2008年07月24日

飛び回るのに最適な街

 
何年か前に上海の取材でいっしょになったマレーシア人ジャーナリスト、アハマド・アズリさんから珍しく暑中見舞いのハガキが届きました。下の画像がそれですが、この写真は旧クアラルンプール中央駅でしょうか。現在は新しい中央駅が完成し、旧駅には一部の列車が停車するのみだったと記憶していますが、古い建物には風情がありますね。

常夏のマレーシアには、もちろん「暑中見舞い」なんていう習慣はありません。私の勝手な解釈です(笑)。でもeメール全盛のこの時代に、ハガキというのはいい。アズリさんの英語の文面はちょっとわかりずらいのですが、要約すると「首都クアラルンプールをベースに、相変わらず忙しく飛び回っている」と近況を伝えてくれています。

飛び回っている──という報告を読んで、本当にそうなんだろうなと考えました。上海で知り合ったとき、彼はホテルのバーで私にこんな話をしてくれたのを思い出します。

赤道に近いクアラルンプールでは、地球が自転している遠心力によって、計算では人の体重が平均200グラムほど軽くなるらしい。仮に自分の体重を正確に計算し、その体重と完全に等しい浮力を持つ気球を用意して乗ったとします。計算上は体重と気球の浮力がつり合うはずなのに、クアラルンプールでは静止しない。地球の遠心力で、徐々に浮き上がってしまうそうです。アズリさんは「だから忙しく飛び回るには、クアラルンプールはもってこいの街なんだ」と真顔で言っていました。

ユニークな奴だったなあ、と思い出しながら、こうして元気そうな便りをもらうとまた会いに行きたくなりますね。クアラルンプール国際空港をハブ拠点に世界100都市以上に翼を広げているのが、マレーシア航空です。ここしばらくご無沙汰なので、取材を兼ねて久々に飛んでみようかな。



2008年07月21日

北緯43度の考察

 
海外へ出ると、私はとにかくよく歩きます。街のあちこちを、汗をいっぱいかきながら。そして汗をかくと、当然のようにビールを飲む機会も増えます。カフェを見つけてはひと休み。洒落た感じのバーの前を通りかかると、中を覗いてみずにはいられません(写真はフィジー・キャスタウェイ島のカフェで)。

どこの国でも自分の国のビールが最上だと思っている人が多いようで、前にアメリカ・ウィスコンシン州のミルウォーキーを訪ねたときもバーで知り合ったアメリカ人が言っていました──「ビールは断然、ミルウォーキー産だよ」。

勧められて、私も注文してみました。製造したての地ビールはたしかにおいしいし、2本目を飲む頃には味にも慣れてきます。でも感想として私が彼に伝えたのは「同じ地元産というなら、北海道の札幌ビール園で飲んだやつのほうがはるかにうまかったな」ということ。じつは反論を期待していたのですが、彼はあっさりそれを認めてしまったのです。

「サッポロビールは、たしかにイケるよ、うん。ミュンヘンのビールも同じくらいいいね」と、彼は真顔で言います。「つまりね、うまいビールというのは、昔から地球上の同じ緯度で出来るって決まってるんだ」

彼のその言葉で、思い出しました。サッポロビールがかつて、ビール造りの盛んな北緯43度線付近の都市として「ミュンヘン・札幌・ミルウォーキー」というキャッチコピーを自社CMに使用していたことを。やられたな、と思って彼を振り返ると、彼は「ワン・モア?」とビール瓶を持ち上げてニヤリと笑いました。

と、こんな話を書いていたら、そろそろビールが飲みたくなってきました(笑)。3連休の最後の日。今日は朝から書き物を続けていますが、夕方だし、いいかな──と。キッチンへ行って、1本開けちゃおっかな。



2008年07月18日

アリタリア航空を語る

 
スカパーの「旅チャンネル」(277ch)でこの8月、新番組『世界のエアラインガイド』がスタートします。日本に就航している航空会社が、毎週1社ずつ登場。航空機や就航先などの映像に乗務員らのインタビューを交えながら、エアライン各社の歴史や特徴を私がコメンテーターとして解説します。

木曜日の23時から15分枠の番組で、8月7日より放映開始。第1回目に紹介するのはアリタリア航空〔写真〕で、その収録を今週、都内のスタジオで行いました。

欧州系エアラインの多くは“ネットワークキャリア”をめざし、それぞれのハブ空港からの乗り継ぎの利便性を追求してきました。その結果、たとえばフランクフルトを経由して東欧へ、パリを経由して南欧へ──といった使い方をする人たちが日本からの利用者の6〜7割に達します。それに対してアリタリア航空の日本人利用者は、じつに8割がイタリア1カ国だけを目的とする人たち。そこが他の大手キャリアと決定的に違います。

ファッションやグルメの国を満喫するための旅なのだから、日本の空港ゲートをくぐった瞬間からイタリアに浸りたい──そんな人たちに支持されてきたエアラインであるという切り口で、番組の第1回目は解説しました。実際、アリタリア航空の客室乗務員たちはビビッドなグリーンの洒落た制服に身をつつみ、エコノミークラスでも本格的イタリアンの機内食やワインでもてなしてくれる。イタリアの有名ブランド品を揃えた機内販売も人気ですし、私は食後に出される本場のエスプレッソコーヒーをいつも楽しみにしています。

詳しくは8月7日夜11時からのオン・エアでご覧くださいね。8月は2回目以降、タイ国際航空チャイナエアラインエアカナダを予定。まずは半年間の枠で26社ほどを紹介しますが、番組制作スタッフたちは「最終的には日本に就航している60社近いエアラインすべてを取り上げたいと」と力が入っていますので、ぜひお楽しみに!



2008年07月15日

国際線LCCが東京へ

 
昨年3月に関西/シドニー線(ブリスベン経由)を就航して日本への初上陸を果たしたオーストラリアのLCC、ジェットスターが、今年12月から成田/ケアンズ線(週7便)と成田/ゴールドコースト線(週5便)を就航すると発表しました。

これは同エアラインが所属するカンタス航空グループの路線再編にともなうものです。燃油費高騰のあおりを受け、親会社のカンタス航空が日本とオーストラリアを結ぶ路線を縮小。そのあとを受け継ぐ形で、ジェットスターが成田線を担当します。格安運賃によるサービスの提供で、日本人旅行者にとってオーストラリアへの旅がより身近になるといいですね。

昨年3月に関西線を就航して間もなく、私も同エアラインの取材を兼ねてゴールドコーストを旅しました。帰りのシドニー経由便に乗務していた日本人CAの一人が、「私たちのサービスをいつか東京の人たちにも体験していただけるようになると嬉しいのですが」と話していたのを思い出します。彼女は千葉県出身で、成田線に乗務したいという念願がこれで叶うことになりますね。

就航予定日は2008年12月18日。それを記念して昨日と今日、成田/ケアンズと成田/ゴールドコーストの往復チケットを2万円で売り出したところ、申し込みが殺到した模様です。関西ではもうすっかりお馴染みになったオレンジ色と黒の個性的なユニフォームのCAたちが、今年の暮れからは成田空港のターミナルでも見られるようになりますね。



2008年07月13日

これ、欲し〜い!

