヨーン・スウェンソンが幼少期を過ごした家があります〔写真上〕。記事には書き切れなかったので、簡単に紹介しましょう。

1857年に生まれたヨーンは、13歳で海を渡ってフランスの修道院を兼ねた学校で学びます。やがて神父になってドイツの学校で教鞭をとるかたわら、55歳の頃から「ノンニ」や「ノンニとマンニ」などの冒険小説を次々に発表。それらは40カ国語に翻訳されました。物語の主人公「ノンニ」の名前は、そのままこの作家の愛称にもなっています。80歳になった1937年には日本を訪れて1年間滞在し、各地で50回以上の公演を重ねました。日本語でも15冊以上が翻訳出版され、数多くの少年少女が物語に胸をときめかせたといいます〔写真下〕。彼の家は現在、博物館になっていました。

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さて、明日11日(火)は六本木ミッドタウンの「d-labo(夢研究所)」でトークイベントがあります。先日のBlogで報告したように1カ月前に定員に達してしまい、ご迷惑をおかけしましたが、会場でまたたくさんの方々にお目にかかれるのを楽しみにしています。天気予報では今日、明日ともに30度超えだそうですが、どうぞ元気でお越しください。

S.Akimoto at 11:11|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2017年07月06日

ウィーンが近く

 
プチ休暇を兼ねて訪ねたイタリア・ローマから帰国すると、嬉しいニュースが飛び込んできました。好きだったエアラインのひとつ、オーストリア航空の成田とウィーンを結ぶ直行便が、2018年5月より週5便で復活するというニュースです。思わずこぶしを握りしめました。

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日本からウィーンへの路線がなくなったときにどれだけ淋しい思いをしたかは、当時のBlog「ウィーンが遠く」で書きました。本当に残念だった気持ちが、この文章の行間ににじみ出ています。サービスに独自の試みを取り入れた同社のフライトは、他では味わえません。成田に再び舞い戻ってくることを喜んでいるファンは、かなり多いと思います。

オーストリア航空が本拠を置くウィーンは、カフェ文化の発祥地でもあります。そんな同社ならではの個性的な取り組みの一つが、ビジネスクラスで本場ウィーンの代表的なカフェメニュー10種類から好みのコーヒーを選べるというサービス。日本ではウィンナーコーヒーの名で呼ばれる「アインシュベナー」や、伝統ある「ウィンナーメランジュ」を、私は搭乗したときによく注文しました。パンを一つひとつ温めて出してくれるのも同社の特徴で、焼き立てパンの香ばしいかおりがキャビンに漂ってくると食欲が増進します。カイザーロール、ライロール、ソフトロールなどのなかから好きな物を選び、淹れたてのコーヒーといっしょに味わうのがフライト時の楽しみになりました。

写真は、冬のウィーンでオペラ座を訪ねたときのものです。ああ、また行きたいなあ。成田線の再就航は2018年5月なので、まだ1年近く先。名物のクリスマスマーケットやオペラ鑑賞をもう一度ゆっくり満喫できるよう、その年の12月はいまからスケジュールを空けておこうと思います。

2017年07月02日

窓からローマが見える

 
陶芸や版画などのアーチストで芥川賞作家としても知られる故・池田満寿夫さん(1934年2月−1997年3月)の小説に『窓からローマが見える』という作品があります。のちに自ら脚本・監督を手がけて映画にもなりました。池田さんの作品はどれも前衛的で、評論家のあいだでも賛否が分かれるのですが、当時私は発表された小説はどれもむさぼるように読んだのを覚えています。

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とても刺激的な人でした。池田さんとはじめてお会いしたのは、熱海にあるアトリエ「満陽工房」におじゃましたときです。ある芸術雑誌の企画でアーチストの制作現場を拝見するという連載企画の取材を受けてもらえることになり、訪ねました。陶芸用のガス窯や版画用プレス機などを備えた「満陽工房」を池田さんが開設してから5年後くらいで、私はまだ30代前半だったと思います。

いろいろ話しているうちにすっかり打ち解け、その日の夜は同じ熱海にある自宅にも招待してくれました。陶芸も版画も私は素人でしたが、語られる内容がとにかく新しくて面白い。なかでも私の仕事柄、やはり記憶に残っているのが、小説を書くきっかけや執筆時のエピソードです。

