2018年10月19日

書斎の妖精たち

 
いまから5年くらい前に『妖精を呼ぶ本』(姫乃宮亜美著)というのを読んでから、私のなかで猴点梱瓩梁減澆とても気になりはじめました。本当に妖精を見た人っているのか? いるとしたら、妖精たちはどんな姿で? 古い話ですが、1917年にイギリスで起きた、国中を揺るがした奇妙な事件のことも思い出します。

181019-0

きっかけはある写真でした。写っていたのは妖精たち。コティングリー村に住む二人の少女が自宅の庭で撮った5枚の写真です。シャーロック・ホームズの作者、コナン・ドイルが「これは本物だ」と発表し、大騒動に発展したのでした。

この「コティングリー妖精事件」は、はたして本当なのか? 真相は長い間なぞに包まれたままでしたが、60年以上の時を経た1983年に、少女の一人が告白します。「写真に写っていた妖精は、紙に描いて切り取ってヘアーピンで止めたものだ」と。このようなフェイクニュースに翻弄されるほど、イギリス国民にとって妖精は身近な存在だったのでしょう。ただし、少女の告白にはまだ続きがありました。少女は言ったのです──「でも5枚目の写真だけは私、何もしていません」

この5年間、ヨーロッパの街を歩いていて雑貨屋などで妖精のグッズを見かけると、つい買ってしまうようになりました。東京・湯島の『雲の上の書斎』には、あちこちに妖精がいます。今日はその一部を写真で紹介しましょう(ちょっと少女趣味かな? 笑)。

181019-1

181019-2

181019-3

181019-4

181019-5


S.Akimoto at 12:26|Permalinkclip!オフタイム 

2018年10月15日

空を飛べるのはなぜか

 
明日16日から、私の新刊が書店に並びます。今年3冊目の著書ですが、この本はかなりチャレンジしました。タイトルは『空を飛べるのはなぜか 〜もっと高く、遠くへ! 人と生き物たちの“飛ぶ”秘密に迫る〜』(サイエンス・アイ新書)。以下は、裏表紙のPR文です。

181015

空を見上げると、そこには実に「不思議」な世界が広がっている。飛行機はどうして飛べるのか? スイスイと空を渡っていく鳥とは何が同じで、何が違うのだろう? 闇にひそむコウモリ、草間の昆虫、ふわふわしたタンポポの綿毛、色とりどりの熱気球、宇宙を目指すロケット、近年話題のドローン……。さまざまな「飛ぶもの」の仕組みや秘密に迫る1冊(本書裏表紙より)。

単なる「飛ぶしくみ」の解説本ではありません。扱ったのは鳥や生き物、竹とんぼなどのおもちゃやスカイダイビングなどのスポーツ&レジャーまで。それら一つひとつとの私のこれまでの関わりを含め、「飛ぶ」ことに焦点を当ててエッセイ風につづりました。最終章では、私たちが乗って楽しめるヘリコプターや熱気球など旅客機以外の空飛ぶ乗り物にも言及しています。船や新幹線も登場するので、戸惑う人もいるかもしれません。しかし水面から浮上して進む高速船ホバークラフトや実用化に向けて動きはじめたリニア新幹線も、じつは「飛行機」としてとらえることができます。それらの飛ぶ原理なども、私自身の体験を交えながらできるだけやさしく解説しました。

書店で見かけたら、ぜひ手にとってパラパラとめくってみてください。遠そうで近い、難しそうでやさしい、華麗なる空の世界にごいっしょさせていただければと思います。

S.Akimoto at 20:06|Permalinkclip!空の旅の資料館 

2018年09月26日

超ロングフライト復活

 
サービスの悪い航空会社でのフライトは2時間や3時間でも苦痛になるけれど、快適なシートと行き届いたもてなしで乗客を迎えてくれる航空会社は、たとえ10時間を超えるフライトでも降りるときに「もう少し乗っていたかったね」と思うもの。日本人旅行者に人気の航空会社の一つがシンガポール航空で、同社は10月11日よりシンガポールからニューヨーク(ニュージャージー州のニューアーク空港)への世界最長路線を開設することになりました。

180926

この路線に投入するのは、9月22日(現地時間)に受領したばかりのエアバスA350-900ULRです〔写真〕。A350-900ULRは、基本モデルであるA350-900の燃料システムや翼端のウイングレットを改良。燃料タンクの容量も追加され、航続距離の延長を実現しました。今後は飛行時間18時間超のシンガポール−ニューヨーク線で活躍するほか、11月からはシンガポールからロサンゼルスへの直行便も復活する予定です。

同社は過去にもA340-500でシンガポール−ニューヨークへ線を運航していましたが、燃費の悪さなどから採算がとれず、2013年11月で運休に。代わって世界最長になったのが、エミレーツ航空がボーイング777-200LRで運航するドバイ−パナマシティ線やカンタス航空がエアバスA380で運航するシドニー−ダラス線(運航距離はいずれも約1万3,800キロ)です。

シンガポール航空のニューヨーク線の運航距離は、それらを上回る約1万5,000キロ。まさに超ロングフライトの復活です。年内は無理そうですが、NYに用事もあるので来年の早い段階で乗ってこようと思います。

2018年09月22日

ハワイ島でゴルフ

 
今週はハワイアン航空の羽田−コナ線の取材のため、ハワイ島へ行ってきました。滞在最終日には日本からのゴルファーたちが参加した「第2回ハワイアン航空杯 ハワイ島大会」というゴルフコンペがあり、プレーを終えたあとのセレモニーに私もサプライズゲストとして登壇。下の写真は、みなさんの前で少しだけスピーチをしているところです。

180922-1

昨年からスタートしたこの大会は、海外でゴルフを楽しむための季刊誌『Golf Digest Traveler』の誌上で参加者を募集しています。同誌では私も連載エッセイをもっていて、その関係でセレモニーに呼ばれました。司会から紹介されて「連載を執筆している作家の秋本俊二です」と挨拶すると、みんなびっくりした様子。その後、それぞれに「連載いつも読んでますよ」「すごく面白い」などと声がかかり、とても嬉しかったです。

180922-2

さて、この「ハワイアン航空杯ハワイ島大会」の舞台となるのは、ハワイでも屈指の名コースとして知られるワイコロア・ビーチ・リゾートのキングスコースです。みなさんがラウンドしている間、私もカートでコースを視察してみました。ご覧の写真は、その5番ホールで、グリーンの向こうに海をはさんでマウイ島が見えます。そして背後にそびえるのは、星空観察のメッカであるマウナケア。私も前日の夜、富士山より標高の高い4,205メートルの山頂で宇宙を体験してきました。

180922-3

ハワイアン航空とゴルフダイジェスト社の関係者の話では、来年も同じコースで第3回大会の開催を予定しているとのこと。私はあまりゴルフはうまくありませんが、あの雄大な景色のなかでのプレーには魅力を感じます。スケジュールが合えば、私も参加してみようかとひそかにたくらんでいます。

2018年08月26日

ひるねこBOOKS

 
アメリカ弾丸取材から戻り、夕方から湯島の『雲の上の書斎』を出発していつものコースをウォーキング。その途中で、谷中のキッテ通りにある「ひるねこBOOKS」を覗いてきました〔写真下〕。猫の本や絵本、アート、北欧関連の本と北欧雑貨などを揃えたとてもかわいい書店で、前を通りかかるとついふらっと立ち寄ってしまう人も少なくありません。

180826-1

ここで8月22日(水)より、ライターの内山さつきさんとイラストレーターの新谷麻佐子さんの共著『とっておきのフィンランド』の発売を記念した展示会「絵本のような町めぐり」が開催されています。ちょうど新谷さんが在廊していたので、いろいろ話し、展示物の写真も撮らせてもらいました。

180826-2

二人の新刊本は「絵本のような町めぐり〜かわいい、おいしい、幸せ体験」とサブタイトルにあるように、これまで知らなかったフィンランドの魅力をたっぷり紹介しています。昨年秋に内山さんとオーロラ取材でラップランド地方を訪ねたときに、出版の計画があることを聞き、ささやかながらアドバイスと応援を続けてきました。追加取材で何度も現地を再訪するなど、制作段階では苦労も多かったようですが、そのぶん素晴らしい本に仕上がったと思います。北欧旅行の計画がある人には役に立つ情報が満載だし、旅の予定がない人もこの本できっとフィンランドに興味がわくでしょう。

180826-3

谷中の「ひるねこBOOKS」も時間があればぜひ訪ねてみてください。展示会「絵本のような町めぐり」は9月10日(月)まで開催されています。

2018年08月23日

ステーキの超有名店

 
インディアナポリスのダウンタウンの中心部にあるホテルに滞在しています。一歩外に出ると、この周辺にはとかくステーキハウスが多い。高級そうなステーキハウスが軒を連ね、専属のシェフたちが腕を競っているとガイドブックにも書いてありました。「ディナーでおすすめの店は?」とホテルのフロントで聞いても「ステーキだね」と返ってきます。

180823-1

そのなかでも、地元の人たちがイチ押しというステーキハウスの超有名店『Harry and Izzy's』を予約し、訪ねてみました。店内はごらんのようなしゃれた雰囲気〔写真上〕。そしてここの看板メニューが、前菜としてオーダーする激辛のシュリンプカクテルです〔写真下〕。地元っ子たちの英語でのレビューで「とにかく一度食べてみろ」とか「この辛さをなめるなよ」とか書いてあり、私も気になって注文してみました。

180823-2

大ぶりのシュリンプにまぶしてあるソースを、ちょっとだけフォークでとって口に入れてみます。最初の数秒は「え、ワサビ味?」と意外さに驚き、そのあとで「ギャーッ」と叫んで目からあふれ出る涙。これは半端ありません。けれどシュリンプにからめて恐る恐る食べてみると、エビの身の淡泊さが辛さを消してくれて、クセになるほど絶妙な味に変わります。「とにかく一度食べてみろ」も「この辛さをなめるなよ」も、なるほどと納得できました。

180823-3

メイン料理には「SURF 'N TURF」というやわらかなフィレステーキと南アフリカ産ロブスターのセットをチョイスしました。こちらも絶品でしたが、ごらんのようにものすごいボリュームで、かなりのカロリー過多に。これから2日間は断食します。

S.Akimoto at 01:27|Permalinkclip!アメリカの旅 

2018年08月21日

個室仕様シート

 
アメリカのデトロイトに向かう機内でいま、これを書いています。最終目的地はインディアナポリス。日本からの直行便が就航していない都市を目指す場合、どこで乗り継ぐかが重要なポイントになりますが、今回はデトロイト経由を選択しました。デルタ航空がエアバスA350-900で運航する成田−デトロイト線に、珍しい個室仕様のビジネスクラスが搭載されているからです。