 
エアライン業界をとりまく複雑な環境や、多くの旅行者が懸念する燃油サーチャージの今後など、さまざまなテーマで取材を受ける機会が最近とくに増えました。運営するAll About『世界のエアライン』の記事テーマとして今回、新しく「業界研究シリーズ」を立ち上げたのも、読者のみなさんの幅広い関心に答えていこうという試みです。

その新シリーズの第一弾として、まずは大手エアライン各社が推進する“プレミアム戦略”の背景について解説しました。取り上げた事例はJALANA、そしてドイツのルフトハンザ。ルフトハンザについては、フランクフルト空港に2004年12月に開設したファーストクラス専用ターミナル&ラウンジや、“ネットワークキャリア”としての同社の象徴ともいえるプライベートジェット・サービスなどに言及しています。その記事を書いていたとき、ちょうど同社広報から1枚の画像が届きました。

下の写真がそれです。これ、何だと思います? 小さくてわかりずらいかも知れませんが、スーツケースではありません。じつはルフトハンザのファーストクラスで提供される新しいアメニティキットなのです。

濃い色のほうが男性用で、薄い色は女性用。フランクフルト本社から届いたのは写真だけで、実際の中身についてはまだ日本支社でも把握できていないようですが、なんかいいですよね。ルフトハンザが進めるプレミアム戦略は決して中途半端ではなく、いつも徹底しています。

サンプルが届いたら中身のことも知らせていただけると思うので、そのときはみなさんにも改めて報告しますね。けど、いいなあ、これ。欲し〜い!



2008年07月11日

彼らの夏・最終章

 
スタジアムに到着すると、先発メンバーの発表アナウンスが始まったところでした。スコアボード横の電光掲示板に「3番・レフト、秋本」の文字が表示されます。今日は下の息子が所属する高校野球チームの、夏季甲子園大会に向けた地方予選の初戦。小学校3年から野球を続けてきた息子も、いよいよ高校最後の夏を迎え、彼にとっては集大成となる大会です。

相手は以前の練習試合でも勝ったチームで、息子のチームメートたちも「初戦はまず大丈夫」と自信を持っているようです。1年生の秋からほとんど同じメンバーで試合を戦ってきた彼らは、ここにきてずいぶん力をつけてきたように私も感じていました。今年春の大会では、ベスト8まで進んだ強豪と延長戦の末に惜敗。その後は、甲子園への出場経験もある名門校との練習試合にも勝っています。

ところが今日の試合は、最初から一時も目の離せない接戦。2回にエラーとヒットで1点を相手に献上しただけで、その後は両チームともまったく点が入りません。息子のチームはヒット性の当たりが野手の正面をついてダブルプレーになるなど、再三のチャンスも得点にはつながらず、1対0のままついに最終回を迎えました。

ツーアウト・走者二塁──1打同点の場面です。今日は地元スタジアムでの試合とあって、全校生徒がスタンドに応援にきています。誰もが手に汗を握る中、相手ピッチャーが投げ、その球をとらえた金属音が球場に響きました。スタンドから大歓声がわき起こり、選手たちはこぶしを振り上げてベンチから飛び出します。が、次の瞬間私たちが見たのは、その打球がレフトの選手のグラブに吸い込まれていく光景でした。

歓声はどよめきに変わり、われわれの側のスタンドは水を打ったように静まり返ります。「信じられない」という表情で、ある選手は呆然とスコアボードを見上げ、ある選手はグランドにひざまずき、ある選手は魂が抜けたようにただその場にたたずんでいます。

試合終了後、スタンドの応援団に挨拶するため、ベンチの前に一列に整列した選手たち。最後の声を振り絞るようにして発した「ありがとうございました!」の言葉が、生徒や父母たちに届きます。スタンドの中段にいた私を一瞬、息子の目がとらえました。他の選手たちと同様、涙ぐんでいます。でも私と目が合った瞬間、彼はかすかに微笑み、何かを呟いたように見えました。

あれは、何と言ったのだろうか。「悔いはないよ」とでも言ったのか? よくわかりません。あとで聞いても、きっと「何でもない」と言って、教えないだろうな。だから私も余計なことは言わず、帰ったらひと言「ご苦労さん」とだけ声をかけ、小・中・高と野球に打ち込んできた彼の10年間を静かにねぎらおうと思っています。



S.Akimoto at 14:43|PermalinkComments(2)clip!オフタイム 

2008年07月09日

冗談では済まない!

 
悪気はなかった──では、済まされません。大勢の人に迷惑がかかるのですから。昨日(8日)の午後、新千歳空港で離陸準備に入っていたエア・ドゥ(北海道国際航空)の羽田行き20便が、機内で男性客の一人が客室乗務員に「ダイナマイトを持っている」などと話し、離陸を取りやめる騒ぎがありました〔写真はイメージ〕。

同便はその乗客を降ろして爆発物の点検を行い、出発が結局3時間遅れたそうです。調べに対し男性客は「冗談で言った」と供述しているようですが、フライト時のこうした冗談はまったく冗談にならないことを、私たち利用者は理解しておく必要があると思います。1%でも冗談ではない可能性があれば、飛行機は飛ばせない。多くの乗客の命を守るための、それが鉄則なのです。

怪しい人間や危険物は機内に絶対に持ち込ませない。そのために、どのエアラインの乗務員たちも常に神経をピリピリさせています。2001年に起きた“9.11”の悲惨な出来事を、再び繰り返させてはいけませんから。

何年か前の夏には、米国シカゴのオヘア空港を飛び立とうとしていたユナイテッド航空機が直前に離陸を中止する事件がありました。乗客の一人が機内で「自爆テロ」を予告するメモを発見し、乗務員に通報したからです。しかもその犯人は、なんと60代の日本人男性! 空港警察はその日本人男性を拘束し、乗客約120人も機外へ出して徹底した捜索を行いました。

結論からいうと、その日本人男性は商用で搭乗していただけ。たまたま新聞記事の中にあった知らない単語の意味を調べようと紙に英語で「Suicide bomb(自爆)」とメモを取ったところ、騒ぎに発展してしまったそうです。

しかし、勘違いして通報した乗客も、その勘違いを鵜呑みにして離陸をとりやめたクルーたちも、決して責められるべきではありません。何かあってからでは、もう遅いのです。ましてや安全を守ろうと日々必死で努力している人たちを冗談で翻弄するようなことは、今後は絶対にやめてほしいですね。



2008年07月07日

古書の街を散策

 
今年秋に刊行予定の航空技術関連書を監修する仕事を受けることになり、学生時代から使用してきた流体力学と空気力学に関する古い解説書が急きょ必要になっています。それで先週末からずっと探しているのですが、どこにも見当たりません。書棚にも、引き出しにも、倉庫にも!