私はこの週末を、池田さんの小説のタイトルにあるような「窓からローマが見える」部屋で過ごしています〔写真〕。目の前に広がる街並みは作品に出てくるシチュエーションとはまったく異なるのですが、ふと目を閉じると、あのエロスに満ちた官能ドラマが脳裏によみがえります。現実とイマジネーションが頭のなかで溶け合い、不思議な時間に身をゆだねています。

S.Akimoto at 17:07|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2017年06月26日

地上と変わらない環境

 
機内でのWi-Fi接続サービスの普及で、移動中の過ごし方が劇的に変わりました。出発前にメール連絡しなければならない案件や、やりかけの仕事があっても、自宅や空港で無理に駆け込みの形で終える必要がありません。離陸後に上空でゆっくりやればいい。まさに地上と同じ環境が機内でも提供されるようになりました。

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JALが長距離国際線の主力機材であるボーイング777-300ERを皮切りに機内Wi-Fiサービスをスタートしたのは、2012年7月。導入の検討を本格化したきっかけは、前年の「3.11」──東日本大震災でした。震災のあと、被害の状況が連日連夜ニュースで流れていたのに、飛行機に乗っている時間だけは情報が途絶えてしまう。その不安に耐えられないという声が少なくありませんでした。「フライト中も地上と変わらない状態で情報にアクセスできる環境が必要だと思ったんです」と担当者は当時を振り返ります。

この「地上と変わらない環境」というのが、とてもありがたい。私もよく、現地の最新情報を出発直前に空港ラウンジで入手したり、渡航先の空港で会う約束の人と「これから予定どおり出発する」とメールのやりとりをしてきました。ですが、離陸後に天候の急変などで到着時間が変更になるケースがあります。その連絡も、いまは上空でできるようになりました。「30分到着が遅れるといま機長からアナウンスがあったから、到着ロビーのカフェでお茶でも飲んでいて」などと。

JALの機内Wi-Fiサービスは2014年7月から国内線にも拡大し、国内線に限っては「今後ずっと無料で提供する」と先日発表がありました。思い切った施策に、もうびっくりです。ちょっと図々しいですが、関係スタッフに「利用者にとっては本当にありがたい。国内線だけじゃなく、国際線での無料サービスも早めに実現してね」と伝えました。

2017年06月20日

7月のトークイベント

 
7月11日(火)に東京ミッドタウンで開催されるトークイベントまであと3週間になりました。今週くらいから再度、告知をかけていこうかなと思っていたら、申し込みはすでに締め切ったそうです。主催者であるスルガ銀行の「d-labo(夢研究所)」担当から「実施1カ月前の時点ですでに定員(80名)に達してしまった」と連絡がありまして。

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私のほうにも複数の問い合わせが届いています。まだ間に合うだろうと思っていた人も多いのでしょう。すみません。もし「これから申し込むつもりだった」という人がいましたら、私と個人的にメルアドを交換している方ならメールで、facebookでつながっている場合はメッセンジャーで一報ください。ある程度の人数であれば追加で席を用意できるかどうかを主催者側と相談してみます。私の関係者として招待できるワクも多少はあると思いますので。

今回のトークイベントでは「乗らない人でも楽しめる飛行機&空港の超おもしろ講座」と題し、航空の世界で多くの人がふと疑問に思うことを身近なエピソードを交えながら楽しく解説していく予定です。いくつかの質問事例はイベント告知文でも書きました(詳細はこちら)。当日お越しいただく方で「これを知りたい!」「これが聞きたい!」という質問があれば、こちらもメールやメッセージでお寄せください。1時間半という限られた時間ではありますが、お話しする候補に入れたいと思います。

それでは3週間後、7月11日(水)の19時に、六本木でお目にかかりましょう。

2017年06月15日

エルミタージュ美術館展

 
この春から進めてきた新しい一冊を先週、ようやく書き上げました。監修本も含めると今年4冊目。河出書房新社から7月中旬に発売予定です。執筆に集中するときは外部との交流を絶つことが多く、連絡もなければブログも更新されないし──と音信不通を心配してくれた方もいるかもしれません。ご無沙汰してしまいましたが、相変わらず元気でやっています(笑)。

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一段落はしたものの休む間もなく現在はライフワークの仕事にシフトしていますが、今日は書斎作業を早めに切り上げ、午後から六本木へ。森アーツセンターギャラリで開催中の「大エルミタージュ美術館展」を覗いてきました。なかなか行く時間がなかったのですが、手元にあるチケットを見ると最終日が6月18日なので「今日を逃したらもうチャンスはないかな」と。ご覧の写真は唯一、撮影可となっていたエカテリーナ2世の肖像画です。