180821

デルタ航空は米系エアラインで最初にA350-900を受領し、2017年10月から成田−デトロイト線に導入しました。それ以来、デトロイト線のチケットが入手困難に。日本から渡米する多くの人がこの「デルタ・ワン スイート」と呼ばれる個室仕様のシートでの移動を望んだためです。まさに爛廛薀船淵船吋奪鉢瓩任靴拭

今回私にも、ようやく実際に搭乗する機会がめぐってきました。成田でボーディングが始まり、機内へと足を進めます。「デルタ・ワン スイート」はキャビン最前方に、2本の通路をはさんで1-2-1の配列で32席をレイアウト。オフホワイトの明るい機内に、デルタ航空のイメージカラーである濃紺のシートがよく映えています。どの座席も通路との間に扉が設けられていて、これはシートというより猊屋瓩箸いΠ象です。ホテルにチェックインしたような感覚で、約12時間のフライト中も仕事に集中できることは間違いありません。各シートの入口に表記された座席番号も、まさにホテルのような雰囲気です。

180821-2

疲れたらシートをフルフラットにして、最大205センチというサイズの快適なベッドに。このところ本の執筆で寝不足がつづいていたので、手もとのボタンで座席番号の脇に「Do Not Disturb(起こさないでください)」の文字を表示させ、ゆっくり眠りにつきたいと思います。

2018年08月12日

『空港の大疑問』

 
九州への出張や旅行で鹿児島空港に降り立つと、私は必ず寄るところがあります。国内線ターミナル到着フロアの1階、バス乗り場の近くにある「おやっとさぁ」です。鹿児島弁で「お疲れさま」「ご苦労さま」という意味の名前がつけれらたここは、温泉王国鹿児島をPRする施設として誰でも気軽に温泉気分を味わえる国内空港初の天然温泉足湯。訪れる人たちの憩いの場となっていて、いつ行っても賑わっていない日はありません。

180812

さて、そんな地方空港の楽しみ方も含め、進化しつつある日本のエアポートの「現在」にスポットを当てた私の新刊──『空港の大疑問』(河出書房新社)が発売になりました。内容は、滑走路などの基本知識からあまり知られてい空港運営の舞台裏、最新の技術から面白ネタまで。どのページから開いていただいても、気軽に読んでいただける一冊になったと思います。

足湯の話に戻りましょう。鹿児島空港と並んで、北九州空港の足湯も人気です。3階展望デッキに隣接し、雄大な景色を望みながら心身ともにリラックス。また中部国際空港へ行ったときは、すっかり名物になった「風(フー)の湯」で伊勢湾に沈む夕日をバックにのんびり風呂に浸かってから帰宅──というのもおすすめです。全国でも唯一の「滑走路に隣接した露天風呂」で、浴室内のスピーカーから飛行機の離陸・着陸音を流す演出がロマンチックな気分をさらに盛り上げてくれます。空港に用がない観光客もこの“空の風呂”を楽しみに訪れるようになりました。

札幌の新千歳空港ターミナルにも「新千歳空港温泉」という日帰り入浴施設があります。場所は国内線ターミナル4階、国際線へ向かう通路の入り口付近です。そんな情報も本に載っていますので、ぜひ活用して夏休みの空の旅の行き帰りを楽しんでください。

2018年08月06日

電気ヒコーキ

 
電気自動車がずいぶん普及してきたなあと思ったら、こんどは「電気ヒコーキ」かァ。今朝の朝日新聞朝刊に「高性能モーターなどを駆使して航空機を電動化する動きが本格化」といった内容の記事が掲載されていました〔写真〕。

180806

記事によると、7月に英国南部ファンボローで開催された世界最大の国際航空ショーで、高級車を手がける英アストンマーチンとロールスロイスが電動モーターで飛ぶ垂直離着陸型の小型機の構想をそれぞれに発表したそうです。その背景にあるのが地球温暖化で、これは航空業界としても絶対に避けては通れません。飛行機を電気で飛ばせるようになれば、問題解決に大きく貢献するでしょう。

エアバスは昨年、電動化の実証実験を間もなくスタートすると発表しました。100人乗りのジェット機の4基のエンジンのうち、1基をモータ駆動式にして、ジェットエンジンで発電した電力でモーターを駆動。ファンを回してその勢いで飛ぶというハイブリッド技術による構想です。ボーイングでもグループのベンチャー企業が2022年までに小型ハイブリッド機を売り出す計画を発表しました。

電気ヒコーキが空を飛ぶ。まだまだ道は険しいと思いますが、2大メーカーの最先端の研究開発現場もいずれ取材できたらいいなあと思います。

2018年07月29日

ABBAと街歩き

 
ストックホルムの14ある島の一つ、ユールゴーデン島へ足を伸ばし、そこに2013年5月にオープンした「ABBA THE MUSEUM」を覗いてきました。さすが国民的人気グループで、大勢の人で賑わっています。懐かしいオリジナルLPやメンバーが実際に着用したステージ衣装、楽器などのゆかりの品々を見ていると、心はいつのまにかABBAの黄金時代にタイムスリップ。結成から解散までの歴史をたどりながら、あの歌声に熱中した時代を思い出しました。

180729-1

アグネッタ、ビョルン、ベニー、アンニ=フリッドの才能ある4人が集まってABBAを結成したのは1974年です。それから解散までの実質8年間で発表したシングル・アルバムは3億8000万枚以上という驚異的なセールスを記録しました。ABBAの活動した時期は、私はティーンエイジャーでとても多感なとき。彼らの音楽にはいろんな意味で刺激を受けました。3億8000万枚のなかには、私が買った7枚のアルバムも含まれています(笑)。

ミュージアムには最新3Dテクノロジーを使った仮想ステージもあり、5人目のメンバーとしてアグネッタやフリッドといっしょに歌い、その映像をダウンロードすることもできます。『ダンシング・クイーン』と『マンマ・ミーア』の2曲が用意されていました。たくさんの人が見ていたので、さすがに恥ずかしくてできなかったけれど、次に行ったときは絶対にトライしようと思います。

180729-2

180729-3

見学を終えてミュージアムを出てからは、Blutoothのワイヤレスイヤホンをバッグから取りだし、iPhoneの「プレイリスト」に入れてある『ABB 40/40 The Best Selection』のアルバムをずっと聴いています。アグネッタとフリッドの歌声が景色にかぶさると、ストックホルムの街がまた違ったものに見えてきました。

S.Akimoto at 11:35|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2018年07月26日

SAABの話

 
今日はスカンジナビア航空日本支社の総支配人、レイフ・ニルソン氏と、ストックホルム市内に最近新しくオープンしたホテルなどを視察しました〔写真〕。私たちが訪ねたのは、中心部に建つ3軒。いずれも北欧デザインの家具を備えたフリーエリアなどが充実するブティックホテルで、とてもお洒落です。こんなホテルに泊まれば滞在が楽しくなることは間違いありません。

180726-1

ストックホルムの街を歩いていて、ある変化に気づきました。ボルボと並ぶスウェーデン車のブランドだったサーブの姿が、いまはまったく見られないのです。サーブはリーマンショック後、米ゼネラル・モーターズからオランダの小メーカーの手にわたり、さらに中国の企業へと売却。その間のごたごたで修理部品の供給が追いつかなくなり、多くのユーザーが離れていきました。

一般に「サーブ」として知られる自動車会社サーブ・オートモービルは、もともとは航空機メーカー「SAAB AB」の自動車製造部門でした。旅客機の製造はその後も続き、小型プロペラ機のサーブ340BはいまもJALグループの日本エアコミューター〔写真〕や北海道エアシステムがローカルの短い路線で飛ばしています。

180726-2

ストックホルムにあるSAABは現在、製造分野を軍事用にシフトしていますが、その優れたレーダー&通信技術は民間の航空管制にも応用されています。明日からは、そのSAABの取材や、ストックホルム・アーランダ国際空港の視察などを予定に入れました。また時間を見つけて報告を書きます。

2018年07月25日

ストックホルムにて

 
スウェーデンの首都ストックホルムに十数年ぶりに来ています。メーラレン湖とバルト海に囲まれた街並みの美しさは、当時とまってく変わっていません。旧市街のガムラスタンは宮崎駿監督が『魔女の宅急便』をつくる際にモデルにしたといわれ、日本からも多くの観光客が訪れています。

180725-1

少し前に、「水際の市庁舎」とも呼ばれるストックホルム市庁舎に到着しました。800万個以上のレンガが使われ、シンボルともいうべき塔の高さは100メートル超。上の写真は、正面玄関から入った1階の大広間「青の間」で、毎年12月10日にはここでノーベル賞の晩餐会が開かれることでも知られています。

さて、今年──2018年は、日本とスウェーデンが外交を樹立して150年。間もなくこの「青の間」で、その記念式典が開催されます。私も式典に列席するため、スカンジナビア航空の特別便でストックホルム入りしました。成田からデイリー運航しているスカンジナビア航空のSK984便は、通常はコペンハーゲン行きですが、1日だけの特別便としてストックホルム直行便に変更。式典でスピーチを予定しているスカンジナビア航空日本支社の総支配人、レイフ・ニルソン氏とともに同便に搭乗し、この北欧最大の街を再訪することなったのです。

180725-2

大小14の島々からなるストックホルムは、見どころもいっぱいです。中世の面影を残すガムラスタンには王宮やノーベル博物館などがあり、その北に位置するノルマルムには国の主要機関や中央駅などが。水辺にかかる橋を渡った先は、かつては王の狩猟場だった自然豊かなユールゴーデン島で、地域ごとに趣の異なる風景が広がります。取材予定が立て込んでいるものの、時間をとってゆっくり街歩きもできるといいのですが。

S.Akimoto at 01:21|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2018年07月19日

サウナのある暮らし

 
暑いし、執筆続きで疲れがたまっているので、友人に誘われて夕方から東京・鴬谷のサウナの名店に行ってきました。サウナと水風呂に交互に入ると披露がとれると言いますが、本当にそのとおり。心身ともにリフレッシュでき、いまは爽快感につつまれています。

180719

サウナは世界的な文化になりつつあると思います。私が虜になったのは、サウナ発祥の地であるフィンランド。「サウナなしの生活は考えられない」とこの国の人たちは言い、自宅にサウナを併設している家庭も少なくありません。フィンランド流サウナでは、熱した身体を冷たい湖でクールダウンさせるのが不可欠で、私も真冬に体験しました。