引っ越しなどが重なって、破棄してしまったのでしょうか? なにせ、もうボロボロだったですからね。で、今日は代々木にある某出版社での打ち合せを終えた午後、神田神保町に足を伸ばして古本屋街を暗くなるまで何時間も歩き回りました〔写真〕。

何軒かで必要な古書を購入したあと、新刊本も買う必要があったので、その足で近くの大型書店へ。自動ドアを抜け、書棚と書棚の間に立ったとき、なぜかめまいがしてちょっと息苦しくなった気がしました。蒸し暑い外を歩き疲れたせいだけでなく、どうも新刊本を覆っているカバーの派手な色づかいに、精神的な拒絶反応を起こしたみたいなのです。

書籍カバーのカラフルな色など、最近はどこでも見慣れているはずなのに……。珍しく古本屋街で数時間を過ごした後だったからでしょうか。古本屋に並ぶ地味な装丁の書籍は、どこか気品のようなものがありますからね。それに比べ、新刊本の棚はまるで原色のペンキをぶちまけたよう。どんなに派手に着飾っても、本当に大事なのは中味の面白さなのですが。

「面白い」という言葉の語源は、面──つまり正面が白くなることだと、前に何かで読んだことがありました。手もとの『大辞林』にも「景色などが明るく広々としたところへ出て、目の前がパッと開ける感じ」とあります。白ではもう目立たないので、原色を総動員して読者にアピールしようというのが最近の風潮なのでしょう。めまいもするわけです。

──と、ここまで書いて、自分自身のことに思い当たりました。私の新刊『いますぐ飛行機に乗りたくなる本』も、カバーは鮮やかなスカイブルー。出版社からは「発売後の出足はなかなか好調です」と報告を受けているのでホッとしていますが、このカバー、購入されていく人たちの目にはどんなふうに映っているのでしょうね。



S.Akimoto at 23:37|PermalinkComments(0)clip!マイ・オピニオン 

2008年07月04日

宇宙と地球と人類と

 
書き物に疲れると、書斎の照明を落としてジャズを聴いているか、たまに仕事とはまったく関係のない本を読んで過ごします。音楽のときも読書のときも、デスクの片隅にはたいていワイングラスなどを置いて。

で、今日は遅めの夕食をとったあと、珍しく哲学書なんぞに没頭しています。そこに出てくる宇宙の話が、すごく面白い〔写真は数年前にハワイで撮った夜空〕。

いまから200億年前に、いわゆる「ビッグ・バン」が起きたことはよく知られています。そしてその宇宙に地球が誕生したのが、46億年前。この200億年前とか46億年前というのを、私はこれまで数字の上だけで理解していました。ところがその本は、200億年という宇宙の年齢を1年に縮めて解説しているんです。

ビッグ・バンの日を、1月1日の元旦に例えます。すると、46年前の地球の誕生日は、だいたい10月の8日ごろ。12月19日になって地球に最初の魚類が出現します。そして植物が地上で生育を始めたのが12月20日で、動物が陸に上がったのが翌日の12月21日。最初の爬虫類はクリスマス前の12月23日ごろに現われ、それら初期の爬虫類は年が押し詰まった12月30日に絶滅してしまった。哺乳類が地球上に繁栄したのは、そのあとのことなんですね。

では、われわれ人類の祖先が現れたのは、いつ? 答えは12月31日の大晦日の夜。恒例の紅白歌合戦もいよいよ佳境にさしかかった10時半ごろになって、ようやく地球の歴史に人類が登場するのです。えー、ついさっきじゃん──て感じです。

え、だから何って? 何でもありません。ただの例え話です。でも私の中では、私が呟いた声がずっとこだまして止みません──「おいおい、北京原人も聖徳太子もライト兄弟も、ほんのちょっと前までいたんじゃん!」って。



S.Akimoto at 23:02|PermalinkComments(1)clip!オフタイム 

2008年07月01日

“現場”が仕事の基本

 
少し古い話ですが、いまから5年ほど前に、織田裕二さん主演の映画『踊る大捜査線2/レインボーブリッジを封鎖せよ!』が大ヒットしました。あの作品で思い出すのが、織田さん演じる主人公・青島刑事の「事件は会議室で起きているわけじゃない。事件は現場で起きているんだ!」という名セリフです。仕事の基本を“現場”に据えようという考え方は、警察に限らず、ビジネスの世界でも同じかも知れません。

先ほど、BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)に関するユニークなニュースが入ってきました。今日の成田発ロンドン行きBA006便のフライトに、同エアラインの機内食を担当するシェフが招待された──というニュースです。

BAはこの7月から、全クラスの機内食を刷新しました。今日が、その初日です。新メニューの提供の手順や乗客たちの様子を自ら視察するためにサービスの現場(機内)に姿を見せたのは、中島信夫さん〔写真〕。成田空港内のケータリング会社・コスモ企業で26年の経験を持つベテランシェフです。

ケータリング会社のシェフが視察目的に搭乗するというのは、きわめて稀なケースですね。しかしBAの日本・韓国地区支社長、ジュリアン・ロジャースさんは「プロフェッショナルなサービスを提供するためには、シェフ自らが飛行機に乗ってお客さまや乗務員の様子を確認することはごく当たり前の活動ですよ」と話します。

機内食をいつもベストの状態で提供するためには、地上で綿密な計算のもとに作成される調理マニュアルがきちんと守られているかどうかが非常に重要になります。実際のフライトでの機内食の加熱の仕方から盛りつけ方、さらにはキャビンアテンダントの動き方までを担当シェフが把握することで、サービスのいっそうの向上につなげたい──BAには、そんな“現場重視”の姿勢があるようですね。



2008年06月29日

雨の日曜日のカフェ

 
日曜日の今日、都心部は朝から雨。月末は原稿の締め切りが重なってどこにも出かけられないし、もともと“雨おとこ”の私は雨がまったく苦にならないものの、こんな日に書斎に籠っているとさすがに気が滅入ってくる。で、遅い朝食をとったあと、PCと資料一式を持ってオフィス近くのカフェに来ました。

店内に流れるジャズを聴きながら執筆を進めていると、仕事もはかどります〔写真〕。ここで原稿を書き始めて、すでに3時間が経過しました。疲れたらコーヒーをお代わりして、窓の外を行き交う人々をぼーっと眺めてひと休み。当然、誰もが傘を差していますが、よく観察してみると傘の扱い方も人それぞれですね。

すれ違いざまに平気で他人の服を濡らしていく人もいれば、雨の雫をかけないようさりげない気づかいをしている人も。すれ違う際に相手とは反対側に少しだけ傘を傾けてやる仕草は「傘かしげ」といって、江戸時代に習慣も気風も違う人々が互いに気持ちよく暮らすためのルールとして生まれ、伝承されてきた生活の知恵なのだそうです。以前のこのBlogでも紹介した和文化研究家の三浦康子さんの著書『粋なおとなの花鳥風月』に、そんな話が書いてありました。傘のちょっとした扱いにも、その人の品格が表れるんですね。