副タイトルに「オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」とあるように、16〜18世紀のルネサンス・バロック・ロココ期のヨーロッパ各国の巨匠たちの作品を集めた絵画展です。それが国別・地域別に分類して展示され、とてもわかりやすい。入口を入ると、ティツィアーノの絵に始まるイタリア編からスタート。その後はオランダ、現在のほぼベルギーにあたるフランドル、スペイン、フランスと続き、最後にドイツとイギリスが一括りになってクラーナハの絵がトリを飾ります。

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写真は、ロシアのサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館です。7年前の冬に訪ねたときのものですが、今日の絵画展で旅ごころを刺激され、また行ってみたくなりました。海外へはここ数年、航空会社からの招待取材や雑誌編集部からの依頼で行くケースが多く、好きな街を自由に歩くというのがあまりできません。そうした旅は2年ほど前から極力減らし、プライベート旅を中心に切り替えつつあります。40代前半まで続けた「世界放浪」を復活させ、残りの人生を充実させたいと思います。そのためには、いい本をもっといっぱい書かないとね。

2017年05月30日

書斎消滅?

 
更新が途絶えていたBlogを12年目に突入した4月から再開したものの、その後も公私ともに忙事に追われてなかなか時間を割けず、また1カ月も放ったらかしになっていました。でも無理はせず、6月に入って落ち着いてからと思っていたのですが、今日は書かずにいられないので書きます。

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アメリカ国土安全保障省のジョン・ケリー長官は日曜日に放映されたテレビ番組「フォックス・ニュース・サンデー」の中で、ノートPCなど電子機器の機内座席への持ち込み禁止規制について「米国発着の全国際線を対象にする可能性がある」と発言しました。びっくりです。

パソコンの機内座席への持ち込み制限は今年3月、米政府がテロ対策を理由に中東など10都市への路線を対象に導入しました。対象便は現在、1日50便程度ですが、それが全国際線に拡大されたらどうなるか? ノートPCやタブレットなどを携行している旅行者は、カウンターでスーツケースなどといっしょに預けなければなりません。移動中の機内で、もう仕事ができなくなります。

規制の対象を中東だけでなくEU路線にも拡大する案も浮上し、EUと米当局の話し合いが進んでいるようです。航空機を狙ったテロ活動に備えることが狙いなのでしょうが、パソコンが持ち込めない飛行機には、私はもう乗りません。移動しながらイマジネーションを研ぎ澄ませていろいろな文章を書いてきた「雲の上の書斎」が、一部路線でなくなってしまおうとしています。これ、私にとっては一大事です!

2017年04月30日

地球が生まれる瞬間

 
切り立つ断崖から白い水しぶきをあげて豪快に流れ落ちる滝と、大自然が生み出す氷河の芸術。4日間にわたって旅したアイスランドで数々の見事な絶景を満喫し、思い出に残る体験ができました。詳細は後日、雑誌に書く予定ですので、掲載になったら改めてお知らせします。

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今回の旅で私が楽しみにしていた一つが、「ギャウ」を自分の目で確かめることでした。ギャウとは「地球の割れ目」の意味です。アイスランドはユーラシアプレートと北米プレートの境目に位置する国。通常は海底の深い場所で形成されるプレートの誕生の瞬間を、この国では地表で見ることができます。

東側のユーラシアプレートと西側の北米プレートがアイスランドの国土を分断し、その間(溝)は1年に2〜3センチずつ広がりつづけています。上の写真は、同国北部にあるミーヴァトン湖周辺で撮影しました。今回は足を伸ばす時間はありませんでしたが、有名なのは南西部に位置するシンクヴェトリル国立公園のギャウで、2004年にはユネスコの世界遺産にも登録されました。

誕生したプレートは東と西にゆっくりと動きつづけて、やがて地球の裏側に位置する日本の海底で再び地球の内部に沈み込んでいくそうです。私は岩場によじ登ってギャウを見下ろし、しばらくたたずんでいました。いままさに、目の前で新たな大地(地球)が生まれている! その瞬間を目撃しているんだと思うと、とても不思議な気持ちでした。

S.Akimoto at 17:21|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2017年04月24日