冬場には湖の表面が凍ってしまいますが、そこに穴を開けて身体を沈めます。フィンランドのサウナでも最もポピュラーなのが、白樺の薪を燃料にして石を焼き、そこに水をかけて煙(水蒸気)を発生させ身体を熱気で包み込む「スモークサウナ」。とにかく熱い。我慢できず立ち上がろうとすると、横から「もう無理という状態になってからさらに30秒辛抱するといいよ」とアドバイスされ、座り直します。そうして限界まで身体を熱したあとで、夜の闇の向こうにたたずむ湖へ歩き、天然の冷水風呂へ〔写真〕。

水温計の数値は「2度」。冷たいというより、痛い! 3秒もじっとしていられず、走って再びサウナ室へ。同じことを繰り返すと、2回目は冷水に少しは我慢できるようになり、3回目はまったく平気になりました。寒気を寄せつけない幕が身体にできるそうです。新陳代謝が活発化し、老廃物が身体の外に出ていくのも実感できます。一度体験したら病みつきになり、フィンランドの人々が「サウナなしの生活は考えられない」と言うのも納得できました。

2018年07月16日

天文イベント

 
2018年は天文イベントの当たり年。まず、皆既月食がこの1年で2回あります。1回目は1月31日で、全国で20時48分ごろに欠けはじめました。月がすべて地球の影に隠れたのは21時50分過ぎ。その後も1時間くらい月は隠れていました。その時間はちょうど月が空高くにあり、天気も全国的にまずまずだったので、幻想的な現象を楽しめた人も多かったようです。

180716

上の写真は当日、友人である写真家が送ってくれました。21時ごろに撮影したものと言っていましたので、部分食が始まって間もなくでしょう。左下から欠けているのがはっきりわかります。

月食は太陽と地球、月が一直線に並ぶときに起こります。地球の影の中を月が通過することで、月が欠けたように見えたり暗くなったり。皆既になると月に太陽の光が直接当たらなくなるものの、地球の大気をかすめるように回り込んだ光でわずかに照らされるので、赤みを帯びた黒い月になります。

さて、2回目の皆既月食はもうすぐ──7月28日の夜明け前に始まります。国立天文台によると午前3時24分に欠けはじめ、皆既になるのは午前4時30分。北日本では欠けきる前に月が沈んでしまいますが、東京など多くの地域では皆既のまま月の入りを迎えるそう。私はあいにく日本にいませんが、天候に恵まれれば富士山頂に皆既中の月が輝く珍しい「パール富士」が見られるかもしれません。7月31日は火星が地球に大接近するという天文イベントもあり、これについてはまた改めて書きたいと思います。

S.Akimoto at 21:36|Permalinkclip!オフタイム 

2018年07月10日

羽田の珍自販機

 
先週の『朝日新聞』夕刊に「羽田空港の自動販売機で出汁(だし)が飛ぶような売れ行き」といった記事がありました。「うまだし」の缶などが大人気である、と。コンビニでおにぎりを買っていっしょに飲んだり、あたためてお茶漬けやみそ汁のだしに使ったりしているそうです。

180710

羽田空港は「ユニークな自動販売機の宝庫」でもあります。私も以前、いくつかのメディアで紹介しました。そのなかで気になる一つとして取り上げたのが、第1ターミナルにある「出汁」の自販機。明太子で有名な福岡のやまやが羽田空港限定で販売している「博多出汁」などが買えます。ほかにも探してみたら、子供向けの「おもちゃの自販機」などもありました。第2ターミナルには「富山の特産品自販機」が、国際線ターミナルには「絵馬の自販機」が置かれて、通りかかった人たちは不思議そうにチラ見していきます。

国際線ターミナル5階の「お祭り広場」は、まさに願掛けのスポット。絵馬が自販機で1枚500円で売られ、願いごとが書かれた絵馬が広場の壁一面に飾られています。札の裏面は航空チケット仕様のデザインになっていて、これがマニアにはたまらないよう。「大学に合格しますように」「家族が健康で暮らせますように」といった一般的な願いごとの中に、航空会社の名前とともに「事故のない1年になりますように」という文面を見つけました。

第2ターミナルの出発ロビーで見つけた「日本全国ご当地ラーメンの自販機」もユニークでした。北は北海道らら南は鹿児島までのご当地インスタントラーメンが計20種類。『とまとラーメン』『まぜそば』『金箔ラーメン』など聞き慣れない名前の書かれた袋の見本が並んでいます。いつか機会があれば食べ比べてみようと考えているのですが、いまのところチャンスがありません。

S.Akimoto at 00:12|Permalinkclip!世界のエアポート 

2018年07月05日

天草・津紀行

 
津は、小さな町です。民家が建ちならぶ小路を進んでいくと、別次元の世界に入ったよう。歩いている私の横を、宅配便の軽四輪車両が遠慮がちにすり抜けていきます。その先に教会が見えました。400年以上前にこの地にキリスト教が伝えられたときから、時間が止まってしまったような光景です。

180705

「教会というと小高い丘とかに建つものが多いので、珍しくないですか?」と、案内役を買ってでてくうれた現地ボランティアガイドの森田哲雄さん(75)が言います。「ユニークな立地から“海の天主堂”とも呼ばれているんですよ」

由来記によると、教会は1569(永禄12)年にルイス・デ・アルメイダ神により建てられ、ここを中心に天草にキリスト教が栄えました。その後、1638(寛永15)年に禁教令が施行されると、津では激しい迫害の嵐が吹きあれます。教徒たちは隠れキリシタンとなって真夜中にひっそり集まっては神を礼拝し、祈り続けたらしい。1872(明治5)年にキリシタン禁制が廃止され、240年ぶりに津に着任した新しい神父は、人々から熱烈な歓迎をうけました。教会は明治以来3度建て直され、現在のゴジック風建築はフランス人のハルブ神父が1934(昭和9)年に改築したものです。内部が畳敷きというのも、教会では珍しい。津に住むキリシタン信者たちの祈りの家として、いまも毎日のように人が集まってきます。

教会をあとにし、道幅1メートルほどの「トウヤ」と呼ばれる海へ続く路地を進みます。洋角湾に出ました。過去に激しい弾圧があったのが嘘のような、穏やかな海です。地元の人なのでしょう、海に突き出た小さな木の桟橋で老人が二人、のんびりと釣り糸を垂れていました。そんな光景に目を向け、森田さんが「ご覧のように静かな集落ですが、来年のいまごろは観光客がどっと増えているかもしれませんね」と複雑そうな心境を表情ににじませます。ここがユネスコの世界遺産の候補になっていたからです。ユネスコ世界遺産委員会は6月30日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を世界文化遺産に登録すると発表しました。

S.Akimoto at 17:00|Permalinkclip!オフタイム | 出会った人々

2018年07月02日

天草・津紀行

 
「天草へ行ったら、津(さきつ)まで足を伸ばしてみるといい」──恩師からそう言われ、訪れたのは、あれはいつごろだったでしょうか。隠れキリシタンについて研究し、調べていた時代だから、おそらくは20代の後半か。

080702

天草に到着した翌日、ガルニエ神父がつくった大江の天主堂を訪ねたあと、私は山中の道を経て津の町を目指しました。明治初期に大江にきて昭和15年に同村でなくなったガルニエ神父が、長く大江と津の両教会を兼務していたというから、道のりはさほど遠くありません。天草の下島を地図でみると、頭のとがった男の横顔に見えてきます。顔が向いているのは西の方角。目が都呂々川の入り江で、その下に、おそろしいばかりに裂けた口が海の潮を飲んだり吐いたりしている。この裂けた口が「羊角(ようかく)湾」と名づけられたのは、おそらく明治後でしょう。

砂浜は湾の奥まったところに少しあるだけで、津のあたりはいきなり山(岬)が海から生えています。水深もかなり深そう。湾入が複雑なため、船はひとたびこの羊角湾に入ると、四方八方の風から守られます。ただし湾内の形が広かったり狭かったりするので、大型船を入れるには操舵がかなりやっかいなのでは? そんなことを考えながら、いよいよ津の集落に入りました。これからゆっくり歩いてみます。

以上の文章の原型は、1年ほど前に書いたものです。ワケあって、ちょっとアレンジしてこのBlog『雲の上の書斎から』に再現しました。近くアップする後編に続けたいと思います。

S.Akimoto at 06:31|Permalinkclip!オフタイム 

2018年06月29日

成田が変わる

 
成田空港に3本目の滑走路を新設することが決まりました。現在はA滑走路(4,000メートル)とB滑走路(2,500メートル)がありますが、計画ではこの二つに平行な形で新たにC滑走路(3,500メートル)を建設。あわせてB滑走路を1,000メートル延伸し、大型航空機が発着できるようにします。発着枠は現在の約24.6万回から、C滑走路の新設でいずれは50万回までに増やしたい考えです。

180629

海外から日本を訪れる観光客は年々増えつづけています。2017年は2,869万人に達しました。国は2030年までに6,000万人に増やす目標を掲げますが、羽田空港も成田空港も手狭になってきたことから機能を強化することに。海外のライバル空港に負けないため、というのも大きな理由です。

韓国や香港、シンガポールなども早くからいろいろな国や地域をつなぐ「ハブ空港」を目指し、成果を上げてきました。利便性で劣れば、航空路線をその空港にとられてしまうでしょう。成田のC滑走路新設に関しては、飛行経路の真下に住む人たちから騒音被害が拡大すると反発の声も上がっていましたが、地元自治体の多くは地域活性化の切り札になると考え、提案から1年半で合意という「スピード決着」になりました。

成田空港では旅客機や貨物便が離発着できるのは6時から23時までと決められていて、それ以外の時間帯は緊急の着陸以外には認められていません。その猝膰足瓩發い沺緩和される方向で動きはじめました。成田は大きく変わろうとしています。

S.Akimoto at 10:55|Permalinkclip!世界のエアポート 

2018年06月19日

羽田への水上ルート

 
羽田へは上野・湯島方面からだとJR浜松町駅から東京モノレールを使いますが、横浜方面の人は海上ルートが楽しそう。お台場海浜公園と横浜みなとみらいの桟橋から羽田空港の船着場を結ぶ定期航路が2014年7月に開設されました〔写真〕。お台場からも横浜からも羽田までの所要時間は1時間30分で、料金は片道2,500円(子供は半額)。68〜144席の小型クルーズ船で、海から飛行機の離着陸の様子や四季折々の風景を眺めながら移動できます。

180619

秋葉原から羽田空港を結ぶ「空港・都心運河クルーズ」の実用化に向けたテスト運航も実施されました。秋葉原から隅田川を下って東京湾へ。レインボーブリッジを見ながら天王洲アイルや大井競馬場付近を通過し、京浜運河を経て羽田の船着場に到着するというルートです。この舟運実験に参加したのは約1,800人(2016年11月時点)で、ふだんは通れない水路のクルージングに反響もまずまず。体験した人たちの多くが「仕事や旅行でよく羽田空港を使うので定期運航が始まったら絶対に利用したい」などと話していました。