雨と言えば、日本の歌謡曲にはやたらと「雨」という言葉が出てきます。恋の歌は、なぜ雨と結びつくのか? これは一説では、田植えと関係があるそうですね。田植えは長雨の季節に行われます。そしてその時期は、山から下りてくる田んぼの神様に遠慮して、男女は恋愛関係を中断する習わしがあったのだとか。つまり長雨の季節は、恋人同士が別れ別れになって切ない日々を過ごすことを強いられた。そんな記憶が民族の心に残り、雨というと、人々は恋愛感情を刺激されるのだそうです。ふ〜ん、なるほど。

アスファルトを叩く雨を眺めながら一人、そんなことを考えていたら、私もちょっぴり人恋しくなりました。いけないいけない、仕事に集中しないと──。



S.Akimoto at 14:20|PermalinkComments(0)clip!オフタイム 

2008年06月26日

モンマルトル再訪計画

 
パリへ行ってこようかな、と考えています。できれば秋くらいに。この何年かパリはご無沙汰ですし、モンマルトルに住む知人を久しぶりに訪ねてみたいとも思うので〔写真は市街から遠望できる丘の上のサクレ・クール寺院〕。

ヨーロッパの各都市へ向かう便の中でも、パリ線は比較的チケットがとりやすくていいですね。もちろん人気路線なのですが、成田/パリ線はエールフランス航空が現在、自社運航便だけで1日3便体制(成田発は水曜日のみ、パリ発は火曜日のみ1日2便)で飛ばしています。そのうち「スターウィング」の愛称をもつ夜21時55分発のAF277便は、成田発のヨーロッパ行きの中では唯一の夜行便。もしあまり時間がとれないようなら、早朝にパリに到着して初日から1日をフルに活用できるこのスターウィングを利用する手もアリかな。

エールフランス航空のパリ行き深夜便は出張の多い日本人ビジネスマンにも人気が高く、これについては、先週発売になった新著『いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)にも書きました。早くもたくさんの読者のみなさんから反響も届いています。

ところで、この本についてエールフランス航空の広報PR担当の方からもコンタクトがありました。私は著書の中で「成田/パリ線はダブルデイリー(1日2便)体制」と記したのですが、現在は便数が増え、前述したとおり自社運航便だけで一部例外を除き1日3便体制に。そのことを広報PRの方が知らせてくれたのです。私のうっかりミスですが、いずれにしても、多くの旅行者が憧れるパリヘのアクセスがますます便利になったわけですね。

毎年秋口はいくつかの海外取材が重なるのですが、なんとかその合間を縫って、あの坂の多い情緒いっぱいのモンマルトルの街をゆっくり歩いてこられたらいいなと思っています。



2008年06月23日

夢につながる3つの道

 
離陸。それはコクピットクルーたちが最も緊張する瞬間だといいます。自分もいつかはエアラインパイロットとして、同じ緊張を味わってみたい。そんな夢を一度は抱いたという人が、少なくないようですね。

エアラインパイロットになるには二つの道があります。一つは航空大学校を卒業し、パイロットとして航空会社に入る方法。もう一つはJALANAが大卒社員を採用し独自にパイロットを養成するシステム──いわゆる“自社養成パイロット”の要員募集に応募する方法です。競争率でみるといずれも超難関で、夢をつかむのは簡単なことではありません。が、最近は上記二つの方法以外にも新たな道が開かれました。自力で操縦士免許(事業用・計器飛行証明)を取得し、航空会社にパイロット要員として採用されるケースです。

ところで今日の昼間、ニッポン放送の構成作家の方から「エアラインパイロットになるには?」というテーマでインタビューを受けました。多くのベテラン機長が定年退職を迎え始めている中、今後パイロットを夢見る若い人たちにもチャンスは広がるのか? 航空大卒と自社養成コース以外の道で実際にパイロットになれる確率はどのくらいあるのか? 海外でエアラインパイロットをめざすことは可能か?

それらの質問に一つひとつ答えていたら、急きょ明日(24日)の放送に生出演して直接話してくれないか──ということになりました。ウイークデーの15時30分〜17時30分にオンエアされている同放送の『特ダネラジオ』という番組の中で、16時ごろから「エアラインパイロットになる方法」という10分間程度のコーナーを構成するそうです。そこに電話で生出演しますので、興味のある人はラジオのチューナーを1242kHzに合わせてみてくださいね。



2008年06月20日

空の旅のエッセイ集

 
新著『いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(発行:NNA、発売:キョーハンブックス)が、全国の書店に並び始めました。「空港と機内サービスとキャビンアテンダントと世界のエアラインの話」という長〜い副題にあるとおり、“空の旅とエアライン”をテーマにしたエッセイ集です。

このブログ『雲の上の書斎から』や運営するAll About『世界のエアライン』などの読者の声に応える形で、これまで各メディア等で発表してきた文章を大幅加筆し、新たに書き下ろしたものを加えて1冊に編みました。

すでにエアライン関係者の方々からは「とても読みやすく、飛行機好きのみならず多くの人が広く楽しめる本ですね」といった嬉しい声も届いています。東京駅近くの八重洲ブックセンターでは、地下1階の地図・旅行関連書の売り場に専用のコーナーを設け、大々的にキャンペーンを展開してくれているそうですよ〔写真〕。今年9月には同書店の8階ギャラリーで著書に関する講演会の開催も予定され、その準備もスタートしました。

出版元であるNNAの編集スタッフたちも「日経各紙やサンデー毎日などの媒体に今後、積極的に広告を打っていきたい」と、PRに一丸となって頑張ってくれています。とにかくこの1冊には、私がこれまでつづってきたエッセイの中で、面白いテーマや反響の大きかった話だけを集めました。本書がたくさんの読者の元に届くことを、心から願っています。



2008年06月18日

巨匠ゲーテの生家

 
帰国の日は、朝5時にさわやかに目覚め、午前10時近くまでホテルの部屋で執筆に集中。帰りのフライト(13時55分発の成田行きルフトハンザ710便)までまだ少し余裕があったので、Sバーンに乗ってもう一度市街に向かいました。

まず訪ねたのは、レーマー地区にあるゲーテハウスとゲーテ博物館です。今回の訪独は幻冬舎の雑誌『GOETHE(ゲーテ)』の取材を兼ねていたこともあり、せっかくのチャンスだからゲーテゆかりの場所を訪ねてみようかな──と。

グローサー・ヒルシュグラーベン通り沿いのここは、もともとのゲーテの生家があった場所です。17世紀のオリジナルの建物は第二次大戦中の空爆で破壊されてしまったものの、戦後になって残っていた図面を元に再建されました。3階にある書斎も、当時のまま忠実に再現されています。学生時代に読んだ『ファウスト』や『若きウエルテルの悩み』など巨匠ゲーテの作品の数々が、この書斎で執筆されたのですね。毎年ここを世界中から10万人のゲーテファンが訪れるそうで、書斎のほか台所や居間など、公開されている各部屋からは見学者たちのさまざまな言語でのおしゃべりが聞こえてきました。