ブログ再開

 
バリとジャカルタへ飛んだ先週のインドネシア取材も、無事に終了しました。デンパサール空港に近いフォーシーズンズホテルでは、その立地を生かして楽しむ飛行機の離発着撮影を航空写真家チャーリィ古庄氏とともに体験。ジャカルタでは5月1日よりフル稼働するスカルノハッタ国際空港の新しいターミナル(T3)を視察し、充実した3日間だったと思います。

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写真はスカルノハッタ国際空港に隣接するガルーダ・インドネシア航空の整備ハンバーを訪ねたときのものです。ガルーダは航空機のMRO(メンテナンス、リペア、オーバーホール)ビジネスにも注力し、自社機のみならずアジアを中心とするエアライン各社の重整備を受託。安全に不可欠な技術力を蓄積している様子を垣間見ることができました。

さて、取材から帰国した先週の木曜日、私は誕生日を迎えました。たくさんの温かいお祝いメッセージをいただき、感謝しています。そして誕生日といえば、このBlog『雲の上の書斎から』がスタートしたのも、11年前の4月20日。昨年末から更新が途絶えがちでしたが、12年目を迎えたのを機に少しずつ再開していきたいと思います。

ただいま、朝の6時を回りました。これから支度をして成田へ向かいます。フィンエアーを利用し、ヘルシンキ経由で北欧アイスランドへ。1週間の日程での取材です。時間を見つけて現地からまた報告を書きます。

2017年01月18日

羽田での出来事

 
今日は通常の書きものを昼少し前に切り上げ、カメラを持って羽田へ。「羽田空港の楽しみ方・便利な使い方」をテーマにした新刊が近く(3月?)PHP新書として発売になります。その本文に挿し絵のような扱いで写真を配置するので、ストックフォトから探していたところ、古い写真が多いので急きょ自分で撮影に行くことにしました。

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国際線と国内線の第1・第2の三つのターミナルをまわり、必要なカットをパチリ。疲れるとすぐにお茶タイムです。ご覧の写真は、200種類を超すデザイナーチェアやソファが配置された、第2ターミナル3階の大好きなスペース「UPPER DECK TOKYO」です。コーヒーを買ってきて、気に入ったソファで持参した本を読んでいたら、2時間が過ぎていました。

各ターミナルの展望デッキにも足を運びました。本格的なカメラ機材を携えた航空ファンらしき人たちが大勢います。マニア系のカメラマンや航空ライターと違って、私はこういう場所にほとんど出没しません。それでも最近は顔を知られつつあるようで、遠目に私を見てこそこそ話している人たちがいます。声をかけられることはなかったのですが、去り際にも、すれ違いざまにガン見していくカップルが! 無視して通り過ぎようとしたら、男性のほうが背中から声をかけてきました。「あのう、間違っていたらすみません。作家で航空ジャーナリストの秋本俊二さんじゃないですか?」と。

今日は人に会う予定がなかったので、無精ヒゲに髪はぼさぼさ、膝の抜けた薄汚れたジーンズという身なりです。面倒くさいので、とぼけちゃいました。「私? いえいえ、ぜんぜん違います」。相手は「失礼!」とあっさり引き下がったのですが、そのすぐあとで、女性のほうの声が聞こえてきたのです。「ほーらァ、だから違うって言ったじゃない。秋本俊二って、あんなじゃないって!」。ははは、悪かったねえ、あんなで。「大きなお世話だぜ」とつぶやきながら、次の撮影ポイントに向かいました。

2017年01月01日

賀正 '17

 
あけましておめでとうございます。みなさんはどんな新年をお迎えですか? 私は今年は千葉県の海の近くで年を越しました。元日の朝も空は晴れわたり、雲もほとんどありません。

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ご覧の写真は、私の拠点「雲の上の書斎」に近い上野公園の「月の松」を通して見た不忍池辯天堂です。

さて、昨年後半あたりからBlogやSNSでの活動報告がなかなかできずにいますが、この間も変わらぬ取り組みをつづけてきました。2017年は「航空」をテーマにした新著を前半から夏場にかけて4冊刊行する予定です。また作家活動にも力を入れ、節目となる今年はライフワークとしての作品も意欲的に発表していきたいと思っています。

みなさんにとっても、2017年が創造性に満ちた素晴らしい年になりますように。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2017年元旦 秋本俊二

2016年12月14日

北ドイツの新名所

 
首都ベルリンに次ぐドイツ第二の都市、ハンブルク。古い歴史をもつ港湾都市で、エアバスの機体製造拠点の取材などを目的に私もこれまで5回ほど訪れました。そのハンブルクに2017年1月、新しいランドマーク「エルプフィルハーモニー」が誕生します。