ところでここ数年、日本列島と周辺での地震活動が活発になっています。昨日(6月18日)にも大阪府の北部で最大震度6弱の地震が発生しました。東京でも首都圏直下型の地震への懸念が高まっています。国土交通省では、首都の直下型地震が起きた際に訪日外国人の帰国を支援するため、船を使って羽田空港に避難させるという検討を始めました。

市街地や古いビルが多い東京都心では、地震で電車やバスなどの交通網が寸断される恐れがあります。火災が起きたときなど、とくに危険な密集市街地が山手線周辺などに計824ヘクタールあると国交省は発表(2017年3月末時点)。ビルや電柱の損壊などが重なれば都心の道路網や鉄道網が機能しなくなります。そこで同省は、津波のリスクが小さいとされる都内の河川に着目。都心の交通網が寸断されても、多数の訪日外国人が船を使って羽田空港にたどり着けるようにしようというのです。外国人だけでなく、観光や出張で都内に来ていた日本人や避難する都民ももちろん対象です。船は海上保安庁や民間業者に提供してもらうことを考えているそうです。

S.Akimoto at 05:08|Permalinkclip!世界のエアポート 

2018年06月14日

JALの747初便

 
いま、あるメディアの仕事でJALが初めてジャンボ機(ボーイング747-100)を導入したときのことを書いています。その時代に身をよせ、いろいろなことに改めて驚かされながら。乗客320人を乗せたJALの747第1便は、1970年7月1日に羽田からハワイ・ホノルルへ向けて離陸。それはすなわち、日本における大量輸送時代の始まりでもありました。

180614

日本は高度経済成長にわき、テレビでは旅番組「兼高かおる世界の旅」が高視聴率を獲得していました。飛行機を使った旅行はまだ富裕層や一部ビジネスマンの特権でしたが、そんな状況を一変させたのがジャンボ機なのです。747は通路が2本ある世界初のワイドボディ機で、機体前部を2階建て構造に設計。キャビンはファーストクラス40席、エコノミークラス321席の計361席でレイアウトされました。

その上空クラスキャビンがとにかくすごい! アッパーデッキ(2階席)は当初、ファーストクラス専用のラウンジにし、プライベートジェットの機内を彷彿させるゆったりしたスペースにソファや回転椅子が並びます。日本画家・加山又造氏の壁画が飾られた豪奢な空間でした。1階メインキャビンは前から順に「藤」「橘」「松」「紅葉」と4つの客室があり、その最前方の「藤」がファーストクラス。客室乗務員はそれぞれの客室に1名ずつ配置され、ファーストクラスでは部屋名と同じ藤の柄の着物を着用してサービスに当たっていました。

ALはクラシックジャンボと呼ばれる初期タイプの747だけでも69機、ハイテク機747-400も含めると世界最多の100機を超える747を保有して「ジャンボ機王国」などといわれました。全機が役割を終えて退役したいまもなお、ジャンボ機の時代を懐かしむファンの声があとを絶ちません。

S.Akimoto at 20:28|Permalinkclip!

2018年06月04日

空港ランプバス

 
空港の駐機エリアを走っているバスは、一般の道路を走っている路線バスと同じなのか? 読者からそんな質問が出版社を通すして届きました。おそらくは小学生か中学生だと思います。担当編集者を介してメールで答えましたが、いい機会なのでこのBlogでも触れておきます。

180604

規模の大きな国際空港では、行き先によって飛行機が旅客ターミナルから離れたオープンスポットに停まることも珍しくありません。搭乗するときは、乗客はターミナルのゲートからバスで飛行機まで移動することになります。羽田や成田で空港内を走るオレンジ色のランプバス〔写真〕運行を手がけているのは東京空港交通という会社。一度に300人以上が乗る大型機の場合でも搭乗客をスムーズに輸送しなければならないため、ランプバスには通常の路線バスより車幅も全長も大きくした特殊車両を使用しています。

多くの人が短時間で乗降できるよう、ワイドなドアを最前部、中央部、後部の3カ所に設置。運行の司令塔の役割を担うのが配車室です。羽田空港では第1旅客ターミナルに隣接する場所に配車室があり、そこではベテランスタッフが天候などにより刻々と変化する飛行機の発着状況を常時モニターし、各車両にオンタイムで正確な指令を伝達する作業に余念がありません。

配車室から伝送された指令は、バスの運転手用の液晶ディスプレイに表示されます。トラブルやミスを防ぐため、指令に反して別のゲートにバスをつけたり搭乗機ではない機体に向かった場合などにドア操作を行うと、ドアが自動でロックされる仕組みです。走行中の現在位置は10秒おきに配車室に知らされるほか、バス発着場の赤外線投光器からの信号なども活用して常に正しい現在位置を掌握。こうした高度な運行管理システムにより、日々のバス運行は続けられています。

S.Akimoto at 22:36|Permalinkclip!世界のエアポート 

2018年05月29日

ダッチハウス

 
前回の更新から1カ月が経ってしまいました。サボるつもりはないのですが、時の過ぎるのは本当に早い! 本を書いたり雑誌に寄稿するエッセイなどをつづる合間に、息抜きも兼ねてブログ更新頻度をもっと高めようと気合いを入れ直しています。そこで今日は「ダッチハウス(Dutch House)」の話──。

180529

ご覧のミニチュアの置物は、オランダの伝統的な家をかたどった陶器のボトルで、なかには同国生まれの蒸留酒ジュネヴァが入っています。KLMオランダ航空のビジネスクラスに乗ると、プレミアムギフトとして機内でどれか一つがもらえます。一つひとつ形が違うので、同社便で世界を飛び歩きながらコレクションしている人も少なくありません。中身を空けたら、一輪挿しとしても使えます。

種類はいまも少しずつ増えていて、現時点ではたしか98種類くらいになったとか。上の写真はそのうちの20点で、ホテルオークラで4月に実施された同社の新しいビジネスクラス機内食の発表会のときに撮影しました。本社から来ていた幹部に「欲しいですか?」と訊かれ、大きくうなずくと、にっこり顔で「たくさんフライトを利用して集めてくださいね」と言われてガックシ!(笑)

ところでKLMオランダ航空では、2018年3月26日から成田発アムステルダム行きのビジネスクラスで、好きな時間に好きな料理を楽しめる「Anytime For You」という新サービスを開始しました。発表会に同行してもらった旅&グルメライターの古屋江美子さんが本日、そのレポートを旅行・観光専門サイト『トラベルボイス』で公開しています。興味のある方はこちらからどうぞ。

2018年04月29日

豪州ワイナリー巡り

 
今年3月にJALのメルボルン線を利用して訪ねた、オーストラリア南東部。英エコノミストの調査でメルボルンは7年連続で「世界で最も住みやすい街」に選出されていますが、その地元オージーたちも憧れるというモーニントン半島での休日を満喫してきました。昨日発売になった『季刊・航空旅行』Vol.25に、今回の旅のレポートが掲載されています。

180429

掲載記事はフルカラーで計12ページ。前半6ページは、JAL最高峰のプロダクト「SKY SUITE」仕様のボーイング787-8のフライトレポートで、多くの人が空の旅の一番の楽しみという「食」のシーンをメインテーマに据えて書きました。雲の上のレストランを、記事をつうじて体感していただければと思います。

後半6ページは、モーニントン半島を中心とするメルボルン近郊のワイナリー・リゾートを訪ねた旅のエッセイです。風光明媚かつ肥沃な大地では、おいしいブドウが採れ、上質なワインが産出される。そのことを心と身体で実感した旅でした。一度の旅でこれほどの量のワインを味わった経験は、過去にありません。またいずれ、機会をつくって訪ねたいと思っています。

掲載した写真はヤラバレーにあるワイナリー「ドメイン・シャンドン」でのワンシーン。フランスのシャンパンメーカー、モエ・エ・シャンドンの世界にも4カ所しかない海外拠点の一つです。色もコクも違う4種類のスパークリングワインの試飲を楽しみました。詳しくは雑誌の誌面でどうぞ。

2018年04月20日

誕生日に

 
このBlog『雲の上の書斎から』も本日より13年目に入ります。最初の投稿は、2006年の私の誕生日(4月20日)でした。その日の文章は、以下のように始まっています──。

180420

今日は私の“?回目”の誕生日。40を過ぎるともう誕生日なんて嬉しくないという人も多いけれど、なんのなんの、私はいくつになってもやっぱり誕生日は嬉しい。で、この日を記念して、遅ればせながら「Blog」を始めることにしました。題して──『雲の上の書斎から』。世界の空を旅しながら取材したエアラインのこと、出会った人々のこと、航空に関するあらゆることや、航空とはまったく関係ないことをいろいろ書きつづっていこうと思います。

その後、10年目くらいまでは「3日に一度の更新」を自分に課していましたが、ここ数年は忙事に追われてまったくペースが守れていません。2年前に丸10年を経過したのを機に卒業しようかとも考えましたが、読者のみなさんからの「週に一度でも月に一度でもいいから続けてほしい」「プライベートな文章を読むのが楽しみ」といった温かい言葉に背中を押され、現在に至っています。もちろん、今後もやめません。細々とでもずっとずっと継続していこうと決めました。

さて、直接のメールやLINE、Facebookの投稿・メッセンジャーなどを通じて未明よりたくさんのお祝いの言葉をいただいています。執筆と取材・打ち合わせの合間に、読ませていただきました。ありがとうございます。ちなみに掲載した画像は、BlogやFacebookのプロフィールに使っている元になった写真で、鹿児島から奄美大島へのフライトの搭乗時に撮影してもらいました。

S.Akimoto at 12:14|Permalinkclip!マイ・オピニオン 

2018年04月09日

フックターン

 
3月上旬に取材で行ったメルボルンの旅のエッセイを週末に書いていて、ふと思い出したことがあります。それは、市内中心部での車の運転のこと。オーストラリアは日本と同じ左側通行で、メルボルンのドライバーたちはおしなべて交通マナーもよく、決して走りにくい街ではありません。しかし一つだけ、慣れないと難しいルールがあります。

180409-2

大きな道路の交差点で、上のような標識が見える場所があります。これは「フックターン」の交差点といって、右折したい場合は右側のレーンで対向車が切れるのを待つのではなく、一番左のレーンで待機しないといけません。うっかり右車線にいると、気づいたときには左車線に移ることもできず、もちろん右折も不可なのでまっすぐ進むしかなくなるのです。