ゲーテハウスを出たあとは、レーマー広場のカフェでひと休み〔写真〕。この日は天気もよく、ちょっと歩いただけでも汗ばむ陽気でした。ドイツビールを飲みながら、ついついまったりしてしまい、すでに12時を回っていたことにも気づかなかったようです。でも運良く、広場の外れの通りに1台のタクシーが止まっているのを発見! 慌てて飛び乗り、空港へ急ぎました。




2008年06月17日

プライベートジェット

 
フランクフルト空港に完成したA380専用の巨大なハンガーを見学させてもらいました。そしてルフトハンザのマイヤーフーバーCEOをはじめ副社長クラスの幹部数名にもここでインタビュー。営業担当筆頭副社長のティエリー・アンティノリ氏とは、2年前にベルリンで会って以来の再会です。

アンティノリ氏とのやりとりの中でテーマになったのが、ルフトハンザの独自性の象徴であるプライベートジェット・サービスの現状と今後について、でした。出発の24時間前までに予約すると、希望する空港に小型機が待機。ヨーロッパとロシア連邦内の1,000以上の都市へ、待ち時間なしでダイレクトに飛ぶことがでるというサービスです。

「2007年のプライベートジェット運航数は対前年比で26%増加しました」とアンティノリ氏は言います。「顧客需要でみても年間平均で25%、ピーク月には60%も前年の供給量を超えたんですよ」

その成功を受けて今後、同様なプレミアムサービスをヨーロッパ域内に限らず、他のエリアにも拡大する計画は? そう私が聞くと、彼は「いい質問ですねえ」と口もとをややゆがめて言いました。

「ぜひそうしたいと思っています。ルフトハンザはプライベートジェットサービスで成功した世界で唯一の航空会社ですし、私たちの先進性をPRするまたとないチャンスですからね。もちろん、ヨーロッパで成功したからといって、無闇に事業エリアを拡大するというわけにはいきません。実際にどれだけの潜在需要があるのか、まずはインドと中国で市場調査を開始しました」

新しいA380用ハンガーには、今年3月に納入された自社保有プライベートジェットの第1号機──セスナサイテーションCJ3が展示されていました〔写真〕。ルフトハンザのこの小型機が近い将来、アジアの空でも舞い始めることになるのか? 楽しみですね。



2008年06月16日

アッフェルワイン酒場

 
関西発のルフトハンザ741便は定刻どおり昨日15時25分にフランクフルトに到着しました。その後、空港に隣接するシェラトンホテルにチェックイン。PCをネットにつないでeメールのチェックを済ませ、熱めのシャワーでリフレッシュして、さっそく市街に繰り出しました。

フランクフルトは空港と市街が近接していて、アクセスがとても便利です。空港ターミナルの地下エリアにあるSバーン(都市近郊電車)に乗れば、市の中心部まで15分もかかりません。中世の面影がただようレーマー広場の木組みの建物や大聖堂などを手短にカメラに収めたあと、約束の場所である中央駅に向かいます。

待ち合わせの相手──奥村里菜子さんは、フランクフルトに暮らすルフトハンザの日本人客室乗務員。彼女とは約1年半ぶりの再会です。「さて、どこへ行こうか」と二人であれこれ考えた結果、市内を流れるマイン川をはさんで中央駅から1キロほど離れたザクセンハウゼンへ。ここは120軒以上の伝統的なアッフェルワイン(りんご酒)酒場が軒を連ねる歴史的旧市街地域です。

フランクフルト名物であるアッフェルワインは、最初は「何だ、これ?」という印象ですが、軽いノド越しと独特の甘酸っぱさが飲むほどにクセになります。こってりしたドイツ料理には相性もぴったりですね。いまの時期のフランクフルトは1年のうちで最も日が長く、夜9時過ぎまで暗くなりません。古い石畳の路地をしばらく歩いたあと、以前いっしょに入った「STRUWWEL PETER(もじゃもじゃ頭のペーター)」という店を再び訪ねてみました〔写真〕。

奥村さんは、私にとっての貴重な情報ソースの一人です。これまでのフライト経験をベースにした彼女の語りは聞いていて楽しく、いつもつい引き込まれてしまいます。お酒が進むとオフレコ話も多くなり、これはそのまま書くと大変なことになりますが(笑)。飲んで、食べて、しゃべって──店の人に「閉店」を告げられて外に出たときは、辺りはもうすっかり暗く、間もなく日付が変わろうとしていました。



2008年06月15日

CEOに直談判

 
成田からフランクフルトへ飛ぶルフトハンザ便の予約がなかなか取れません。同路線のロードファクターは非常に高く、とくにビジネスクラスはいつも満席の状態。席を確保するのにひと苦労です。フランクフルト線はなぜ、これほど需要が旺盛なのでしょうか?

世界地図を広げてみると、東西ヨーロッパの中心に位置するのがドイツです。そこから2時間程度のフライトを想定してコンパスで円を描いてみると、ヨーロッパの主要都市はすべてその円の中に収まってしまう。つまりルフトハンザのハブ拠点であるフランクフルト空港は、ヨーロッパのどの都市に向かうにもとても便利な中継地なんですね。

実際、成田からフランクフルトへ向かう機内で乗客たちに最終目的地を聞いてみると、ドイツ国内で降りるという人は少数派。「正確な数字は把握していませんが、比率で言うと全体の7割近くはフランクフルトを経由して他の国に向かわれるようです」と、空港スタッフの一人は話していました。

だから、なかなかチケットが取れません。私は明日(16日)、ルフトハンザのCEO、ヴォルフガング・マイヤーフーバー氏〔写真〕に雑誌の取材でインタビューする予定があります。なので、どうしても今日(15日)のうちに現地に入らなければならない。で、早朝のANA便で関空に飛び、関西発のLH741便でフランクフルトに向かうことになりました。

でも、やっぱり成田からダイレクトに飛びたかったな。成田線の慢性的な混雑を緩和するには、同エアラインが2009年から受領を予定しているエアバスA380をこの路線に投入してもらうしか、もう方法はないですね。どこよりも先に成田線にA380を就航させてほしい──月曜日にお会いするマイヤーフーバーCEOにそう直談判してこようかな、などといま考えています。



2008年06月13日

エミレーツの巨人機

 
シンガポール航空のA380は現在、東京線のほかロンドン線とシドニー線で飛行を続けています。いずれの路線もきわめて順調のようですね。そしてシンガポール航空の次にA380の受領を予定しているエミレーツ航空でも、いよいよ日程が決まりました。

第1号機はエアバスから7月28日に引き渡される見込みで、8月1日よりドバイ/ニューヨーク線でエミレーツカラーのA380〔写真〕が飛び始めます。エミレーツ航空はA380をこれまでに58機発注していますが、いずれも長距離路線用。ニューヨーク線に投入されたあとは、ロンドン、シドニー、オークランドへの就航が伝えられています。日本には、いつ来るのでしょうかね。

先日、ドバイをベースに勤務する同エアラインの客室乗務員の方から「A380のオペレーティング・クルーとして200人ほどが選抜され、まもなく6週間の訓練に入る」と連絡をいただきました。社内では「うちも来年あたり、A380で成田へ?」なんていう噂も飛び交ってるようですよ。