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エルプフィルハーモニーは、3つのコンサートホールを中心にホテルやレストラン、ハンブルクの街を一望できる展望プラットフォームなどからなる複合施設で、スイスの著名な建築家ユニットが設計しました。2017年1月11日と12日にいよいよグランドオープンを迎えます。ご覧の写真がその完成形で、エルベ川沿いにたたずむ姿は壮観そのもの。先ほど、青山の東京ドイツ文化センターでオープニングに関する説明会が開催され、私も出席してきました。

またオープニングを記念して今回、そのエルプフィルハーモニーを拠点とする世界的な室内管弦楽団「アンサンブル・レゾナンツ」が初来日。明日の12月15日(木)に上野の東京文化会館で公演が予定され、私もチケットを2枚ゲットしました。同伴者も「世界中からひっぱりだこのアンサンブル・レゾナンツを、まさか上野で観られるとは!」と感激しています。

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今日と明日は、いつもとは違うテーマの仕事で、私もワクワクしています。予定している執筆作業に明日午後まで全力で取り組み、少し早めに切り上げて、ちょっぴりオシャレして会場へ。超一流の演奏にどっぷり浸かり、2日間にわたって新しい音楽シーンを取材するプロジェクトを終了させたいと思います。

S.Akimoto at 15:53|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2016年12月08日

頑張れ、キリン!

 
朝日新聞の今日(12月8日)の夕刊に、ショックな記事が載っていました。「国際自然保護連合(IUCN)が絶滅の恐れがある動植物を記載した『レッドリスト』の最新版を発表し、キリンが新たに絶滅危惧種になった」という記事です。

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同記事は「農業や鉱業開発で生息する場所の環境が破壊されたり密猟されたりして、アフリカに棲息するキリンが過去30年間で4割減少した」と伝えています。具体的な数字をあげると、1985年には推計で約15万〜約16万頭いたのが2015年には10万頭弱に。動物の中でも私は子供のころからキリン好きだったので、とてもショックです。

ご覧の写真は、2010年と2013年に2回にわたって南アフリカのサファリを取材したときのものです。ジャングルの中でほかの動物たちと楽しそうに暮らすキリンのショットを、いくつもカメラに収めました。対策を打たずにこのままいけば、キリンたちはいつか地球上からいなくなってしまうのでしょうか。

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カンボジア取材から帰国し、久しぶりにBlogの更新です。前回の更新から1カ月以上が過ぎてしまいました。まだしばらくは忙しい時間が続くので、今後もこんなペースでやっていきます。わが『雲の上の書斎』からは上野動物園が目と鼻の先なので、こんど散歩のついでに寄って、キリンたちの生き生きとした姿を撮ってそのうちレポートしようと思います。

S.Akimoto at 18:35|Permalinkclip!中東・アフリカの旅 

2016年11月02日

翼の王国

 
飛行機に乗ると、座席に着いたとたんにシートポケットから機内誌を取り出し、ページをめくっている人をよく見かけます。近年は外資系エアラインでも日本語版の機内誌をつくり、隔月刊や季刊で発行しているところが増えました。海外のデスティネーションやおすすめのショップなどを特集し、旅行に役立てている人も少なくありません。

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そんななかでも人気の一つが、ANAの機内誌『翼の王国』です。昭和35年に創刊し、発行を重ねるごとに内容も充実。国内や海外各地の文化と自然、人々の暮らしなどを、独自取材と美しいビジュアルで紹介してきました。私の周りでは、自宅で定期購読をしているファンも何人かいます。

その『翼の王国』の表紙絵で親しまれてきた画家の堀越千秋(ほりこしちあき)さんが10月31日、多臓器不全のため拠点にしているマドリードで死去されました。享年67歳。日本とスペインを行き来しながら精力的な作品づくりを続け、つい最近(9月)も東京・麹町で「『翼の王国』の表紙原画展」が開催されていたことを思い起こします。

同原画展は国内で定期的に実施され、私も2010年に銀座の永井画廊で開催された回〔写真〕と、昨年6月に大阪に出張した際に箕面市のギャラリー・アカンサスで開かれていた回に足を運びました。スペインの空と太陽を感じさせる大胆かつ明るい色使いが印象に残り、チャンスがあればまた新作を観てみたいと思っていたので、とても残念です。ご冥福をお祈りいたします。

S.Akimoto at 10:37|Permalinkclip!空の旅の資料館 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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