しかも、曲がるタイミングがまたやっかいです。進行方向の信号が青なら、交差点の左端に寄って、後続車が直進する邪魔をしないようにして信号が変わるのを待つ。そして赤になった瞬間、後続車がもういないことを確認してすばやくアクセルを踏んで右折! うわあ、こわいなあ。

180409-1

メルボルン中心部には公共のトラムが縦横無尽に走っています。各系統のレールをつなぎ合せると長さは世界一なのだとか。そのトラムの交通を車が邪魔しないよう、フックターンがルール化されたそうです。教えてくれたのは、今回の旅で現地をいろいろ案内してくれた、元キャセイパシフィック航空のCAでメルボルン在住の日本人Mさん。「車の運転は好きですが、このフックターンだけは何年経っても慣れません。もう、大キライ!」と言っていました。

S.Akimoto at 17:24|Permalinkclip!アジア・太平洋の旅 

2018年04月01日

ウソ八百

 
本日から新年度のスタートです。学生や社会人1年生が気持ちも新たに旅立とうとしているなか、一方ではおふざけ大会に熱中している人たちも。エイプリルフールだから、仕方ありません。これはこれで、せちがらい世の中に一滴の潤いを与えてくれるものでもありますから。

180401

そんななか、またまた登場しました。エアラインのウソ八百が。ジェットスタージャパンが届けてきたのは、世界初の「熱唱カラオケ便」を就航させるというニュースです。JOYSOUNDとのコラボ企画で、キャッチフレーズは「高度1万メートルの空飛ぶカラオケルーム」。しかも就航記念セール実施中は「4.1円(税込み)」という超格安の片道運賃で提供するとあります。

もちろんこれは、エイプリルフールのおふざけ企画で、実際にはこんなサービスはありません。ただ、つい信じてしまう人もいるのが怖い。過去にも「頭上の荷物棚でよければ寝そべりながら格安でフライトできます」(ウエストジェット航空)とか「床をスケルトン(ガラス張り)にしたスリル満点の飛行機を導入します」(ヴァージンアトランティック航空)というウソの発表を、本気でメディアに取り上げて解説までしていた記者もいました。

今回のジェットスタージャパンのおふざけ企画も、それはそれで面白いですが、このためにわざわざ写真まで用意して大変だなあとつい思ってしまいます。で、調べてみたら、この写真を撮影したのは私のよき取材パートナーである航空写真家のチャーリィ古庄氏でした。やれやれ(笑)。

S.Akimoto at 11:41|Permalinkclip!日本のエアライン 

2018年03月29日

就職ランキング

 
就職情報会社の調査・統計による恒例の「人気企業ランキング」の最新版(2019年3月卒業・修了予定の大学と大学院生を対象)が発表されました。文系・理系の別では文系の1位と2位を、ANAJALのエアライン2社が独占。3位にはオリエンタルランド、5位JTBグループ、6位近畿日本ツーリスト、7位エイチ・アイ・エス、8位JR東日本と、旅行・レジャー業界が今年も人気のようです。

180329

一方の理系では、1位が味の素、2位がカゴメ、3位明治グループ、4位キユーピー、5位森永乳業と食品メーカーがトップ5を占めています。私の時代とは、ずいぶん変わりました。私も理系の学生でしたが、当時の人気ランキングは電気メーカーが常に上位だったことを思い出します。日立製作所がたしか5年連続でランキング1位、NECや富士通、日本IBM、東芝などがそれに続いていました。

私の専攻は航空工学で、流体力学をベースにした飛行機の設計を学んでいましたが、当時もいまもボーイングやエアバスの日本人学生への求人はありません。専攻をそのまま生かしたい学生は旅客機のパーツ製造を受け持つ重工メーカーを目指すか、なかには学んだ分野の一つであるエアロダイナミクス(空気力学)を駆使した自動車の設計に進む人もいました。人気ランキングのベスト10にはトヨタと日産がいつも入っていたと記憶しています。

自動車の設計エンジニアになった友人や、家電メーカーに進んで研究開発職に就いた同級生たちは、いまも元気でやっているかなあ。反対に彼らも「秋本はどうしているだろうか」と思い出してくれているでしょうか? いや、それはないでしょう。私は早くから「物書き」を目指し、まともな就職活動などいっさいしなかった不良学生でしたので(笑)。

S.Akimoto at 06:59|Permalinkclip!日本のエアライン 

2018年03月26日

満開の桜の下

 
昨日の日曜日は天気もよく、絶好の花見日和。例年より10日も早く咲いた桜は満開を迎え、各地の名所はどこも賑わったようです。私も久しぶりに完全オフにして、湯島の『雲の上の書斎』から目と鼻の先にある上野公園へふらふら出かけてみました。

180326

予想以上の人出でした。立ち止まって写真を撮っている人も多く、うまく前に進めません。「シャッターをお願いしていいですか?」と、ときどき若いグループから声がかかります。ロープで仕切りされた道の両側の宴会スペースも寸分の隙間もなく埋まっています。花見宴会している集団のなかに、ずいぶんと外国人が増えたなあ。見ていてそう思いました。

しばらくキョロキョロ探しましたが、知りあいの顔は見当たりません。時代の流れを感じます。上野はほとんど地元で、私が20代から30代のころは満開の週末に公園の端から端まで歩くと、必ず3組くらいの顔見知りグループから声がかかりました。先輩たちから「おお、秋本。こっちに座っていっしょに飲め」などと。自前のビールジョッキを持って歩くのが恒例で、いくつかのグループをハシゴすればふるまい酒だけでけっこう酔えたものです(笑)。

そんな時代を思い出しながら、2時間ほど散策しました。不忍の池から花見会場、噴水広場を抜けて谷中方面へ。桜の見ごろはまだあと1週間くらいは続きそうです。散りはじめの桜吹雪を浴びながらの散策も、またいいかもしれません。

S.Akimoto at 10:30|Permalinkclip!オフタイム | 湯島だより

2018年03月16日

1万機目の737

 
旅客機で過去に最も多く売れた機種というと、エアバスではA320シリーズでボーイングでは737シリーズ。いずれもキャビンに通路が1本しかない「単通路型」の小型機です。「双通路型」の大型機が性能面で劣る、というわけではありません。小型機が売れる背景には、大型機での長距離移動に比べて、150〜200人を乗せて2〜4時間のフライトで移動する路線が世界には多いという路線需要があります。

180316

ボーイングは今週、通算1万機目となる737を米国シアトル郊外のレントン工場で公開しました。1万機目はLCCの元祖であるサウスウエスト航空へ納入されるもので、これにより737は「最も多く生産された民間ジェット旅客機」としてギネス世界記録にも認定。公開セレモニーには数千人の工場従業員が集まり、盛大に祝ったようです〔写真は同社のプレスリリースより〕。

旅客機には同じ機種の中で「基本型」といわれるモデルと、それをベースに後の新たな需要に対応するためボディのサイズ(長さ)を延長したり新型エンジンに替えて航続距離を延ばした「派生型」といわれるモデルがあります。737はこれまで派生型を最も多く生み出してきた機種で、1967年に生産を開始した-100/-200の第1世代、1984年から登場する-300/-400/-500の第2世代を経て90年代に相次いで完成した「NG(ネクストジェネレーション)型」と呼ばれる-600/-700/-800/−-900の第3世代へと進化しました。ボディの長さで比較すると、-100の29.65メートルから-900では42.1メートルへ、約1.5倍に拡大しています。

現在もその進化は止まらず、2017年には新型エンジンを搭載して環境性能を高めた新バージョンの737MAXが誕生。完成した1万機目もこの737MAXです。MAXの名称には「効率も信頼性も最大、乗客にとっての快適性も最高の旅客機に」というエンジニアたちの目標が込められました。

S.Akimoto at 00:12|Permalinkclip!航空機&メーカー 

2018年03月13日

異国の読者たち

 
私がこれまでに書いた「航空」や「空の旅」をテーマにした二十数冊の著書のうち、約半分が台湾や中国、韓国でも翻訳出版されてきました。それらの国の大型書店を訪ねると目立つ場所に平積みされている著作もあり、感激することも少なくありません。前にも言いましたが、自分の作品が海の向こうで異国の人たちに手に取ってもらえるのは、とても嬉しいことです。

180313

先週もSBクリエイティブの担当編集者が、刷り上がった『これだけは知りたい旅客機の疑問100』の台湾版を届けてくれました〔写真〕。これはサイエンスアイ新書シリーズとして日本では2015年夏に出版したものですが、編集者から添えられていたのは「日本の読者も待っていますのでシリーズの犲,琉貂瓩眇覆瓩泙靴腓Α廚箸いΩ斥奸次作はこれまでとはちょっと違ったテーマの本を企画していて、その編集者とは「秋ごろの刊行を目標に頑張ろう」と話し合いました。

そして昨日は、この2月に発売になったばかりの新著『飛行機の最新知識』(KAWADE夢文庫)の編集者からも「韓国と台湾の出版社から翻訳出版したいという申し出が届いています」と連絡をもらいました。翻訳出版のオファーは新刊を出してから半年か1年置いて来るのがふつうなので、あまりのスピードにちょっと戸惑っています。

でも、立ち止まって喜んでいる場合ではありません。書き手は、常に先を見据えて書き続けなければいけない。若いときの恩師(某有名週刊誌の編集長)にもそう言われてきました。さらに進化した次作に向けて、気合いを入れ直しています。

S.Akimoto at 09:59|Permalinkclip!空の旅の資料館 

2018年03月01日

JALメルボルン線

 
成田からオーストラリアのメルボルンに向かうJAL機内でいま、これを書いています。春の嵐のような暴風の影響を心配しましたが、定刻の午前11時より15分ほど遅れてスポットを離れました。メルボルンまでのフライトは10時間超。サマータイムを実施中の現地は日本とはプラス2時間の時差があるので、現地時間の23時過ぎにメルボルン空港に到着予定です。

180301

人口約450万人を擁するメルボルンは、オーストラリア第二の都市です。ビジネスと観光の需要バランスがうまくとれた路線で、機内はけっこう混んでいます。使用機材はボーイング787-8。半個室タイプのビジネスクラス(38席)のほか、先ほどブレエコ(35席)とエコノミー(88席)も覗いてみたら、どのキャビンもほぼ埋まっていました。

昨年9月にこのメルボルン線を開設したことにより、JALの日本から豪州へのルートはシドニー線と合わせて2本に伸びました。帰国便はメルボルンを深夜に発ちます。ワンワールド・アライアンスの盟友であるカンタス航空(成田夜発/メルボルン午前発)とは真逆のスケジュールですが、一方のシドニーへは往路は成田から夜間フライトで、復路は朝の時間帯にシドニーを発つダイヤが組まれています。