エミレーツ航空のA380のキャビンレイアウトは、ファーストクラス14席、ビジネスクラス76席、エコノミークラス399席の計489席。あの巨人機がどんな内装でファンの前に登場するのか、いまから本当に楽しみです。



2008年06月10日

JAL新シートを生解説

 
いよいよですね。JALの国際線ファーストクラスとビジネスクラスに、はたしてどんな新シートが誕生するのか? その全貌が今日の午後、明らかになります。

“JAL NEW SKYSLEEPER SOLO”と呼ばれる、従来の全身を包み込むようなデザインのファーストクラス・シートも、利用者の間ではわりと好評でした。しかし同シートがニューヨーク線に初めて導入されたのは、2001年の末。それからじつに7年ぶりの全面リニューアルです。どんな画期的なシートも7年も経ってしまうと、もう勝負になりません。各社とも競うように上級クラスのシートを進化させ、わずか3〜4年で陳腐化してしまうのが、いまのエアライン業界です。

日本に限ったことではなく、欧米でもアジアでも、メガキャリアはこぞってプレミアムな顧客層にターゲットを絞り始めました。その背景にあるのが、「顧客の上位2割が収益の80%を生み出す」というマーケットの構図。全収益の20%しか生み出さない残る8割のエコノミークラス市場で勝負を挑んでも、徹底した低コスト化で利益を生み出せるLCC(ローコストキャリア)にはなかなか勝ち目はありません。となると、サービスがよければ喜んで高い料金を払ってくれる層をターゲットとするのは当然の流れです。

新シート発表会は午後2時30分より、東京ミッドタウンの会場で開催されます。しかしその時間、私はテレビ東京へ。15時35分からの『株式ワイド/クロージング・ベル』という番組に、急きょ生出演することになりました。キャスターの塩田真弓さん〔写真=同番組ホームページより〕をお相手に、発表された新シートの映像をスタジオで見ながら詳細を解説します。上級シートのリニューアル競争を切り口に、航空界の現状をわかりやすくお伝えできれば──と思っています。



2008年06月07日

夏の東京で“冬”体験

 
初々しくていい感じだったよ。思いのほか緊張してたみたいね。スーツの胸のポケットチーフがお洒落だった。そしてもう一つ、私には決定的なダメ出しとなる“なぐさめ”の言葉──素人なんだから仕方ないよ。

昨夜遅くにオフィスに戻ると、友人知人、仕事関係者などさまざまな方からメールが来ていました。みんなが触れているのは、BSジャパンで昨日の夜8時に放映された特別番組『公開! 世界一の旅客機』のこと。そこにナビゲーター&コメンテーターとして出演した私に、さっそく感想や励ましの言葉を届けてくれたのです。

昨日は夕方から別の取材が重なったため、私自身はまだ観ていません。録画したDVDをいまからプレーヤーにセットしようとしているのですが、寄せられた感想から“出来ばえ”が想像できるので、ちょっと躊躇しています(笑)。

さて、昨日夕方の取材というのは、東京・西麻布の「アイスバー東京」で開催されたスカンジナビア政観観光局主催の「北スウェーデン・ウィンターイベント」です。今年4月のノルウェー取材に同行した私のまな弟子、All About『美食の旅(海外)』の古屋江美子さんといっしょに参加してきました。

北スウェーデンのキールナ・ラップランドより来日した担当者のプレゼンテーションのあと、実際にマイナス5度の氷の世界にタイムスリップ〔写真〕。私たちが手にしている氷のグラスの中身は、ウォッカをフレッシュジュースで割ったカクテルです。半年に一度氷の総入れ替えが行われるという異次元のスペースは、東京の夏を忘れさせてくれて本当に気持ちよかった。隣で写っている古屋さんの顔も、とても幸せそうじゃありません? 彼女のこの満面の笑顔には、じつはちょっとしたワケが……。

世界の旅行者が憧れる北欧オーロラ観測ツアー。昨日のイベントの中で行われた抽選会で、その拠点となるスウェーデン「アビスコ・マウンテンステーション」のペア宿泊券を古屋さんがゲットしたんです。「欲しいなあ、でもこういうのは欲がある人には当たらないので、期待するのはナシ」などと言っていた矢先に、自分の名前がよばれて──。旅を何よりも愛する彼女には最高の贈り物だったようで、それからは氷の中でも、そのあと知り合いの記者仲間数名で繰り出した渋谷の街でもずっと「幸せ〜!」を連発していました。





2008年06月04日

43人のニューフェイス

 
今年2月のBlog「CA志望者にチャンス!」で、欧州を代表する“ネットワークキャリア”として世界の空で活躍するルフトハンザが、好調な業績を背景に日本人客室乗務員40名を新たに募集していることをお伝えしました。

同社の日本人募集はほぼ3年ぶりです。その結果、計43名が新規に採用されました。ニューフェイスたちは昨日、あいにくの雨模様のなか、東京都内で開催された初のセミナーに参加。セミナーに立ち合ったルフトハンザ関係者の一人は「新しい社員を迎えるのはやっぱり嬉しいもの。ぐずついた天気の中でも、会場入りするスタッフたちの足取りはみんな軽かったですよ」と話していました。

さて、ニューフェイス43名は今後、6月中旬より2チームに別れて本社のあるドイツ・フランクフルトで11週間の基礎訓練をスタート。8月には実際のフライトでのOJTを経て、今秋からフランクフルトをベースに日本路線に乗務することになります〔写真はフランクフルト本社に隣接するルフトハンザの乗務員訓練センター〕。

ルフトハンザには現在、約1万5,000人の客室乗務員が在籍しています。アジア出身者は約600人で、そのうちの3分の1の約200人が日本人。今回の新規採用で日本人は一気に243人に増えたわけですが、これも2009年以降に予定されているエアバスA380の東京線就航も視野に入れてのことなのでしょうか。ニューフェイスたちのこれからの活躍、楽しみですね。



2008年06月02日

“子連れ旅”の第一人者

 
友人の知り合いという方から先日、こんな質問を受けました。「子供が5歳になるので、そろそろいっしょに海外旅行に連れていきたいと思っています。エアラインの子供向けサービスにはどんな種類がありますか?」

いくつか私の知っている範囲で回答しました。でも調べてみると、いろいろあるもんですね。答えながら、私などが生半可な知識で答えるよりも、こういうときは専門家にアドバイスを求めるのがいいんじゃないかな──とも考えました。

専門家なんて、いるの? そう思うかも知れませんが、いるんですよ──どの世界にも“その道のプロフェッショナル”が。私が「子連れ旅行」とか「ファミリー旅行」というジャンルの専門家として最も信頼している一人が、All Aboutのガイド仲間である『子連れ旅行』の小暮祥子さんです〔下のイラストは彼女のブログのシンボルキャラクター〕。常に一人のママとしての視線から情報を発信し続けている点が、いいですね。

大のヒコーキ好きを自認する彼女は、子連れフライトに関する知識もとても豊富。運営する『子連れ旅行』サイトでも、これまで「コンチネンタル航空日本支社長に聞く子連れフライトの楽しみ方」とか「キャセイパシフィック航空の子供お着替えセット」といった記事を展開してきました。

最近は国内旅行を中心に情報を発信しているようですが、知りたいことがあれば同サイトやブログを通じて質問してみると、海外旅行に関することでもきっといろいろ教えてくれますよ。旅が好きで、子供が好きで、子供と旅行したいお母さんたちを一生けんめい応援してくれる、とても頼りになる旅ライターですから。



2008年05月31日

憧れの航空会社は?

 
ポータルサイト「goo」とAll Aboutとの共同で、昨年末よりgooのユーザーを対象にしたさまざまなジャンルの人気投票企画が始まっています。で、私の『世界のエアライン』でも今年春に「一度は利用したい航空会社ランキング」という調査を仕掛けてみました。

1位になるのは、やはり乗って安心できる日系のエアラインか、はたまた雑誌の人気投票などで必ず上位ランクされるあのエアラインか? 注目していたのですが、先ごろ発表になったその集計結果を見て、意外や意外。ベスト10に入ったのは、アジア系は日系エアライン以外では1社のみで、ほかはすべてヨーロッパ系でした。アメリカ系が1社も上位に顔を出していないのも、不思議です。

へえ、なぜなんだろう? あれこれ分析してみて、質問の設定の仕方に問題があったことに気づきました。いままで乗った中でよかったエアライン、ではなく、一度は利用したいエアライン。つまりアジア系やアメリカ系は、すでに身近な存在なのかも知れませんね。

そう考えてみたら、全体の結果にも納得。1位のエアラインも、もともと洗練された機内サービスには定評がありますが、「一度は利用したい」というその先に、きっと就航地に対する旅先としての憧れがあるのでしょう。あのエアラインに乗って、あの国のあの街に行ってみたい──と。

詳しい結果は、本日All About『世界のエアライン』にアップした記事でどうぞ。

≫≫≫「一度は利用したい航空会社・ベスト10



2008年05月28日

二人の女性キャスター

 
私の両側にいるのは、フリーアナウンサーの江崎友基子さん〔写真右〕と中澤麗華さん〔同左〕。江崎さんはNHK BS-1の『BSニュース50』や『日テレNEWS24』などのキャスターとして、中澤さんはフジテレビ『エンタ! 見たもん勝ち』や『BSフジニュース』などで活躍する姿を、私もよくテレビで拝見してきました。

写真の場所は東京・恵比寿の撮影スタジオです。ここで今日は彼女たち二人と午前中から缶詰めになり、BSジャパンで近く放映予定のエアバスA380に関する特別番組『公開! 世界一の旅客機』の収録を行いました。

江崎さんはA380を開発したエンジニアたちを取材するためフランス・トゥールーズのエアバス本社へ、中澤さんはこの5月20日に日本に就航したシンガポール航空のA380に乗るためシンガポールへ飛び、それぞれの取材結果を受けて私が解説するというスタイルで収録は進行。テレビ番組のナビゲーターなどという不慣れな仕事でしたが、二人のプロフェッショナルに支えられてどうにか完了しました。

その道のプロ──というのは、やっぱりすごいですね。話し方もメリハリが利いているし、掛け合いトークの中で二人ともじつにうまくこちらをリードしてくれる。江崎さんも中澤さんも旅と飛行機をこよなく愛する人たちだっただけに、とても和やかな空気の中で収録は進みました。休憩時間になっても、取材したフランスやシンガポールでのエピソードや裏話で話が尽きません。

放映される番組では、そんな楽しい雰囲気がみなさんに伝わるといいなと思います。オン・エアは6月6日(金)の夜8時から1時間。どうぞお楽しみに!



2008年05月25日

見たよ! 聴いたよ!

 
先週20日にシンガポール航空のエアバスA380が日本に就航し、その関係で、このところあちこちのメディアに呼ばれています。月曜から金曜までNIKKEI NETにインタビューが掲載されたことは報告しましたが、一昨日の金曜日はTOKYO FMと東海ラジオの2つの番組にかけもちで生出演。東海ラジオでは「アイランドEYE」というコーナーで電話でインタビューに答え、TOKYO FMではスタジオに出向いてパーソナリティのリサ・ステッグマイヤーさんとおしゃべりしてきました。「見ましたよ!」「聴きました!」といった報告も、たくさんいただいています。

リサ・ステッグマイヤーさんはとてもキュートで、知的で、思っていたとおり素敵な人でしたね〔写真=出番を待ちながら本番中の彼女を記念にパチリ!〕。朝7時から放送の「WANDA モーニングショット」とういコーナーで、6時半過ぎには半蔵門のスタジオに入ってほしいと言われ、どうしようか少し迷いました。が、トークのお相手がリサさんだと聞いて、すぐに「行く〜!」と返事(笑)。リサさん、楽しかったです。また呼んでくださいね。

さて、昨日発売になった幻冬舎の月刊誌『GOETHE(ゲーテ)』7月号には、KDDIの広告ページに私がモデルとして大きくデーンと登場しています。4月に香港まで行って撮影しました。今週はBSジャパンの番組のスタジオ収録が控えています。6月6日(金)の夜8時からA380に関する1時間の特別番組が組まれ、私が番組のナビゲーターとして出演します。

さまざまな媒体に呼んでもらっておしゃべりするのはけっこう楽しいのですが、そのおかげで最近、“物を書く”という私本来の仕事がやや遅れ気味。執筆作業に影響が出てしまってはまったく意味がありませんので、気合いを入れ直さないと──と自分に言い聞かせています。



S.Akimoto at 01:59|PermalinkComments(0)clip!出会った人々 

2008年05月22日

この着物、なーんだ?

 
うかつにも、知りませんでした。JALの客室乗務員がかつて70年代の初めにかけて着物で機内サービスをしていたことは、私もいくつかのメディアで書いてきましたが、まさかヨーロッパのエアラインにも着物姿のCAが乗務していたとは──。

そのエアラインとは、英国のBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)です。同社は今年で日本就航60周年。それを記念して昨日、東京・銀座の三越で客室乗務員の歴代ユニフォームのファッションショーが開催されました。

ショーではCA養成学校「イカロスアカデミー合格講座」の受講生たちがモデルを務め、12種類のユニフォームを披露。その一つとして紹介されたのが、同社の前身であるBOAC(ブリティッシュ・オーバーシーズ・エアウェイズ・コーポレーション)時代に日本人だけに着用が許されたという着物のユニフォームです〔写真〕。ユニフォームとはいえ、着物は乗務員自身がそれぞれに調達したそうで、機内ではいろんな柄の着物が通路を行き交いきっと華やかだったでしょうね。