日本発着のチケットはシドニーとメルボルンの間は国際区間運賃に組み込んだ形で販売するので、国内線の運賃を別途支払う必要がありません。なので、一度の旅で二つの都市を周遊するプランも可能になります。たとえば忙しいビジネス客は、成田発の夜行便でシドニー入りし、メルボルン発の深夜便で帰国。私のように明るい時間帯のフライトをゆっくり楽しみたいタイプには、いま乗っている昼間の便でメルボルンへ向かい、復路はシドニーを朝発つ便で帰るというのが理想的かもしれません。

2018年02月26日

LCCの整備現場

 
日本にLCC(ローコストキャリア)が定着したおかげで、飛行機で国内外を旅行する人たちが大幅に増えました。安い時期であれば国内の各都市へは3,000〜4,000円台で、海外へも1万円を切る料金で飛べるようになり、だったら行ってみようかと考えるのは当然のことです。

180226

しかし一方で、LCCは「安かろう悪かろう」のイメージがぬぐい切れていないのも事実。利用する人たちが最も不安に思うのは、やはり「安全面」のようです。では、LCCでは航空機の整備をどう進めているのか? 先日私はジェットスター・ジャパンの整備現場を取材する機会を得ました。そのレポートが旅行・観光専門サイト『トラベルボイス』で公開になっています。

今回の取材はジェットスター・ジャパンからの依頼で実現したものです。最近は「記事風広告」というあいまいなジャンルが広がっていて、混乱する読者もいるかもしれないため、私のレポートにはきちんと「PR」と銘打ちました。けれども内容はすべて事実に基づくものです。成田の現場に半日密着して、整備士たちのさまざまな活動を見学。リーダーと呼ばれる人のインタビューでは「ああ、なるほど」と私自身も勉強になることの多い取材でした。

ジェットスター・ジャパンの整備本部で働くスタッフは現在、20代から60代までの計106名。若手はベテランの経験と技術を学びながら、安全運航の確保に汗を流しています。「夜間の点検を終えて朝の第1便を見送るとき、あるいは折り返し便を再び出発させるときが、この仕事の達成感や充実感を得られる瞬間ですね」と言ってタオルで汗をぬぐう入社2年目の整備士の表情が印象的でした。

≫≫≫「航空機の整備現場を密着取材、LCCジェットスター・ジャパンの『安全』と『安心』を確保する舞台裏とは?

2018年02月19日

『飛行機の最新知識』

 
新刊『飛行機の最新知識』(KAWADE夢文庫)今週、発売になります。大型書店では先週末からもう並んでいるかもしれません。河出書房新社の同シリーズとしては、昨年7月に刊行した『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』につづく第2弾です。

180219

前作は「航空管制」をメインに書きましたが、新作では分野を大きく広げて、旅客機の機種やテクノロジー、運航に関わる人、航空会社まで幅広い項目を扱っています。旅客機を解説した類書はここ数年、ずいぶん増えました。私自身もこれまで複数の出版社から同様な書籍を出していますが、本書はいわばその集大成。単なる解説書ではなく可能な限り自分自身の体験をエッセイ風につづり、新ネタも随所に盛り込んでいます。

執筆の仕上げは、先月訪ねたチェコのプラハで進めました(2月1日のブログ参照)。本書の「まえがき」で私は「空の旅を重ねていると、旅客機のテクノロジーの変遷をリアルタイムで実感することができます」と書きましたが、航空に限らず「変化」を身体でとらえるには旅が欠かせません。「もうこれで書き切ったかな」と思っても、旅に出るとまた新しい発見が待っています。そういう意味でも、旅はずっとずっと続くのだろうなと思います。

初めて「空」に興味をもつ人のために、過去に書いたことも重要だと思う項目は改めて加筆して目次に含めています。その一方で、最近の体験から新たに書き加えた項目も少なくありません。本書を旅行や出張の際のフライトのお供にしていただけると、とても嬉しいです。

S.Akimoto at 00:02|Permalinkclip!空の旅の資料館 

2018年02月16日

北欧グッズが好き

 
おしゃれで機能的な北欧デザインが好きです。東京・湯島の『雲の上の書斎』も、北欧グッズがかなり増えました。応接スペースのサイドボードにはマリメッコのカップ類が並び、窓のカーテンも北欧製。訪ねてくれた人たちにはイッタラ製のグラスで飲み物などをもてなしています。

180215

取材でフィンランドのヘルシンキへ行くことが多く、時間があればよく港沿いの道を散策します。何のあてもなく歩いていると目に入るのが、しゃれた小さなグッズ店。シンプルで温かみのあるデザインで、使えば使うほど愛着が増す一品も少なくありません。「寒さの厳しい冬場は、北欧の人たちは家の中で過ごす時間が多くなります。だから毎日の生活で使う雑貨にも、自然と気持ちを込めるようになるんですよ」と店の人が話していました。

現在私が注目しているのが「PENTIK」というブランドです。もともとは1971年にPENTIK家という一つの家族が立ち上げた陶器などを扱う小さなショップでした。母親のアヌさんが自身でデザインし、愛らしく日常的に使いやすいアイテムが多くの人の心をとらえたそうです。看板商品は陶器類ですが、私はトナカイのグッズなどをいくつか手に入れました。

いま「欲しいなあ」と思っているのは、上に写真を掲載したマグカップ・フォルダです。コーヒーを注ぐと、切り込みのトナカイのデザインが浮かび上がります。前にヘルシンキ郊外のオフィシャルショップに行ったときは時間がなくて買えなかったので、次の機会にはぜひにと思っています。

2018年02月06日

羽田空港限定品

 
仕事で羽田空港に来ています。いまは午後の休憩タイム。あちこち動きまわってちょっと汗をかいたので、一杯だけビールを頼みました。第1ターミナルの展望デッキにある「SKY STATION」で、ご覧の羽田空港限定地ビール「HANEDA SKY ALE」が飲めます。

180206

羽田空港には、ほかにも「ここでしか買えない」という限定品がいろいろ。日本酒好きには、ずばり「羽田」の名がついた純米吟醸酒もあります。取り扱い店舗は、第1・第2ターミナル2階出発ロビーの「東京食賓館」など。緑色の透明なボトル(720ミリリットル)に入って、1本たしか2,000円ちょっとだったかな? けっこういけます。

先日、フジテレビの朝の情報番組にゲスト出演したときには、国際線ターミナルのうどん店・つるとんたんの限定メニュー「和風酸辣湯(サンラータン)うどん」や牛丼チェーン・吉野家の「牛重(ぎゅうじゅう)」などを紹介しました。いずれも羽田空港でしか食べられません。「牛重」はあの吉野家のメニューとは思えないほど高級感あふれる一品です。値段は1,240円とちょっと高いですが。

番組のなかで私は「いろんな国からさまざまな年齢層の人たちが訪れる国際空港は、アンテナショップを出すのに最適な場所です。ここで限定品を置き売れ筋とターゲット層を見極めた上で、他のショップでも新メニューとして展開するというケースも少なくありません」と解説しました。2020年の東京五輪イヤーに向け、どの店もこれからさらにいろいろな戦略を試してくるのではないか? そう考えると、羽田はもっともっと楽しいスポットになりそうです。

S.Akimoto at 17:40|Permalinkclip!世界のエアポート 

2018年02月01日

雪の季節の訪欧

 
報告が遅れましたが、2018年最初の海外渡航は年明け早々に東欧チェコのプラハを目指しました。現地は予想以上の寒さでしたが、しんしんと空気が澄みわたるなかで街を散策。宿泊した旧市街のホテルでは執筆もはかどり、今年もまずまず順調なスタートが切れたと思います。

180131

羽田から経由地のドイツ・フランクフルトまでは、最新のジャンボ機ボーイング747-8で飛びました。雪の多い日で、フランクフルト空港では乗り継ぎ便が飛ぶかどうか不安でしたが、真っ白に覆われた景色のなかでライトを照らしながら近づいてくる1台の車を見てほっとひと安心。現れたのは、冬場になるとたくましい活躍ぶりを見せてくれるあの特殊車両──「デ・アイシングカー」です。

旅客機の運航にとって雪はとてもやっかいなものです。とくに主翼に降り積もった雪や付着した氷が飛行におよぼす影響は小さくありません。そのまま放置すれば、旅客機の離陸性能は大きく低下します。アメリカのNASAが行った実験では「翼に0.8ミリの厚さの氷が付着すると、離陸時の揚力が8%失われる」というデータも報告されました。

デ・アイシングカーは、その名のとおり「デ・アイス(徐氷)」する──つまり凍りついた機体の表面に除氷液をかけて雪や氷を溶かすための作業車です。車両に積んだ約4,000リットルの除氷液で付着した雪や氷を吹き飛ばし、定刻から15分遅れただけでプラハへ出発させてくれました。プラハでは来月刊行予定の新著の執筆を進めましたが、同書にはそんな話も盛り込んでいます。新著に関しては、また近く報告します。

S.Akimoto at 00:15|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2018年01月26日

世界の政府専用機

 
日本の政府専用機として1992年から運用してきた2機のボーイング747-400が、今年でついに退役します。2019年からは新しい777-300ERの政府専用機がデビュー。その外装デザインも3年ほど前に発表されました〔写真〕。整備委託先も、従来のJALからANAに変更になります。

180126-1

さて、海外で政府専用機といえばアメリカの「エアフォースワン」が有名で、ハリウッド映画などにも活躍シーンがよく登場します。しかし、政府専用機を保有するのは日本やアメリカだけではもちろんありません。オイルマネーでうるおった潤沢な資金で次から次へと新しい専用機を導入するアラブの国々や、国民が貧困で苦しんでいるのに見栄をはって政府専用機を仕立てて飛んでくる開発途上国など、調べてみるとそれぞれにその国のお家事情なども反映されていて、面白い。

各国は、どんな機種を政府専用機として使用しているのか? それを一冊にまとめた本が刊行になりました。航空写真家のチャーリィ古庄氏が著した『ビジュアル版・世界の政府専用機』(秀話システム)です。同書は、私と古庄氏が共著として出した『ツウになる! シリーズ』の第二弾。今回は写真も文章も古庄氏が一人で担当しています。

180126-2

大型機から小型機まで複数の政府専用機を持っているアラブの国々や、実際に飛ばす機会のほとんどない北朝鮮の話など、内容は盛りだくさん。世界の航空機を精力的に撮り続けてきた彼だから形にできた一冊だと思います。書店でぜひ手に取って、ご覧になってみてください。

S.Akimoto at 07:42|Permalinkclip!航空機&メーカー 

2018年01月22日

雪の日に

 
いつもどおり早朝4時30分に起床し、コーヒーを淹れて暗いうちから執筆作業を開始。今朝は北欧ラップランド地方に関するエッセイを書いていました。一番最近で私が同地方を訪ねたのは昨年9月初旬で、原稿では「周辺の森は早くも紅葉が進んでいる。このエリアの紅葉の時期は1、2週間しかない。11月の半ばからは一面が雪で覆われはじめる。そんな冬のラップランド地方もまた格別の味わいがある」と、秋から冬への移ろいについても触れて。

180122

北極圏に近いラップランド地方の気候に比べると、日本の冬はなんと穏やかなことか。昨日の日曜日は寒さもかなり和らいで。そんなことを思いながら執筆を終え、窓のカーテンを開けると、お天気キャスターが伝えていたとおりパラパラと雪が落ちています。そして午後には本降りになり、東京の湯島界隈も真っ白に化粧しはじめました。

今日の午後と夕方に予定していた2件の打ち合わせは、急きょ中止に。先方からそれぞれ「午後は早めに仕事を仕舞って帰宅するよう通達が出ました」と連絡がありまして。交通機関もマヒしそうなので、そのほうがいいですね。

打ち合わせは両方とも明日に延期にしたので、現在は2月に刊行する新著のゲラ校正を進めています〔写真〕。静かな中で作業に集中できるのも、雪のおかげかもしれません。

S.Akimoto at 15:31|Permalinkclip!湯島だより 

2018年01月01日

謹賀新年 '18

 
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
180101


2018年元旦 秋本俊二

S.Akimoto at 23:30|Permalinkclip!

2017年12月18日

花ことば

 
2週間ぶりにブログを更新します。最近、時間がとれません。今後もしばらくはこんなペースになると思いますが、おつきあいください。さて、今日は飛行機の話でも旅の話でもなく、花の話。2年前の夏に東京・湯島に拠点を移す前まで、私は書斎のデスクに小さな花を置くのを習慣にしていました。きっかけは、東欧を旅したときに出会ったスロバキア人の知人から同国製のガラスの一輪挿しを贈られたことです。

171218

その花瓶に、週ごとに違う花を飾っていました。月曜日になると、マンションの目の前にあった花屋へ行き、顔見知りの店員さんにその週の花を選んでもらって。私はそれほど詳しくはなかったのですが、店員さんから花の名前だけ聞いて帰り、書斎で「花ことば」を調べていろいろ研究するようになったのです。

5年ほど続けたものの、あるとき花瓶を破損してしまい、湯島に移ってからも花を置く生活から遠ざかっていました。花のないデスクを殺風景に感じながら。この週末にふと思い立って、また花を飾ろうと決め、ずっと前に入手したフランス製のアンティークな一輪挿しを書庫の奥から引っ張りだしました。先ほど、よく通りかかる近所の花屋に寄って買ってきたのがご覧の青い薔薇です。水を替えると1週間くらい持つので、飾る種類を週ごとに変えていこうと思っています。仕事の打ち合わせその他で湯島の『雲の上の書斎』を訪ねてくれる方は、手土産などはいっさい不要なので、思い出したときにでも花を一輪持ってきてもらえると嬉しいなと思います。

さて、薔薇にもいろんな種類と色があり、一般には「愛と美」という花ことばが知られています。ところが薔薇は青の色素を持たないため、青い品種を生み出すことが古くからの愛好家の夢で、そんなことから青に薔薇には「不可能」という花ことばがありました。その後、サントリーが2004年に世界で初めて青い品種の開発に成功し、誕生したブルーローズにつけられた花ことばが「夢かなう」。図鑑で調べたら、ほかに「神の祝福」というのもあるそうです。私も目標に到達できるよう、この1週間もまた全力で取り組みます。青い薔薇を前に、神の祝福を受けながら。

S.Akimoto at 16:10|Permalinkclip!湯島だより 

2017年12月05日

ラップランドの旅

 
ビジネスマンの読者が多いメディア『PRESIDENT Online』で私の「飛行機と旅」をテーマにした不定期での寄稿が始まりました。せっかく仕事で海外に行くなら、もっと旅も楽しんできてはどうか。そんなことを、私自身の実体験をもとに提案していくエッセイ&レポートです。

171205-1

本日から公開になった記事は「オーロラ観賞と本場のサウナを楽しむ」というのがテーマ。オーロラハンティングというと、多くの人から「北欧は遠そうだ」「寒いのは苦手で」という感想が返ってきます。そんな誤解を解くため、防寒対策の重装備が必要な真冬のシーズンを避け、秋に2泊4日の手軽な旅行を実施しました。写真はキッティラ空港からクルマで1時間、オーロラ観賞のメッカであるトラシエッピ湖の周辺です。地元の人にガイドをお願いし、緑深い森の奥へファットバイクで入っていきました。

成田から利用したフィンエアーの最新機材、エアバスA350でのフライトについても報告しています。ヘルシンキ行きは今年6月から夏スケジュールのあいだだけ増便され、その増便分の機材としてA350が成田線に就航。10月末の冬スケジュールからはまた1日1便体制に戻りましたが、成田−ヘルシンキ線は引き続きA350で運航され、ヨーロッパへの旅がますます快適さを増しました。

171205-2

これから来年にかけてもさまざまな旅の取材を計画しています。まずは今週末から年内最後の海外へ。どういう形での連載になるかはまだ固まっていませんが、驚きと楽しさがあふれる報告を書いていくつもりですので、ご期待ください。

≫≫≫「休日はあえて遠くへ 〜非日常体験で疲れを癒す旅

S.Akimoto at 11:57|Permalinkclip!ヨーロッパの旅 

2017年11月15日

マリメッコの浴衣姿

 
今年の4月、フィンランドの首都ヘルシンキ郊外にあるマリメッコ工場を訪ねました。フィンエアーの機内食で出されるマリメッコの食器類が両社のコラボでデザインされているのを知り、とても興味を持ったからです。工場はヘルシンキ中心部からクルマで20分ほどのところにあり、隠れた観光名所にもなっています。

171115-1

私を出迎えてくれたのは、デザイナーのサミ・ルオッツァライネンさん〔写真右〕。実際にフライトで使用しているいくつかのサンプルを手に、制作過程などについて詳しく説明してくれました。色づかいなどに独自の工夫を取り入れている、と彼は話します。「フィンランドは“森と湖の国”といわれていますが、食器類にも森の緑と湖の青、さらに雪の白と雲のライトグレーをデザインにあしらいました。この4色は食器以外にもブランケットやアメニティに使っているんですよ」と。

マリメッコは世界40カ国に約150の店舗を展開し、重要市場のひとつである日本にも約30の店舗があリます。私も昔からフィンランドデザインが好きで、東京・湯島の拠点『雲の上の書斎』で使っている食器はいつの間にかすべてマリメッコに、グラス類はすべてイッタラになりました。

171115-2

171115-3

さて、成田空港に本日、ヘルシンキからフィンエアーのA350マリメッコ塗装機(AY073便)が初めて到着したようです。私は執筆の仕事が山積みで残念ながら行けませんでしたが、先ほどその様子が広報から送られてきました。機体だけでなく、客室乗務員たちも特別仕立てのマリメッコ柄の浴衣姿でタラップを降りてくる写真にはびっくり! この浴衣、私も欲しいです。

2017年11月04日

Japanology Plus

 
海外向けに制作・放送するNHKワールドTV(NHK国際放送)の番組の一部には、日本国内でも放送しているものがあります。そのひとつが、ラジオDJや音楽評論家として日本でもおなじみの英国人キャスター、ピーター・バラカンさんがMCを務める『Japanology Plus(ジャパノロジー・プラス)』。富士山から新幹線、神社、祭り、ラーメンなど、日本の魅力を多彩なテーマで諸外国に紹介している番組です。

171104

この『Japanology Plus』で今回、日本の航空サービスがテーマとしてとりあげられ、私もメインゲストとして番組に参加してきました。JALANAにも番組制作に協力してもらっています。

羽田や成田、福岡などの空港では2分に一度の割合で離着陸が繰り返されています。そうした過密ダイヤのなかで、JALは世界トップクラスの高い「定時運航率」をどう実現しているのか? 2020年の東京オリンピックイヤーに海外から訪れる多くの人たちを最高のサービスで迎えるため、ANAは現在どんなチャレンジを進めているのか? JALの羽田整備ハンガーで、ANA便が集まる羽田第2ターミナルで、ピーターのさまざまな質問に答えました。

番組は海外ではすでにオンエアされましたが、日本で観られるのはもう間もなく。11月7日(火)の午前3時30分からNHK BS1での放送です。真夜中の時間帯で、かつ英語での番組ですが、興味のある方はぜひ録画してご覧ください。詳しくはこちらの番組ページでどうぞ。

S.Akimoto at 05:45|Permalinkclip!日本のエアライン 

2017年10月30日

大田区と羽田空港

 
大田区と江東区がもめているそうです。2020年の東京オリンピックでボートやカヌーの競技場となる東京湾埋め立て地の帰属をめぐって。今朝の朝日新聞にも出ていました。言い分は両区とも「新しい埋め立て地は100パーセントうちのものだ」ということらしい。大田区も江東区もそこそこ広いのだから、そんなに欲張らなくてもいいのにと思います。

171030

東京23区の面積ランキングでは、大田区が第1位で60.42平方キロメートル。江東区は39.99平方キロメートルで第6位ですが、それでも私の住んでいる文京区の3.5倍以上広い。都は「86.2パーセントを江東区に」という調停案を示しましたが、それじゃあ不足というのでしょうか。一方の大田区は大田区で、区民のなかには「大田区が東京23区で一番広いんだぞ」と自慢する人もいるくらいだから、もう十分でしょうとも思います。

ところで、大田区には東京ドーム33個分(15.52平方キロメートル)の敷地をもつ羽田空港があります〔写真〕。広さ自慢をする大田区在住の友人に、以前私は「羽田空港が開港し、その後の拡張工事がなかったら、大田区の面積は23区のうち何番目だったか知ってる?」と言ってやりました。ちなみに面積ランキングの2位以下は、世田谷(58.08平方キロメートル)、足立(53.20平方キロメートル)、江戸川(49.86平方キロメートル)、練馬(48.16平方キロメートル)と続きます。つまり、大田区に羽田空港ができなければ、23区の中で第5位に甘んじていたところでした。

そこで、私は思うのです。「広さ自慢が好きな大田区民は、決して羽田空港に足を向けて寝てはいけません」と。まあ、どーでもいい話ですが。

S.Akimoto at 11:58|Permalinkclip!世界のエアポート 

2017年10月16日

柿田川湧水

 
澄んだ川の底から、新しい水が次々に湧き出てきます。まるで呼吸をしているかのように。静岡県の三島に近い、柿田川公園に来ました。環境庁の「名水百選」にも認定されている湧水群のダイナミックな活動を目の当たりにし、地球の息遣いに触れた気分です。