しかしファッションショーでは、他のスーツやワンピース姿のモデルたちと違い、着物のモデルの動きはやっぱりちょっとスロー。ときに機敏な動きが要求される乗務員の制服に、残念ならが着物は合わないかな? ロンドンのBAミュージアムから取り寄せたという歴代ユニフォームは、BAと銀座三越で開催中の「英国展」のコラボレーション企画として今月26日まで展示されます。



2008年05月20日

あぁ、ダイバート

 
もしかしたらダメかな? 成田に向かう車の中で、そう予想はしていました。今日はシンガポール航空 が運航するエアバスA380の、待ちに待った日本就航の日です。ところが運悪く、朝から強風と大雨によるあいにくの天気。空港ロビーに次のようなアナウンスがに流れたのは、まさに私が成田に着いたそのときでした──「成田への到着を予定していたシンガポール航空636便は、天候不良のためただいまから中部国際空港に向かいます」。

やっぱり! 思わずそうつぶやくと、シンガポール航空の出発カウンター付近にいた同社のスタッフ数人が私の到着に気づき、駆け寄ってきました。

「この3カ月間、一生けんめい準備を進めてきたのに」と、顔見知りのMさんが無念さを口にします。「まさか、今日に限ってこんな嵐みたいな天候になるとは……」

午前中に予定されていたテープカットなどの就航記念式典も、ひとまずすべて中止が決定。スタッフの何人かは身体の力が抜けてしまったように呆然と宙を見つめています。少し待って、私はセントレアで働く知人の携帯を鳴らしてみました。セントレアでは反対に、予期しなかったA380の飛来に大騒ぎになっているようです。そのことを知ったMさんは、うらめしそうに私に言いました。

「名古屋はもう雲が切れ始めたんですね。西からの雨雲があと2時間だけ動きを早めてくれれば、いまごろは私たちがお祝いの大騒ぎをしていたはずなのですが……」

でも、仕方ないですね。今日がどんなに特別な日でも、安全が第一です。明日からは毎日、A380は東京にやってくるのですし、おかげで名古屋のファンたちも“彼”の雄姿を間近で見ることができたのですから。それから1時間ほど空港の記者クラブの人たちと情報を交換し、再びMさんらが待機する出発ロビーに戻ったとき、ちょうどMさんの携帯が鳴りました。

「了解。ちょっと待って」と、彼は相手と話したあとで通話を中断し、私に言いました。「636便、こっちに向かったみたいです」

上空の天候が回復し、たったいま成田へ向け名古屋を発ったという知らせだったようです。笑顔を取り戻したMさんは、「じゃあ、また」と私に会釈し、元気に持ち場に帰っていきました。



2008年05月19日

A380の日本デビュー

 
週が変わり、エアライン業界にとって今年最大のイベント・ウィークが始まりました。昨年10月にシンガポール/シドニー線で初就航を果たしたシンガポール航空のオール2階建て巨人機A380〔写真〕が、いよいよ明日、日本にやってきます。

東京へのA380就航便は、成田国際空港の開港30周年の記念日に合わせて特別に便名をSQ636便とし、シンガポール・チャンギ空港を現地時間の5月20日午前0時40分に出発。成田には日本時間の午前8時30分に到着します。就航便を取材する日本の報道陣は、昨日すでにシンガポール入りしていますので、いまごろはきっとワクワクした気持ちで搭乗を待っていることでしょう。

私は明日の成田での就航セレモニーにゲストとして出席するため、今回は搭乗取材はしません。しかし現地に飛んだテレビクルーなどからは、昨日の出発ぎりぎりまで電話でのインタビューを受けました。まさに日本中の注目が、A380という新しい飛行機に集まっている感じです。

ところで、日本経済新聞社などが運営するニュースサイト「NIKKEI NET」内の「日経WagaMaga」では、ひと足先に私のインタビュー連載がスタートしました。A380について私がお話しした内容を5つのトピックスに分け、今日から金曜まで計5回にわたって掲載されます。

さっそくアクセスしたという某誌の編集者から、先ほど電話で「秋本さん、疲れてますね」と言われました。たしかに。このインタビューが行われたのは先月。香港から帰国してノルウェーに発つ間の、超殺人的スケジュールの合間を縫ってだったと記憶しています。でも、言い訳はしません。余計な言い訳をすると、弟子の旅行ライターから「疲れてる顔? いつもとおんなじだと思いますけど」と言われるのがオチですから(笑)。



2008年05月16日

フィヨルドへ直行!

 
ノルウェーのあの雄大なフィヨルドを訪ねてから早1カ月が経過しました。しかし1カ月が過ぎたいまも、あの感動が脳裏に焼きついて離れません。写真を整理しながら、いま旅を振り返っています。

同国第二の都市、ベルゲンをベースに、船とバスと鉄道を乗り継いでたどり着いた4大フィヨルド。2005年に世界遺産に登録されたガイランゲルフィヨルド〔写真〕の複雑に入り組んだ地形を目の当たりにし、その南部に位置するノールフィヨルドでは、流れ落ちる1万年の時を経た氷河を目撃しました。

国会議員の40%は女性でなければならない。企業の取締役会の4割も女性に。ノルウェーというのは、そんなアッと驚く社会システムをつくって世界に問いかけてきた国です。生活スタイルや環境保全への取り組みなどもしかり。洗練されたインテリアデザインも有名ですね。人口わずか500万人足らずの国に、どうしてこんな最先端の取り組みが可能なのか? その疑問に、ノルウェー人たちはシンプルに答えるそうです──「だって、自然が力をくれるから」。

ノルウェー、いいですよ。本当に。そしてじつは、フィヨルドへのベースタウンであるベルゲンへ、この夏にSAS(スカンジナビア航空)が期間限定で成田から直行便を飛ばすことになりました。成田からベルゲンへ、フライト時間は約11時間。コペンハーゲンを経由する従来のルートだと、乗り継ぎを含めて18時間ほどかかっていたことを考えると、7時間も短縮されることになります。あのフィヨルドが、ぐっと近くなりますね。

運航予定日は夏期ベストシーズンの毎週土曜日で、2008年7月12日、19日、26日、8月2日、9日の計5便。成田を11時40分に発って、現地時間の15時55分にベルゲンに到着します。夏のスカンジナビアは日照時間が長く夜でも明るいので、ホテルに荷をほどいてひと休みしてから、世界遺産の街・ベルゲンをのんびり散策──夏休みのプランの一つとして、これはおすすめです。



S.Akimoto at 22:31|PermalinkComments(0)clip!ヨーロッパの旅  | 就航路線
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秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻し、卒業後数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。欧米やアジアなど世界の空を旅しながらエアライン関係者1,000人以上にインタビューを続け、航空機メーカーや各国空港なども幅広く取材。運営するAll About『世界のエアライン』のほか新聞、雑誌にレポートやエッセイを発表。DVD『コンコルド1976〜2003/超音速飛行の27年』(ナウオンメディア、'06年)を監修・解説。著書に『エアバスA380まるごと解説』『みんなが知りたい旅客機の疑問50』(以上ソフトバンククリエイティブ/サイエンス・アイ新書)、近著に“空の旅とエアライン”をテーマにしたエッセイ集『いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)

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