171016-1

冷たい雨が降りつづくなか、週末をともにした雑誌編集長と女流写真家に「せっかくだから足を伸ばしてみましょう」と誘われ、国道1号線沿いにある同公園へ。交通量の多い通りに面しているとは思えないほど、公園内はさわやかな自然に覆われています。木々の葉が傘代わりになって、雨も気になりません。緑のトンネルを抜けた先に展望台があり、そこから水の湧き出る様子をぼんやり見下ろしていたら、頭の中は知らぬ間に26年前にタイムスリップしていました。

富士山に降った雨や雪は時間をかけてゆっくりと地中に浸み込み、伏流水となって水を通さない粘土や溶岩層のあいだを少しずつ流れ落ちていきます。それが目の前の川に湧き水となった現れるまでに要する年月は、国土交通省がトリチウム濃度から分析した結果によると、なんと26〜28年。何層もの天然のフィルターをくぐり抜けてたどり着いた水は、とにかく澄み切っていて、新鮮でした。

171016-2

1日に湧き出す水は100万トンともいわれ、その規模は東洋一。何度も手ですくって飲んだのはもちろん、公園内の茶店でも湧水を使用して淹れたコーヒーをいただき、パワーチャージができました。そのパワーをもとに、今週もまた精力的に仕事に取り組みます。

S.Akimoto at 12:17|Permalinkclip!オフタイム 

2017年10月11日

沖永良部島から

 
2週間ほどご無沙汰してしまいました。今日は南の島より、10月最初のBlogを更新しています。鹿児島から約550キロ南の海に浮かぶ隆起サンゴ礁の島、沖永良部島まで飛んできました。気温は30度を超え、真夏のような天気です。

171011-2

鹿児島から利用したのは、JAC(日本エアコミューター)のフライトです。今年4月から48人乗りの新しいターボプロップ機、ATR42での運航をスタートしました。その乗り心地を体験する──というのが、今回の取材の大きなテーマ。日本でATR42を導入するのはJACが2社目で、その1年前からすでに天草エアラインが飛ばしはじめています。天草エアラインのATR42にももちろん乗りましたが、航空会社や路線が変わると、また違った味わいがあります。

垂直尾翼の“鶴丸マーク”のほか、南国の就航地をイメージした赤いハイビスカスがボディにペイントされています。後部ドアから乗り降りするというのも、ATRならではです。乗員は機長と副操縦士のほか、キャビンアテンダントは1名のみ。アナウンスからセーフティ・デモンストレーション、ドリンクのサービスまでをてきぱきとこなしていました。

171011-1

エンジン音が静かなのもATR42の特徴です。主翼がボディの上部に設置されている高翼機なので、どの席も窓からの眺望が遮られません。ジェット機が約1万メートルの高度を飛行するのに対して、プロペラ機であるATRが飛ぶのは最高でも6000メートル程度。冒頭に書いたように、今日は真夏のような晴天で、青い海と南国の島々の景色を存分に楽しむことができました。

2017年09月28日

日本の二胡奏者

 
今夜は、湯島の「雲の上の書斎」から歩いて10分ほどの東京・本郷三丁目にある名曲喫茶「カデンツァ」へ。友人である二胡奏者、野沢香苗さんのライブが目的です。月末で原稿や取材・打ち合せが詰まっていたのですが、なんとか早めに切り上げて会場に駆けつけました。

170928-1

野沢さんが二胡と出会ったのは1998年です。女優として出演した舞台で演奏したのをきっかけに「この楽器に魅せられた」と話す彼女の、転機の年でした。その後、少しずつ演奏活動を始め、2003年からは本格的なプロ奏者に。ライブ活動やオリジナルアルバムの制作を通じて、いまでは幅広い層のファンを獲得しています。

親しい雑誌編集長を介して私が野沢さんと知り合ったのは、昨年のちょうどいまごろでした。これまで2度のライブにおじゃまし、生演奏を聴くのは今日が3回目です。ギターの渡辺具義さんとピアノの古垣未来さんとのトリオ演奏も、いつもながら息がぴったりで、アンコールを含めて計17曲。二胡の音色はもちろん、歌声もごく自然に心地よく身体に染み入り、森や風、空、宇宙といった日常とは違う世界に誘(いざな)ってくれます。今年6月にリリースされた6番目のアルバム『BRAVE era of the planet』〔写真下〕は執筆中のBGMとして私の書斎に欠かせないものになりました。

170928-2

彼女とは先々週、編集長と3人で銀座で久々に飲みました。いろいろ話しながら気づいたのは「しゃべる内容も口調もトーンも、まるで音楽といっしょだな」ということ。そんな癒しの“野沢香苗ワールド”に、これからもときどき触れていきたいと思います。

S.Akimoto at 23:10|Permalinkclip!オフタイム 

2017年09月20日

青春のバイブル

 
あ〜あ、本当に終わっちゃうんだ! 私が高校生のときに出会って以来、ずっとずっと愛読してきた『ビッグコミックオリジナル』連載の「浮浪(はぐれ)雲」。幕末の東海道・品川宿を舞台にジョージ秋山氏が描く主人公の遊び人「雲」のなんとも優雅な生き方は、私たちの憧れでした。毎回、最新号が発売されると、仲のよかった友人たちと回し読みして「こんなふうに生きられたら最高だよな」などと語り合ったことをいまも思い出します。

170920

この作品は過去に2度、渡哲也さんとビートたけしさんの主演でテレビドラマ化もされました。ですが、私はドラマは観ていません。1980年代の終わりに姉妹紙である『ビッグコミックスピリッツ』の編集長だった白井勝也さんにお会いしたとき、私は「人気マンガのテレビドラマ化ってどうなのですかね?」と聞いたことがあります。白井さんは笑みを浮かべて言いました。「秋本さんみたいに頭の中で主人公の生の声を聞いてしまっている人には、どんなに優れた配役にしても受け入れられないでしょうね」と。

1973年12月の連載開始から約44年。単行本もすでに100巻を超えています。私も途中までは全巻揃えていたのですが、学生時代の親友が東京・本郷(東大赤門の向かい)に中華料理店をオープンした際に寄贈してしまいました。「学生のお客さんが多いので、店内に書棚を設置してマンガを並べたい」と聞いたからです。何年かのちに「“浮浪雲”はボロボロになるまで東大の学生たちに読み継がれた」と報告を受け、とても嬉しくなりました。

写真は、最終話が掲載されている『ビッグコミックオリジナル』の本日(9月20日)発売号です。朝一番で買いましたが、この時間になってもまだ読んでいません。これでお別れだと思うと、しばらくはページを開けないまま時間が経過していく気がしています。

S.Akimoto at 18:36|Permalinkclip!オフタイム 

2017年09月11日

北極圏での一夜

 
この1週間、私は海外取材のため不在でしたが、先週の水曜日から木曜日にかけて大規模な「太陽フレア」が起きたことを日本でも新聞やテレビで報じていたと聞きました。太陽フレアとは太陽の表面で発生する大規模な爆発現象で、小規模なものは毎日のように生じますが、今回の太陽フレアは通常の約1000倍。エネルギーとともに表面のガスが宇宙空間に放出され、オーロラなどの現象につながると言われています。

170911

この太陽フレアが起きたとき、私は北欧フィンランドの北極圏に位置するラップランド地方で取材を続けていました。もちろんオーロラ観測も取材の大きなテーマです。大規模な太陽フレアが起きたことは、現地でも話題になっていました。

ご覧の写真は、地元の人たちや欧州各国から来ていた写真家たちとのワンショットです。気温が刻々と摂氏0度に近づいていく極寒のなか、カメラ機材をセットし、キャンプファイヤーで暖を取りながらオーロラを待ちました。その前日もクルマで30分ほど行った高台にある暗い湖のほとりで午前2時まで粘ったのですが、残念ながら撮影は不発に! その翌朝に「大規模な太陽フレアが発生」というニュースが流れ、この日の夜は私も含めて誰もが大きな期待を胸に抱いていたようです。

さて、オーロラは観測されたのか? それについては、近くいくつかのメディアで発表しますので、楽しみにお待ちください。──というと、もうおわかりですよね。はい、感動的なシーンに遭遇しました。この場で写真をお見せできないのが、本当に残念です。

S.Akimoto at 15:31|Permalinkclip!

2017年09月05日

ヘルシンキへ

 
いま、ヘルシンキへ向かう機内です。フライトはフィンエアーのAY072便。定刻の9時50分に成田を出発しました。フィンエアーは2017年6月5日より、この路線にエアバスの最新鋭機A350XWBを導入。従来のA330によるデイリー運航に加えて、夏期スケジュールが終わる10月末までの週4便の増便分がA350での運航になり、ヨーロッパへのフライトがまた一段と快適さを増しています。

170905-3

フィンエアーのA350のシート配置は、ビジネス46席、エコノミーコンフォート43席、エコノミー208席の計298席。ビジネスクラスシートは前方キャビンに“1-2-1”でレイアウトしました。A330のスタッガード配列とは異なる、新開発のゾディアック社製シートも、なかなか快適です〔写真上〕。

エコノミークラスは“3-3-3”の配列ですが、両端席のひじ掛けからひじ掛けまでの幅はこのクラス最大。「XWB(エキストラ・ワイド・ボディ)」の機種名にあるゆったりした空間サイズがA350の特徴で、頭上の手荷物棚なども大型化しています。キャスター付きのキャリーバッグが窓側の棚には5つ、中央の棚でも3つと中型バッグ2つを縦に収納できるようになり、全クラスの乗客が大きめの手荷物を持ち込んでも自席に近くに置けるようになりました。

170905-2

食前酒を飲みながら、シートに備えつけのパーソナルモニターに、いつものように飛行ルートマップを表示させます。東北の上空を真っすぐに北上し、そろそろ左旋回して西側(新潟方面)に針路を切り替えるのかなと思って見ていましたが、そうではありません。AY072便はその後も北上を続け、青森県の津軽上空を飛行し北海道に入りました。珍しいルートです。なぜ今日に限ってこんな北寄りのルートを? そのことについては、改めて雑誌の連載コラムで書きたいと思います。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

Logo_MakotoStyle_Tittle.jpg
Contact
仕事依頼などの相談・問い合わせはお気軽にどうぞ。当Blogへのご意見・ご感想もお待ちしています。下のフォームをクリックして画面を呼び出し、ご記入のうえ、送信してください。後ほど連絡させていただきます。

Form
Books














About Link
Blog『雲の上の書斎から』はリンクフリーです。必要に応じて以下のお好きなバナーをご使用ください。リンクされた場合は上記 Contact Formよりご一報いただけますと嬉しいです。